【122】元パーティー②
「彼らには、明日……死んでもらいます。」
「はぁッ!? 何言ってんだ!? お前……
あいつらをパーティーに入れる為のテストじゃないのか!?」
「違いますよ。彼らを殺す為の口実です!」
さっきまで、文句を言っていた。
ソフィやマーリンも黙り……【星の光】のパーティーメンバーは静まり返っていた。
「良いですか! 皆さん……
皆さんは、自分達の好き勝手にお金を使い。
その為に、彼らを利用して来ました!
もし、この事がバレたら我々は……
冒険者ランク格下げ! もしくは、冒険者資格の剥奪です! 前科がありますからね。
貴方達には……」
「だったら……
今回は、普通にパーティーに入れた方が良くないか?」
「なら、僕は5分の1の報酬を頂きます!
あとは、皆さんと彼らで分け合って下さい。」
「私は、嫌よ! 報酬が減るのは」
「……私もです。」
「……俺も…………キャバクラに行く回数が減るのは嫌だ!」
「なら、皆さんは普通にもらって! ラッシュさんだけ3人と分け合って下さい。」
「……そ……それは、違うだろ!!!」
「違くありませんよ。元々彼らは利用する為の道具として飼い慣らす!
最初に、そう説明したはずです!!!
そして、今は邪魔になった……なら、我々の邪魔にならぬ様に排除する!
当たり前の事です。」
「だが……」
「……何を言ってるのですか!? あなた方は、一度この手を使って【天音】さんと言う方を殺そうとしたではないですか!?
なぜ!? 今回は、そんなに嫌がるのですか? 一度も二度も同じ、じゃないですか。」
「いや……あいつらは、一所懸命……俺達に尽くしてくれている。」
「いやッいやッ! それは、違いますよ。
彼らは、3人です。
天音さんと言う方は、彼らの仕事を全て1人で……3人分を補っていました。
(本当は、僕の分も入れたら4人分ですが……)
あなた方は、そんな彼を切り捨てました。
本当に、勿体無い!!!
まぁ、それは良いとして……彼らの代わりはいくらでも居ます。
気にせず! 明日、始末しましょう。」
フィッシュがラッシュに詰め寄り……
睨みを効かせながら話すと、ラッシュは黙ってしまった。
「・・・。」
「始末と言っても直接、手を下すわけではありません。
彼らをやるのは、あくまでモンスターです。
我々は、しっかり彼らが死ぬのを見届ける事です。
分かりましか!?」
「……わかった…………。」
そう! ラッシュが返事をすると、フィッシュは笑顔を取り戻した。
「では、皆さん! 各自、仕事に取り掛かって下さい。
あと、皆さん明日は早いですからね。
しっかりと休んでください。」




