【111】ひとこと言わせてくれ!
「・・・・・・。」
「ちょ……ちょっと、待って! それとこれとは、話が別では……」
「別では、ありません。天音様は、何一つ報酬を貰わない代わりに私共の婚姻を断りました! しかし、何か一つでも貰うとなれば話は別です。わたくし共も貰って頂かなくては困ります!」
「…………それは……確かに、そう言ったけど……。でも……」
「ならば! 天音様は、茨の盗賊団を諦めるおつもりですか?
でしたら、私は諦めます!」
僕が王様、貴族達を見ると……
「……天音様が、茨の盗賊団を引き受けて頂けないのであれば…………。
見逃す事は、出来ませんので……皆んな処刑となります。
これは、致し方ない事です!
天音様に、預けるのでさえリスクを伴います。しかし、そこは今回の功績を考えての事……分かって下さい。」
「…………分かりました。」
そして、僕は……
茨の盗賊団を引き受けて! 王女様達を嫁にもらう事になった。
「では、天音! 話は以上じゃ!!!」
「分かりました! ありがとうございます………………。」
そして、王様の前から立ち去り廊下へ出ると……僕は、ギルドマスターを睨みつける!
「…………いや〜〜〜。良かったじゃねぇーか! 王女様と結婚なんて…………未来の王様だぞ……! 玉の輿だ! 玉の輿……」
「僕が、喜んでるように見えますか?
ギルマス!!! だから、逃げようとしたんですよ!!! これは、どんな状況ですか!?」
「いや〜〜〜……でもよ! お前だって、いずれは結婚するだろ。早いか遅いかの違いじゃねーか……。」
「多すぎる!!! 多すぎますよ!!!
しかも、王女様まで!!!
僕が、王様! 無理に決まってるじゃないですか!!!
最後見ました!? 王女様が無理やり王様のマントを奪って僕にかけ……
王様は、一度死んだのも同然!!!
そして、僕に助けられたのだから引退しても良いだの……とか何とか言って無理やり王様を退かして王様の椅子に座らされた時の王様の顔!!!
あんなに寂しそうで、僕を恨んで睨む顔……
一生忘れられないトラウマですよ!!!」
「…………まぁ〜……あれだ! なんだかんだ言って……!!!
本当に、《《申し訳ない》》!!!
俺もこんな事になるとは、思っていなかった!!! すまん!!!」
「………………分かりました。
僕だって、本当に……こんなに大変な事になるとは思っていませんでしたし。
ギルマスに八つ当たりしただけです……すいませんでした。」
「まぁ……良いじゃありませんか! 天音さん
いえ……旦那様…………キャッ!」
恥ずかしがり顔を隠すカグヤを見て、深いため息が出た…………。
「主人様! ボクが、一生支えます!!!」
「……ありがとう。サスケ……」
何故だか……サスケの言葉は、嬉しく感じた。
それは、きっと……サスケが、今まで僕に尽くしてくれ! いつも一生懸命なのを見ていたせいもあるのだろう……。
そして、僕達は牢屋に拘束されている茨の盗賊団の元へと向かった。




