【133】結界
「うげっ……
なにこれ? 全然入れないよ。
あるじ〜!」
「やっぱり、ダメか……」
まず、アルが魔法陣に入ろうとして結界に阻まれた。
そして、続いてユキが……
フェルが……弾かれた。
勿論、ライムは通る事が出来たが……
この時点で、僕達のパーティーはかなりの戦力ダウンである。
そして、兵士が終わりにしようとしているので……
僕は
「あの〜……まだ、残っているんですが……。」
そう言うと、兵士は驚いている様な様子だった。
兵士は、サスケと紅姫を魔物とは認識していない様子だった。
それもそのはず……
サスケは、元々……少し耳の大きな女の子にしか見えないし。
紅姫は、一応! 街に入ると言う事もあり。
鬼人のシンボルとも言えるツノを魔法で、隠していたのだ。
その為に、兵士は2人をずっと人間だと思っていたらしい。
でも、まぁ……人の目は騙せても、結界を騙す事は出来ない。
そう思っていたが、サスケは結界に弾かれたが……
紅姫は、何故か!? 結界に阻まれてはいなかった。
それがどうしてかは、分からないが……
結界を通る事の出来た紅姫は、一緒に来る事が出来る為……こんなにも心強い事は、なかった。
一応、兵士に
何故? 紅姫が結界を通る事が出来たのかと聞くと……
紅姫が大して強い魔物では無いか……魔物としての血が薄いからではないかと言われた。
なので、一応! 僕は、紅姫に
「紅姫は、鬼人の反結? それともクォーターなの?」
と聞くと……
紅姫からは
「普通に、純血よ!」
と言う返答が帰って来た。
「まぁ、でも! 私だけでも入れるんだから良いじゃない!!! さっさと行きましょう。」
そう紅姫が急かすので、僕は色々と世話を焼いてくれた。
兵士にお礼を言うと、街に入る事にした!
そして、僕達は昼食をとりながら今後について相談をした。
「……これから先、天音様と一緒に行けるのは紅姫とライムだけですか……」
「そうだね……。
サスケだけでも、一緒に来れたら良かったんだけど……贅沢言っちゃいけないか。」
「これから、俺達はどうすれば良い?」
「とりあえず、ダンジョンルームに戻るか……
この辺の森で、狩りでもして待っていてよ。」
「なら、ぼく〜。飛行の練習をしている〜」
「そうだね。僕も、それが良いと思うよアル!」
「はぁ〜……久しぶりに主人様と一緒に冒険が出来ると思ったのに、また別行動ですか……」
「ごめんね。ユキ……」
「いや、主人様が気に止む事ではありません。
勝手な私の思いですから……」
「大丈夫だよ! ユキ……
僕達は、直ぐにアクアを助ける手がかりを見つけて戻って来るから。」
「分かりました! でも、気を付けて下さいね。」
「ありがとう。」
「では、ボクたちは街の周辺で待っていますので、何かあれば直ぐに連絡を下さい。」
「うん、頼りにしているよ。サスケ!」
何故!? フェル達は、街では無く街の周辺で待つのかは……
やはり……聖王教国の領土内は、魔物への差別意識が他よりも高く。
こんなにも、本部から離れた国境付近の街でもテイムモンスターでさえ良い風には見られてはいないらしい。
なので、時たま向けられて来る視線が
とても、痛く感じる事が度々あった。
ので……
フェル達には、街の外で待ってもらう事にした!
そして、僕と紅姫とライムが教団本部がある街に向かう。
「頼みましたよ! 紅姫、ライム。
天音様を宜しく頼みます!」
「分かったわ! 貴方達の分まで、しっかり守るわ!」
その言葉に、紅姫は強く返事を返し!
ライムは、ぷるぷると震えた。
「じゃー! アクアを助けに行って来る!」
そう言って、フェル達と別れた!




