【148】首
「ちょっと、待って待って!!! 本当に待ってください!」
「何だ!? 見苦しいぞ! 男なら覚悟を決めよ!」
「いや、覚悟なんて決まんないから!!!」
すると、抑える力がよりいっそう強くなる。
僕は、鬼人達を無理矢理! 魔法で引き剥がす事は出来るが……
そうすると、紅姫の知り合い達を傷つける事になる。
そんな事を言ってる場合では無いのは分かっている。
しかし、傷つけたく無いのもは傷つけなくない!
僕は強く押さえつけられ! 首を切りやすい体勢を取らされる。
そして、大きな刀を持つ者が現れると……
『どうする!? どうする!? 助かる手は、何か無いか!!!』
「やれ!!!」
すると、首に掛けられていた首飾りが胸元から滑り落ちる。
「まずいまずい不味いまずい! 本当に待ってくれ! 僕の話を聞いてくれーーー!」
「・・・・・・。」
………………。
…………………………。
……………………………………。
「……お前!
その首飾りは、誰に貰った……?」
「…………はぁ? 首飾り……!?」
『…………この首飾りは……。』
***
それは、城から村に戻って少し経った頃。
紅姫が僕に、首飾りを渡して来た!
「天音……これあげるわ!!!」
「……えっ! あ……ありがとう。
でも、何これ? 首飾り!?」
「ええ! 特に意味はないわ!!!
私の村の魔除けみたいな物よ! 首に掛けておきなさい!!!」
「魔除けか……
ありがとう! 大事にするよ。」
そう言うと紅姫は、少し恥ずかしそうにしていた。
「じゃー……私! 行くから!!!」
「行くって、何処に?」
「別に、何処でも良いでしょ!!!」
「……うん、ごめん。
怒ってる?」
「怒ってないわよ!!!」
そう言った紅姫は、僕の前から居なくなり。
僕のは紅姫から貰った首飾りを首に掛けると……
「なんか!!
この形、紅姫のツノみたい……」
***
「お前! この首飾りを誰に貰った!!!」
「これは紅姫に貰った物です!!!」
「嘘をつくな!!!」
「嘘じゃありません!!!」
これは、本当に紅姫に貰った物だ!
だから嘘など本当についていない……
だが、鬼人族の男達は
僕から……
その首飾りを引き千切ると!
「そんなはずがない!」
「絶対に嘘をついている!」
「俺は、信じない!!!」
そんな言葉が飛び交う。
そして、1人の男が……
「誰か! 紅蓮を呼んで来い!!!」
「分かった! 俺が呼んでくる!!!」
そう言って1人の男が走っていくと……
僕の首切りが一度保留となったが、何故か残った男達の目が……よりいっそう厳しいモノとなった。
そして、紅蓮と呼ばれる鬼人が到着すると!
僕が紅姫から貰った首飾りをじっくりと調べていた。
そして、
「これは、間違いなく……娘の物だ!!!」
そう言うと……
「ふざけるな! そんな訳がない!!!」
「嘘だ! 嘘だ!! 嘘だ嘘だ!!!」
「何かの間違いだ!!!」
そう言いながら騒ぎ出す!!!
「しかし、理由は如何あれ! これは間違いなく娘の物だ!
だから、私は……彼から話が聞きたい。」
「この騒ぎを静めるには、それしかないようですね……
とりあえず、話を聞く!
拘束を外せ!!!」
「はいッ……」
そうして、訳が分からないまま……
僕は解放された。
そして、僕は紅蓮と呼ばれる男に質問をされた。
「……率直に聞こう! 君が、これを何故持っている?」
「紅姫に貰いました。」
「そうか……人間を……
しかし、娘が選んだんだな!
なら、私は文句は言わん。」
そう言うと……
僕は、鬼人達の集まる会議部屋の様な所に連れて行かれると話を聞いてもらえる事になった。




