【3】何故こうなった?
確かにレッサードラゴンを倒したのだ!
少なくともCランクの上位! Bランク相当の実力があるのも確かである。
しかし、戦い自体はお粗末なモノであった。
道具に頼り……魔法に頼り……連携も何もない。
1匹だからいい物の複数体居たらヤられていただろう……
パキパキッ!!!
僕達が膝をつき休んでいると……
後ろから枝の折れる音が聞こえて来た!!!
振り向くと……
そこには、レッサードラゴンの群れが数体!
しかも、さっきのレッサードラゴンは子供だったのか、先頭の2体は体が大きい……
僕達は急いで立ち上がり戦闘態勢に入る!
ラッシュとゴウセルが突っ込むが、1体にすら歯が立たない……
そして、僕は撤退の指示を出す!!! が……
ラッシュか否定する!
「ふざけるな! 俺達は今まで失敗は無い!!! こんな所で撤退なんかしたらパーティー名に傷がつく!!!」
「そうだ!!!
俺達は勇者パーティーになるんだ!
(女の子達と約束したんだ!)
このぐらい、切り抜けてみせる!!!」
「……くッ…………ぅん……分かった…………」
そして、数分後…………
「……どうして…………こうなった……?」
ラッシュは、大剣を砕かれ! ゴウセルは大怪我をしている。
マーリンの服はボロボロで、傷ついた肌に跡が残らない様に必死に回復魔法をかけている。
僕は、と言うと……
ソフィの上にのし掛かり、噛みつこうとするレッサードラゴンの首を必死に抑えていた。
何とかレッサードラゴンを引き剥がすと、ソフィを引きずり走った……
そして、マーリンの腕を掴むとラッシュとゴウセルに撤退の指示を叫ぶ!!!
今度は2人も僕の指示に従ってくれた。
しかし、レッサードラゴンの足も早く追いつかれそうになる。
僕は意識を失ってるソフィの魔法の杖を走りにくい為、投げ捨てた!
そして、一緒に撒菱を撒くとレッサードラゴンの足が少し止まったのを見て……
可燃性の高い油を投げつけるとビー玉サイズのファイヤーボールで火を付けた!!!
ギャゃゃーー!!! と言う。
レッサードラゴンの悲鳴が上がったが、ラッシュとゴウセルの攻撃を受け付けない!
あの硬い鱗には、ダメージは少ないと思った。
そして、逃げてる途中に焦った声でマーリンが話しかけてくる。
「アマネ! ポーションを持ってない?」
何故と聞くと、魔力が尽きた為に回復魔法がかけられないのでポーションで傷跡の治療を行うと言われた……
僕が、そんな事をしている場合じゃない! と怒ると……
マーリンは、逆ギレを起こして来た!!!
僕は、それを無視してラッシュとゴウセルにポーションを渡すと……
目の前に流れの早い! 大きな川が現れた……
後ろにはレッサードラゴン……
僕は躊躇無く!
付けている装備を捨てる事を指示した。
高い物だとか何だとか文句は出たが……
さっきの戦闘で壊れた物も多い為に、僕は皆んなの装備を引き剥がすと!
川に突き落とした!!!
そして、最後に意識を失ったソフィをロープで自分の体に縛り付けると川へ飛び込んだ!




