【138】意外と早く。
「初めは、その体から出ようと足掻いていたみたいだけど……
その体、いえ! 貴方の事が気に入ったのね。
貴方が、悪魔の力を使える様になった頃には
悪魔は、貴方に力を貸し! 貴方を守っていたわよ。」
「悪魔の力が使える様になった頃って……
それって、結構すぐの事だと思うんだけど……」
「そうみたいね。
悪魔は、ずっと貴方に力を貸して守っていたのよ。」
「……えっ? どう言う事? なら、なんで?
アクアは、目を覚まさなかったの?」
「その子の癖ね。
ず〜っと、ダンジョンで眠っていたから……
長い間、眠る癖がついてしまったのね。
だから、この子が普通に起きていれば何も問題なかったわね。」
「えっ……えっ……!? そうなの? そうなの??? 私……わたし…………」
「…………ア・ク・アーーー!!!」
「も……も……申し訳ございません!!!」
そして、その後!
僕は、アクアに散々説教をした後……
ゼニーが突然に、アクアに質問をしてきた!
「ねぇ……アクア。
その体、不便じゃない?」
「……別に、不便ではありませんが。」
「そぉ……もっと、外の世界で自由に動かせる体か欲しくない?」
「それは、欲しいですが……出来るのですか?」
「ええ! このスライムちゃんの体を借りれば可能よ。」
「そうなの?」
「ええ……このスライムちゃんとアクアちゃんの属性、魔力の波長がとても似ているのよ!
だから、このスライムちゃんを使えばアクアちゃんの体も具現化可能よ。
試しに、やってみる?」
「えっ……それが本当ならすっごく嬉しいかも!」
「面白いから、やってみろ!」
「アクアが側に居てくれる!
そうなれば、かなり助かる。」
「なら、早速試してみましょう。」
「お願いします! これで、マスターとずっと一緒にいれます。」
「お願いします! ゼニーさん……
ライム! 分身を作れるか?」
すると、ライムはプルプルと震えて分身を作り出した。
「じゃー! アクアちゃん、この子に入ってみて……」
そう言われてので、アクアはゼニーの言う通りにライムの分身に入ると……
ライムの姿が、人間の大きさとなり。
等身大のアクアが、現れた!
「おおー!
これは、凄い!!! これで、アクアも僕達と一緒に冒険が出来るね。」
「ええ……まだ、変な感じはするけど、それでも!
これで……もっと主人様のお役に出す事が出来る様になります。」 と
アクアは、凄く喜んでいた!
すると、フレアが……
「…………じゃー……みんな揃った事だし。
本題に、入らせて貰いますか!」
そう、真剣な顔で話し始めた。
僕は……
「みんな揃った? 本題……?」
「ああ……」
そして、そこに姿を現したのは……
「天音……アクアを助けられたのね。
そして、そいつらは……誰!?」
紅姫が現れたが……
天音は、紅姫の事をすっかり忘れていた事を謝った。
『……ごめん! 色々あって、すっかり忘れていた。』
「無事で良かったよ。紅姫!」
「あんた……本当に心配してた?」
「……紅姫なら、強いから大丈夫だとは思っていたよ。」
「そう、それなら良いんだけど……
で!? アクアが助かった事は、分かるけど……優雅にお茶をしているのは、どう言った状況なの?」
「まぁ、君も座りなよ!
お茶が冷めてしまうからね。」
「まぁ、いいわ……」
そう言われて紅姫も素直に従い席に着くと……フレアが、話し出した!
「君達は、俺達三英雄の事……話を何処まで知っている?
そして、このダンジョンの事を何処まで知っている?」
「このダンジョンの事は、よく分かりませんが……
三英雄のダンジョンと呼ばれているくらいですかね。
そして、三英雄の事は……」
僕は、この世界に伝わる三英雄の話を話し始めた。




