【144】姿
『何か……嫌な予感がする。』
「いえ……出来れば、直ぐに仲間に無事を報告したので!
申し訳ないのですが、行かせて頂きます。」
「ああ……そう言えば!
ここに来た目的なのですが……」
すると、部屋の装飾が光り出した途端に
僕の悪魔の腕は消滅した。
「……な……なんですか? これは???」
「えい、一応……警戒はしていたのですよ。
言っても魔物使いですからね!
そして、来た時には感じませんでしたが……
お連れの方から漏れ出す! 禍々しい程の魔力は、魔物の物ですよね。
危うく……騙される所でしたよ!
そして、貴方の腕は……何なのでしょうか?」
手袋で黒い腕は、隠していたので見られてはいないが……しぼんだ服を見て怪しまれてしまった。
「天音!!!」
僕は、ハッと気づき!!!
扉に向かってファイヤーボールを放った!
「ファイヤーボール!!!」
すると、ファイヤーボールは扉に直撃する前に掻き消えた……
「……な!」
「魔法は、ダメみたいね……
なら、これなら!!!」
紅姫は、刀に魔力……炎を凝縮すると!
「炎斬!!!」
炎を纏った斬撃を扉に叩き込むと……
「……扉には、傷一つ付かなかったけど!
周りの壁は、少し傷付いているわね。
ならば!!! 天音、少しの間……私を守って!」
「分かった!!!」
「させるかーーー!!!」
僕は、神官様の動きを粘糸で抑え込んだ!
そして、紅姫は……
もっと多くの魔力を捻り出すと!
「爆炎双炎舞!!!」
紅姫は、部屋の天井を切り刻んだ!!!
教団の建物の一角から火柱が上がると……
僕達は、破壊した天上から飛び出して行った。
そして、教団の建物の周りに張り巡らされている! 強力な結界を抜ける瞬間……
紅姫に触れられた気がしたが、逃げる事に必死だっので気づかず……
結界を抜けた後に
「良かったー。何とか抜けた!!!
紅姫……大丈夫だった!?」
僕が隣を見ると……
そこには、紅姫の姿は無かった。




