【61】覚悟
すると、悪魔は……
「……フフフッ
これは、私の負けですね。
ですが、ただ負けるのも面白くない! この街の人々を道連れにするとしますか……」
そう言うと、悪魔は自分の手で心臓を貫くと……体中から黒いモヤのような物が湧き上がってくる。
「私を倒した強気物達よ! なれば! これは、どう対処しますか!?
この黒いモヤは、街を飲み込み……触れた者を【黒死病】と変え! 数分と経たないうちに死に追いやります。
貴方達だけでも助かりたいのであれば、今すぐこの街を見捨てて逃げれば助かりますよ。
……まぁ、出来ないでしょうが!!!」
(……やってしまった……僕が集中をしていなかったから……致命的なミスを犯してしまった……バカだ!バカだ! 僕は本当に大馬鹿者だ!!!)
悪魔は分かっていてやっている!!!
僕達が、この街の人達を見捨て慣れない事も……逃げないと言う事も……
僕とは違い! 非情なまでも冷酷だか……きっと正しいのは悪魔の方なのだろう。
戦いに情など持ち込んではいけない……
それを改めて思い知らされた。
しかし、悪魔だって! そんな事をすればタダでは済まないだろう。
そう思い!!!
一途の願いを込めて悪魔との対話を試みる。
「……なあ……悪魔である君だって、こんな事をしたら! 無事では済まないだろう!?
だから……こんな事をするのは、もうやめてくれ!!!」
「フフフ……敵である私の事も心配するとは、変な方ですね。
心配しなくとも、私は死んでも数十年か数百年すれば復活出来ますから……ご心配なく。
なので、今は自分達の心配をしたらどうですか? このままでは、大切な仲間も皆んな死んでしまいますよ!」
そう笑顔で問う悪魔……
僕の願いは儚くも砕け散った。
そして、考える。
皆んなが、助かる方法を……
黒死病は、治す事は出来る……しかし、数分では街の人達すべてを助ける事は出来ない!
ならは、感染する前にどうにかする……!?
(考えろ……考えるんだ!!! でなければ、みんな死んでしまう。
そうなったら、僕が油断したから……僕が殺したも同然だ!!!
僕は、本当! どうしようもない……バカでグズで……クソだ!!!
そんな僕なんて、死んでもいいから皆んなを助ける方法を……)
……………………………………………………………。
思いついた!!!
しかし、成功するかは分からない……
しかも、成功しても失敗しても……きっと、僕は死ぬだろう。
だから皆んなには、言えない……きっと、反対するだろうから。
でも、こうなったのは全部! 僕のせいだ!
僕が皆んなを守らなくては……
僕は覚悟を決めると、【粘糸】を悪魔に巻き付けると……ゆっくり近づくと!
悪魔の心臓に触れると……
「スキル【奪う】発動!!!」




