【0.1】0歳!
パチッ……目を覚ますと!
そして、凄く揺れていた……
ガタッ……ガタ…ガタガタ…………
地震と勘違いする程だ。
(僕は、死んだはずでは?)
そう思いながも、必死に起き上がろうとするが…………
起き上がれない。
周りを確認すると……カゴのような物に包まれていた。
僕は、そのカゴの様な壁に手を伸ばす。
すると、その伸ばした自分の手は……
ふくふくと肉付きのいい手だった。
僕は、驚き……
その手を顔の前の持って来て、よーく確認する。
小さいが……
やはり自分の手である事が、分かった。
理解が追いついていないが……
その手で、僕は自分の顔に触れてみた。
すると……
ふくふくと顔も肉付きが、良くなっていた。
そして、少し考え……改めて思い出す。
僕は、死んだはずだと……
なら……今の状況は、夢か……?
メキメキ……ガシャーンッ!!!
大きく揺れる衝撃を受けると……振動が伝わって来た。
「!!!」
(痛い……)
声は出せないが……痛みは感じる。
痛いって事は!?
……ぁぁ…………僕は、生まれ変わったのだとこの時、理解した。
そして、大きな衝撃の後……
僕は、外へ投げ出された。
宙に舞う……僕は、眩しさのあまり目をつぶった。
そして、ゆっくり開くと……
とても綺麗な森、逃げていく馬……壊れた馬車が、そこにあった。
大きな木に馬車が突っ込んで大破していた。
完全なる交通事故だ!!!
僕は、あの馬車に乗っていたのだと気づくと……
よく無事だったなぁ〜‥‥‥などと思っていると、大変な事に気づく!!!
周りに人影は、全くない!
そして、僕は動けない……。
てか、僕は生まれ変わり。
赤ちゃんになっている事に、気づいた。
しかし、気づいた所で何も出来ない……。
10歳の僕ならこの場から逃げる事も出来たが、0歳の赤ちゃんでは……はって歩く事も出来ない。
僕が、途方に暮れていると……
何処からともなく。
パキンッ!
小枝の割れる音と、何かが近づいてくる足音が聞こえた。
「グルルルーーールルゥ"!!!」
ヨダレを垂らしながら、大きな熊が現れた!
僕は、驚いて! 大きな声で、助けを叫んだ!!!
「あぅあぅあぅ!!!」
・・・・・・。
しかし、叫ぶ事は出来なかった……
僕は、ゆっくりと近づいて来る! クマを見ながら少し考えた。
このクマは、お腹を空かせている。
僕は、きっと食べられるのだろう。
死んで生まれ変わって、物の数分で……
また死ぬ。
僕は、この世界でも捨てられたのか……
しかし、何の未練もない。
一度、諦めた人生……もう、生まれ変わった僕では、お母さんに会っても僕だとは気づいてもらえない。
そして、また……生きる事を
諦める事にした。
僕は、諦め最後の時を迎えようとしていた。
クマが、僕の元へ辿り着くと……
拳を振り上げ! 鋭い爪をあらわにすると
僕の視界がモノクロとなり世界の動きが、遅く……スローモーションになった。
(ああ……短い人生だったな。)
生まれ変わってすぐなので、記憶が無いため走馬灯も見えない。
ただただ世界が、スローモーションの様にゆっくりな世界で
最後の時を待った。
ゆっくりとクマの鋭い爪が、振り下ろされようとした。
その時……
クマの頭が、バナナの皮を剥くように真っ二つに分かれていった。
そして、大量の血を噴き出しながら体が真っ二つになると……
ドッダーーン!!! と
大きな音と共に崩れ落ちた。
そして、そこには黒い服____
忍者の様な服を羽織った。
1人の白髪の老人が立っていた……
僕は、喜ぶ事も泣く事もしなかった。
そんな僕を見つめながら……
その老人は、 「参ったな〜……」
そう言った。
老人は、僕を恐る恐る。僕を持ち上げると……
「お前は、何で1人なんじゃ? 親は?」
そう問いかけてくる。
しかし、僕は赤ん坊の為に答えられない。
「だよな……話せないよな、赤ん坊じゃからな。 困ったのぉ〜……」
白髪のお爺さんは、僕を抱き上げ見つめながら少し考えている様子だった。
そして……
「分からんから……お婆さんに相談しよう。
そう、しよう!」
そう言って、僕が入っていたカゴを見つけると僕をそれに入れて森を後にした。
僕は、死を受け入れたが……
何とか生き延びる事が出来た。
毎日投稿します。
是非! 読んで見てください。
この作品は、初めは展開がゆっくりとしていると思います。
ですので、展開が無くて……つまらない。
そう思った方は、27話から読んで見てください。




