【36】バレない為に……
僕は、ダンジョンから放り出される前にフェルのお腹に捕まり隠れた。
フェルは走りにくそうだったが、ダンジョンから出ると必死に走ってくれた。
そして、冒険者達からかなり離れた森の中……
フェルは、とうとう力尽き! 倒れた。
僕はすぐに立ち上がると
「ごめんよ。 フェル!」 と謝った。
フェルは、疲れ過ぎて大きな舌を出して!
ゼェ……ゼェ……! と深い呼吸をしていた。
すると、どこからもとなく声が聞こえて来る!
僕は冒険者につけられていたのかと思い。
急いで態勢を低くとるが……
声は聞こえるが、誰も見当たらない……
僕はフェルと共にダンジョンルームに逃げようと、すると……
「……待て待て! 別に取って食うつもりはない。 安心せい」
すると、木の上から1人の女性が舞い降りてくる。
その女性は、とても美しく! 神秘的な雰囲気を纏っていた……
「人間語など、久しく使ってないモノじゃから発声が難しいのぉ〜……」
そんな事を照れ臭そうに話す彼女に、僕は話しかける。
「……あの……何か様ですか?」
「お主、妾が見えるのか?」
「……まぁ…………」
「これは、なんと珍しい!!! 久しく見た人間を揶揄ってやろうと思ったのじゃが……
失敗じゃ!!!」
何を言ってるのか? この人は……
「……で? 何か用ですか?」
そう聞くと……
「……特に用は、ない!」
そうはっきりと答えられたので、僕は用がないなら……と言って、その場を立ち去ろうとすると!
「何故? お主達は、ボロボロなのじゃ?」
「……まぁ、色々ありまして……えぇ〜と、
仲間も負傷しておりますので、僕達は先を急ぎます……」
そう言うと
「そんな事なら妾に任せておけ!」
そう言うと、フェルと僕の傷と体力を回復してくれた。
「……あっ……えッ? えッ…………?」
僕が戸惑っていると……
「ほら、これで問題無かろう。
お主らがボロボロの訳を話せ!!!」
そう、せがまれたので……
僕はフェルを見るとダンジョンルームに逃げようと目で合図をすると!
フェルは……
「主人……コイツは、精霊! しかも、特別上位の精霊だと思います。
まぁ、だからと言って何もありませんが!」
そう伝えて来たので、僕は謎の女性に質問をする。
「……貴方は、精霊なのですか?」 と聞くと
「……何を隠そう! この妾が精霊女王じゃ!!! だから〜お主らの事〜! 全て、話せ〜。 妾は暇なんじゃ♪」
悪い人では無さそうだけど……噂は広がって欲しくないし。
本当に話して良いものか少し考える。
が……
精霊女王がしつこく五月蝿いので、結局!
話す事にした。
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あとがき
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これからも精一杯の感謝気持ちを込めて書かせて頂きます!
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