【0.89】 お爺さん
アマネを見送ると、ワシらは村へと戻った。
領主の屋敷の方に皆集まっておるので、そちらへ向かうと……
領主がアマネを探しておった。
何でも村人から屋敷の周りのモンスターを捕獲したのがアマネと言う事を知り。
是非! 屋敷に迎えたいと騒ぎ出したのだ。
まぁ……悪い事では無い。
しかし、アマネは自分の夢の為に旅立ってしまった。
今更もう遅い……
ワシはアマネが旅だった事を隠そうと思っていたが、村人達もアマネに感謝を伝えたがっていたので……
アマネは、この村の命の恩人じゃ! もう、アマネを奴隷にしようなどと持っている者はいない! そう思い。
アマネが旅立った事を伝えると……
村人は皆んな感謝を伝えられないと、落ち込んでいたが……
領主は、そうでは無かった。
自分を守る優秀な人材! 村人は自分を守る為に全力を尽くせ!!!
そう言い。 怒り出すと……
アマネを自分の奴隷にする! と騒ぎ出した。
そして、アマネを連れて来たものには金貨100枚を出すと言い出し!
それを聞いた村人達は、アマネに感謝をしていた者達までもアマネ捜索隊に加わった。
お金とは恐ろしい!!! 今やアマネを奴隷にしようと思っている者は居ないと思ったが、領主の屋敷に仕えるのは名誉な事!
などと言い……アマネを金で売ろうとしている。
ワシはアマネの居所! 向かった先を言えと問い詰められたが言わないでいると……
どうせ! 王都に向かったんだろ!!!
そう1人が言葉を吐き捨てると、皆んな王都方面へと向かって走り出した。
ワシは皆を止めるフリをした。
その方が、アマネが王都に向かったと皆! 思うと思って……
そして、心の中で思った。
お主達にはアマネを捕まえる事は出来んよ!
あの子は、ワシや! お前達なんかより。
よほど優秀じゃ……




