【136】頼み
「違う!!!
僕は、頼みがあってここに来たんだ!」
「頼み! 頼みは後で聞いてやるから。
お前の話を全部だ! 全部話せ!!!
俺達は、めちゃくちゃ暇なんだ!」
『いや、暇つぶしかよ!』
「いや、僕は出来るだけ早く仲間を助けたいんだ!」
そう言って、天音が立ち上がると
鼠色のローブを着たフシと言う老人が……
「そう焦らんでも良い!
外の事なら、心配するな。
このダンジョンは、時間が止まっておるから……お前さんが外に戻ったとしても時間は、全く進んでおらん。
じゃから、落ち着いて……ゆっくり話すが良い。」
『だから、この人達は何百年も前の人なのに
いまだに存在する事が出来ているのか!』と
そう思い。
納得して、僕は三英雄に自分の事を話し始めた。
僕は、三英雄達に全てを話せと言われたので……
前世の事、ゆいの事も相談する為に
包み隠さず……言葉通り! 全てを話した。
そして、それを聞いた三英雄は……
「…………ずびぃ〜……………グスッ……グスンッ…………
ぞれは……づらがったよなぁ〜」
フレアが鼻水を流しながら泣き出した。
「いえ……今は、わりかし楽しくやっています。」
「ぞゔが……ぞうが…………」
それから、フレアが落ち着くと……
「大体の話は、分かった。
で……
お前は、仲間のアクアを助けて欲しくて
俺達を頼って、このダンジョンに来たと!」
「まぁ、そう言う事です。」
「ゼニー……お前なら、その悪魔を浄化出来るだろ!」
「そうね。少し試してみるわ……」
そう言うと、ゼニーは僕に触れると
触れた指先が光出した!
「・・・・・・。」
「……浄化は、出来るけど…………貴方には、その悪魔の力が必要かも知れないわね。」
確かに、悪魔の力は使わせてもらっている。
しかも、とても便利な能力だが……
アクアを助けられる為で、あれば!
そんな力いらない!!!
「僕は、アクアが助かるのであれば悪魔の力などいらない!!!」
「そんな事を言わないの。
大丈夫よ……あなたの大切な人は、そんな事をしなくとも助けられるから。
フシ……あなたの力で、彼女を起こしてちょうだい!」
「やれやれ……
どれ、お前さんの大事な人は……どうなっておるのかのぉ……」
そして、今度はフシが僕に触れると
何かが僕の中に、入っていく感覚が……
「……ああ……そう言う事か…………。
これは、これは……」
「なに? 何かあったのですか!?」
「いや……
何かあったと言うよりは、何も無い。
それが、正しい答えかのぉ……」
「何も無い……」
『何も無い……何も無いって事は、アクアが居ない。って、事なのか!?
アクアは、僕を守る為に……消滅してしまったのか!!!』
「くそーーー!ー!!! なんで! 何で!
こんな事に、なってしまったんだ!!!」




