【0.96】パーティー
そして、僕達はクエストクリア報酬を貰うためにギルドへと向かった。
ギルドに着くと僕達は別々でクエスト報告をする。
僕はカグヤに報告をすると……
他にも採取して来た野草やキノコ、トレントの素材などを見せると……
驚かれ! 5つのクエストクリアとクリア報酬がもらえる事となった。
そして、その後ラッシュ達とパーティー登録を行うと
ギルドカードに
パーティー名【名無し】の文字が刻まれた。
その後、僕達はパーティー名について相談したが……
良い名前が出ず! 決まらなかった。
ので、後々……
考える事にした。
そして、2人に僕が泊まっている宿を紹介すると……
値段も安いと、とても気に入ってくれた。
2人がチェクインしたので、僕も自分の部屋へと戻ろうとすると……
「あんたは、ちょっと待ってくれるか!」
そう言われたので2人とそこで別れた。
そして、話を聞くと
何でも僕の噂が街中に広がっているらしく……
宿の客の私物を盗んでいるだとか、人を殺した事があるだの……
面白がった人達が、話を大きくして!
尾鰭を付けて話が広がっているらしい……
しかし、僕は初めに10日分の宿代を払っている。
そう訴え掛けると……
10日分の宿代と僕の荷物を渡された。
「悪いな! 別にお前さんに恨みは無いが
こっちも客商売な物でな……
悪い評判が立つと、お客さんが減っちまうんだよ!」
そう言って、荷物を渡されると店を追い出された!
「・・・」
文句は沢山あるが……
諦めて他の宿を探す事にした。
しかし、宿は簡単には見つからなかった……
やっとの思いで見つけた宿は、料金は高いうえに衛生環境も悪質だったが他に借りられる宿も無いので諦めて借りる事にした。
そして、次の日。
僕達はギルドに集まるとFランクのクエストを受注した。
昨日、カグヤに5つのクエストを達成した事にしてもらったが……
一様! 複数のクエストを受ける際も発注して欲しいと言われた。
なんでも……
いきなり大量に予定外のクエストを持って来られるとテンパテってしまうからやめて欲しいと言われたので、今日は4つのクエストを受ける事にした。
クエスト失敗はマイナス評価になる為に基本的には1つずつ依頼した方がいいがFランクと言う事もあり。
効率よく数をこなすには、こう言うやり方もありだと思う。
そうして、僕達はクエストの為に森へと向かうと……
今日はモンスターに出会うこともなく
難なくクエストの依頼を達成した。
そして、お昼になると3人分の食事を僕が用意をして近くの草原で食べる事となった。
「悪いな! アマネ……」
「別に良いよ! 1人分も3人分も対して変わらないから」
「そう言ってもらえると、助かります」
「それにしても……
何で、そんなに大荷物なんだ?」
「実は……」
昨日泊まる事となった宿の治安が悪く
全ての荷物を持ってくる事になった事を説明……
「だけど、こうやって全て持って来たから外で食事が出来ると思えばラッキーだったよ」
そう言うと、2人も……
「確かに、こんなに見晴らしのいい場所で食事を取るなんてキャンプみたいで楽しいしな!」
「そうね!」
そんな事を話しながら食事の準備をしていると、ラッシュが……
「アマネ……お前! 魔法も使えるのか?」
そう言われたので、攻撃魔法としては使えないと説明。
しかし、調理や火おこしなどには不便なく使える事を伝える。
すると、ラッシュも炎魔法を使って見せてくれた。
「凄い! ラッシュは魔法剣士なんだね」
そう言うと……
「実は、俺も魔法が得意じゃなくて……
初級の炎魔法のファイャーボールもこの程度の威力しか出せないんだ!」
確かにラッシュの言うとうり。
ラッシュの放つファイャーボールは、野球ボールくらいのサイズしかなかった。
しかし、野球ボールでも僕のビー玉サイズに比べれば間違いなく攻撃魔法として役にたつ。
そして、お次はマーリンが満を持してウォーターボールを放つ!
マーリンのウォーターボールは、バスケットボール位のサイズで! もっと魔力を込めれば、もっともっと大きく出来る! と
ドヤ顔で説明された。
他にもマーリンは治癒魔法も使えるらしく
それを聞いた後、僕とラッシュは少し落ち込んだ……
けれど! 僕はラッシュに師匠であるガシュの事を話すと元気を取り戻した。
ラッシュは、凄い!
何せ! 僕の目指すガシュ! と同じ魔法剣士。
あの時はBランクパーティーだったが
今は、きっと! Aランク……もしくは勇者パーティーにだってなってるかもしれない実力者なのだ!
そして、その後! ラッシュは僕に
自分の恩恵である必殺技を見せてくれた!
ラッシュの恩恵は、特技で【スラッシュ】 と言う!
剣を鞘に閉まった状態から高速で敵に近づき斬りつける。
まるで! 居合切り。 みたいな技だ!
僕は、その速さに驚いた!
そして、ラッシュにこう伝えた……
「君は、もしかして! 勇者になれる逸材かも知れない」
そう伝えると……
ラッシュは
「お世辞にしても褒めすぎだろ!!!」
そう返して来た。
しかし、僕は本当にそう思った。
「いやッ! お世辞じゃない!!! 本当にそう思ったんだ。
ラッシュにはキラキラ光る輝きが、僕には見えるよ」
そう言うとラッシュは少し黙り……
「なら……俺達のパーティー名は
【星の光】にしよう!」
「良いと思う!」
僕が相当すると……
「リーダーは、誰がするの?」
そうマーリンが聞いてきたので
「それは、勿論……」
僕が答えようと、すると!
「アマネだろ!」
「……イヤッイヤッイヤッイヤ!」
僕は両手を振りながら顔を横にブンブンッ振った!
「なんで? 星の光は天音の天を星として! 俺の輝きを足したもの
そして、いずれ俺達は【スター】1番星になる!!!
そんな意味合いが込められているんだ」
「それは、分かったけど……
何で!? 僕がリーダーなのさ!!!」
「適任だと思うわよ」
「ああ! アマネは何でも出来るしパーティーには必要不可欠だからな!」
「いやッ! 僕がやっているのは雑用だよ!
それにリーダーは皆んなを引っ張って行かなきゃ行けないし…… それに、年下だし……
僕にリーダーなんて、無理無理無理無理絶対無理!!!」
「そうか? んん〜……じゃー!
俺がやるか!!!」
「それが間違いなく適任だと思うよ!」
「なら、このパーティーのリーダーはラッシュで決まり!!!」
ようやく話がまとまるとギルドカードに
パーティー名【星の光】が記載された。
こうしてパーティー名が決まった僕達は、クエストクリアの報告する為にギルドに向かう……
ギルドに報告を済ませると僕達のランクはFからEへとランクUPした。
そして、その事に喜びも束の間……
1組のパーティーが揉めているのが目に入って来た。




