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【0.93】思い出したくない事……

「確かに、職業が泥棒となっておりますね。

失礼ですが、物を盗んだ事はありますか?」


その質問に僕は、即座に答える!


「ありませんよ! 失礼ですね」


「これは、失礼しました。

なら問題ないかと……

ギルドカードは、パーティーにも絶対見せなくては行けないと言う物でもないですし。

それに、ちゃんと説明すれば分かってくれますよ!」


「そうですね……」


「……それより君……アマネくんと言うんですよね。」


「はい、そうですが……」


「アマネくんは、職業より年齢の方が気になりますね。」


「年齢……?」


確かに、僕の年齢は12歳だけど……


この世界では、13歳で成人で!


大体15歳には、独り立ちをする事が多い。


しかも、世界を救った3英雄の1人!


勇者は、13歳にはダンジョンを攻略した。 

と言う伝説から彼は10歳から冒険者として活躍していたと伝えられている。


なので、何の問題も無いと思うが……


「何か問題でも、ありますか?」


「いえ! 問題は、無いのですが……

これだけ若いとパーティーになる人もかなり若くないと組んでもらえませんよ。

なので、年齢は少し嘘をついた方がいいかもしれませんね」


「……はぁ……そう言う物ですか?」


「そう言う物ですよ!」


とりあえず! ローズさんの言葉を心の片隅に留めておく事にした。


そして、僕のステータスを見るローズさんは目を見開いた!!!


「な……何ですか!? 君は!!!

かなりの魔法を使える上に……かなりの特殊な耐性持ちでは、ないですか!!!」


ローズさんが驚いているので、僕も確認してみた。


確かに魔法は、沢山持っているように見えるが……


実際は、炎はライター程度……

水魔法は蛇口をひねったくらい。

雷魔法に至っては、静電気ほど、と……


使えると言うのが、おこがましい程の物だ!


しかし、耐性と言うジャンルを確認すると……


確かに、使える物が豊富にあった。


物理攻撃耐性、精神攻撃耐性、熱耐性、寒耐性……


これだけでも、かなりの物だ!


しかし、まだある。


ローズさんが、僕を凄い! と褒めてくれるので


僕は、少し浮かれていた。


そして、後の耐性を見ながら……


僕は、ある違和感に気がつく。


炎耐性、水属性、雷耐性……


ステータスを覗いていると、何故か……


前世の記憶が蘇って来る。


日々の暴力……

死にたくなるような罵声や恫喝……


火、水、電気……と言った拷問……


前世で、最後に行った母親の物を盗むと言った行動……


もしかしたら、僕のスキルは前世の事が影響しているのではないかと……


そんな事を考えながら……


2人でステータスを確認していると



…………毒耐性……


僕の前世の記憶が、フラッシュバックする……


それは、前世で


久しぶりの母の手料理を食べた時の記憶……


僕は、お母さんがいる事が嬉しくて浮かれていた。


久しぶりの温かい! 母の手料理。


僕の大好物の大盛りカレーを


僕は、喜んで! 「美味しい!美味しい!」と言って沢山食べた。


そして、僕が


「ごちそうさま! 美味しかったーー!」


そう言った頃には、お母さんの姿は無く……


僕は、無理をして大盛りのカレーを食べたので気持ちが悪くなり。


吐いてしまった……


そして、一度吐き始めると!


嘔吐と目眩が止まらなくなり……


最後には、失禁をして気を失った。



意識を取り戻したのは、3日後……


まだ、体調は悪かったが何とか水分を取ると

徐々に回復……


その後は、吐いた物を片付けて! 


いつもの生活へと戻った。



…………………。………………………。………………。



「…………アマネくん……もしかしたら…………

凄い冒険者になるかもね!!!」


僕は、ローズさんの言葉で我に返った。


そして……


「……ハハッ…………」と愛想笑いをすると!


ステータスを閉じた。


その後も……


ローズさんは、僕を


凄い! 凄い!!! と連呼すると!


僕は、耐えられなくなり……


「やめて下さい!!!」


ギルド中に響き渡る。大声で、叫んでしまった。


ローズさんの驚いた顔を見ると……


僕は 「……ごめんなぃ…………」


そう言って、その場を後にした。



そして、その日は安めの宿に泊まると……


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