【16】願い
「・・・」
「だから、だから……私…………ずっと、ずっと! 寂しかったのーーー!!!
だから、お願い! 逃げないで! 私を置いていかないでーーー!!!」
ダンジョンボスは、泣きながら必死に訴えかけて来る……
しかし、一体どうすれば? 良いのだろうか…………
悩んでいると!
アルが……
「あるじー……お腹すいたー!」
「ちょと……待っててねー! アル……」
すると、ダンジョンボスが……
「このモンスター達は、貴方の配下なのですか?」
僕は、収納袋にしまっておいた。
お肉を取り出すとアルに食べさせながら答えた。
「……そうだけ…………ど……それが、どうしたの?
僕、テイマーのスキルも所有しているから……」
アルに、ご飯を食べさせながら淡々と答える。
すると……
「では、私のこともテイムしては頂けないでしょうか……?」
「・・・」
僕は、考えた……
ダンジョンボスは、果たしてテイム出来るのだろうか……………………。
「コイツは、強いし……
良いんじゃないか、主人!」
「ありがとうございます!」
食い気味で、喜ぶ! ダンジョンボス!!!
「いや……僕じゃ、テイム出来ないんじゃないかなぁ〜」
そう言うと、ダンジョンボスはあからさまに落ち込んでいた……
別に彼女を落ち込ませたい訳では、ない。
ただ……
この3匹の魔物も従わせる事が出来ない僕が……
ダンジョンボスをテイム!!!
果たして! 可能なのだろうか……
すると、ユキが……
「大丈夫だと思いますよ。」
「えっ! 僕なんかで、いけるの?」
「…………ええ……私達のマスターですし……
それに、彼女も仲間になりたがっているので
可能だと思います」
「そっか〜……
ユキが、そう言うなら。 やってみるよ!」
「お願いします!!!
何卒! わたくしを仲間にして下さい!」
そうして、僕はダンジョンボスをテイムする事に
彼女に軽く触れて……呪文を唱える。
「……テイム!!!」




