【131】贈り物。
旅に出る前に、もう一度ギルドに顔を出すと……
ギルドマスターとカグヤから、とある物を渡された。
それは、ギルドが特別クエストの為に発行する許可証で……
それを持っている物は、お尋ね者になってもクエストが受けられる様になる。
と、言う特別な許可証だった!
これは、ギルドの指示で潜入捜査などをする特別な人にだけ発行される。
僕は、そんな指示もクエストもギルドからは
受けてはいないが……
今までの僕の状況を見て、勘違いをされやすい為に……
僕には、特別に発行する事をギルドマスターが判断したとの事であった。
カグヤもそれに大賛成をした為に、その許可証にはギルドマスターとカグヤの名前が刻まれていた。
そのギルドに所属する2人の人の特別な許可証を貰った僕は、半分冗談で貰うのを拒んでみると……
「いや〜……気をつけますか。
多分! 今後は、大丈夫ですよ!」
などと言うと……
2人は、真剣な顔になり。
「いや、持っておけ! 天音。」
「そうです! 天音さん……何かあった時には、必ず役に立つ物ですから。」
そう言われて、僕は2人が心配してくれている。嬉しさと……
やっぱり! そうだよな……と思う気持ちで、少し複雑な気持ちになった。
でも、2人の心配してくれる気持ちは嬉しかったので、素直に受け取ると
2人は、安心している様子だった。
そして、僕は2人に感謝を伝えるとギルドを後にした。
それから、また門兵に話しかけられると
「お早い出発ですね。
もう少し城で、ゆっくりなさっても良かったのでは?」
「早く仲間を助けてあげたいから。」
そう言うと門兵は納得して、見送ってくれた。
それから、少し進み平地を歩いていると……
僕は、ある事を思い出した!
「そうだ!!!
アル! アルに朗報があったんだ!」
「なになに? どうしたの……?」
「……ああ、あれね。」
紅姫がだけは、知っているので直ぐに理解してくれた。
「実はね! 僕の実家で、風のダンジョンコアを手に入れたんだ!」
「……えっ!? そうなの。
それは、良かったね!」
「うん。それでね……
きっと、風の恩恵ならアルにも与えられると思うんだよ!」
「えっ!!! そうなの!?
そしたら、ぼく……もっと早く飛べる様になるかなぁ〜……」
「僕は、早く飛べる様になったから……多分、アルも早く飛べる様になると思うよ。
今から試してみないか!」
「試してみる〜。」
アルがそう言ったので、僕はアルに触れると……
風のダンジョンの恩恵を授けた。
すると、アルが輝き出し。
光が収まると……
「鑑定……
うん。
ちゃんと、風の恩恵をアルに確認できる。
試しに、使ってみてよ!」
「わかった〜。」




