【25】紅姫
僕達は【紅姫】を仲間に加えた。
彼女は、何故か盗賊達の仲間になろうとしていた。
しかし、盗賊達が僕達に敗北する姿を見て僕達の仲間になる事を決めたみたいで、その内容については教えてはくれなかったが……
僕のスキルで【鑑定】すると、彼女の正体が獣人族ではなく……
鬼人である事を見抜くと、彼女は猫耳を外し隠していた小さなツノをあらわにした。
やはり……彼女は鬼人族の女の子であったが、ツノが小さい為に、ちゃんと確認しないと普通の女の子と見分けがつかないくらいに人寄りの魔物だった。
僕は本当は、もう2度と人とはパーティーを組まない。
(僕が泥棒の為、迷惑がかかるから)
そう決めていたが……
彼女は元々、何故か? 盗賊の仲間になろうとしていたし。
鬼人なので、人ではないからヨシッ! とした。
そして、僕がそう言う事を彼女に伝えると……
彼女は今まで大人しくしていたが、態度を急変させた。
「そういう事なら子ども扱いしないで!!! 私は貴方より年上だし、身長だって私の方が高いじゃない!!!」
そう言うと僕の前に胸を張って立つと、確かに僕より数センチ彼女の方が身体が高かった。
「それに私の方が強いんだから! 私がリーダーの方が適任だわ!」
などと言うと、フェル達が怒り出した!
「小娘! 調子に乗るなよ!!! 主人を侮辱するなら噛み殺すぞ……」
紅姫は少し、ビビりながらも虚勢を張っていた。
僕はフェル達を宥めながら、紅姫に忠告をする。
「一応、このパーティーのリーダーは、僕だ!!!
もし、僕の意向に従えないのならパーティーを抜けてもらっても構わない……」
「……そ……そんな事は、言ってないわ!」
そう言うので、他にもう一つ! 付け加えた。
「それに、あの時! 僕は魔法を使ってない! 使っていれば、あの時追い詰めていたのは僕の方だと思う」
そうとも付け加えた!
実際は、魔法は得意では無いがアクアのサポートがあれば、かなり強い魔法を使えると思わせる事ができる為に嘘ではない!!!
「私だって剣が2本あれば、もっと戦えたし。そこまで言うなら、今ここで証明しなさいよ!」
そう言われたので、僕はアクアにサポートをしてもらい……
魔力を手に込めると、巨大な水の渦巻きを放った!!!
水の渦巻きは、森の木々を薙ぎ倒すと!
天災……嵐が過ぎ去った後みたいな光景を作り上げた。
……少し、やり過ぎてしまった。
そう思ったが、案外!
紅姫の反応を見るに成功だったと思った。
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あとがき
紅姫目線
私は、アマネの魔法を見て驚いた!
正直言ってコイツがこんなに強いとは思わなかった。
テイマーだから強いのは、連れている魔物だけかと思っていた。
やはりコイツに、ついて来て正解だったわ!
私の目的の達成の為には、とりあえずリーダー我慢するしかないわね……
コイツらを上手く誘導出来るか、不安はあるけど……やれるだけやってみるしかないわね。




