【106】王女様
「ちょっと、待ってください。
御父様!!!」
「ど……どうしたんじゃ! マリア。
いきなり大きな声を出して」
「どうも、こうも! ありません!!!
皆様、揃いも揃って!!!
天音様は、私達の命の恩人で御座います。
それをお忘れなき様に!!!」
「……わ……わかっておる。だが、しかし……
さっきも話していた通り……天音に渡す品が無いのじゃよ!!!」
「ならば! こうしましょう……。
私が天音様と婚約します!!!」
「!!!」
「な……何と申した!
今、何と申した!!!」
「ですから……私は、天音様と婚約致します。」
「ならん! 絶対に、ならん!」
「何故でございますか!? 御父様は、以前……天音様に、私と婚約くらいの褒美をと、話した時が有ったではありませんか!」
「あれは、それくらいの褒美をと思っただけじゃ! マリアと婚約など絶対に許さん!!!」
「いえ……私は、決めておりました。
大臣の物となりそうな私と御母様を救って頂いた。その日から……
天音様ならば、結婚してもいいと!」
「ならん! 絶対にならんぞ!!!」
すると、王妃様も話に入ってきた。
「何を? そんなに、マリアの結婚を拒んでいますの?
マリアも、もう15歳。
婚約の一つや二つ、していてもおかしくありませんよ。」
「いや……二つは、おかしいだろ!!!」
「わたくしも天音様なら安心で、御座います。
彼ならば、この国の民達を思い!
この国を護ってくれるに違いありません。
マリアが駄目ならば、わたくしが天音様と婚約致しましょうか?」
「な……何を言っておる!!!
お前には、ワシがおるではないか!!!」
「ですが……わたくしも一度は、大臣の魔の手に落ちそうになった身……あの時助けてくれたのは天音様で御座います。
そして、天音様には恩義も御座います。
その天音様が、不憫でなりませぬ……
ならば、一度は諦めた。この命!!!
天音様の為に、尽くそうではありませんか!」
「ふ……ふざけるな!!! お主は、ワシの妻じゃ!!! それだけは、絶対! ダメじゃーーー!!!」
「では、わたしくしは貴方の妻として一生涯を共にします。
その代わり! マリアと天音様の婚約を認めて下さいますね。
でなければ…………」
「分かった! 認める。認める!!!」
「ありがとうございます。
御父様!!!
と、言う訳で……これからよろしくお願い致します。天音様!!!」
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あとがき
遅くなってしまい。
申し訳ございませんm(_ _)m
今日から毎日投稿を再開します!
沢山の方々に読んで頂ける事を願っております╰(*´︶`*)╯




