【101】決着!
僕とガイアは、地面に叩きつけられた!!!
僕は、何とも言えない感覚に襲われた。
それは……まるで、宙を浮いている様な水に浮かんでる様な……不思議な感覚だ。
そして……みるみる体が冷たくなっていった。
『ぁぁ……死ぬ感覚は、2度目か…………』
すると……
ガイアの声が聞こえて来る。
「……何だこれ!? 俺は、生きているのか?」
僕は瞑っていた目を開く!
そこには、全身ずぶ濡れのガイアが立っていた。
「……これは、スライムの残骸か……!?
何故こんなものが……」
『ぁぁ……ライム……君が助けてくれたのか』
ガイアも酷くダメージがあるのかヨロヨロと歩き出す……
「クソがッ! 能力が使えない……」
僕は、疲労に魔力切れ! 全身ボロボロの為……起き上がる事も出来ない。
「……まて…………ガイア…………」
僕は、右手の黒い腕をガイアへと伸ばすと……足を掴んだ。
すると、ガイアは……
「止めろ! 俺に触るな!!!」
僕の手を必死に払うと黒い手は消滅した。
もともと魔力切れだ! ガイアを捕まえるほどの持続は、不可能だった。
そして、逃げようとするガイアに……
「まて……逃げるな…………!」
「うるせー……テメーを殺す為のエモノを持って来るだけだ! 心配するな。
ちゃんと、殺してやる!!!」
「……くそ…………動けないから抵抗は、出来ないか……」
僕は、願う。
誰かガイアを捕まえてくれ! と……
すると……
城の中から白目をむき四足歩行の茨の盗賊達が現れた!!!
『このままでは、まずい……』
「ぉぉ……お前ら! 助けに来たか……
このクソガキを早く殺せ!!!」
ガイアが命令をすると……茨の盗賊達は、ガイアに襲いかかった!
「おぃッ! 何してやがる!!!
俺じゃねー。ガキだ! ガキを殺せ!!!」
『何が!? 起きている。
茨の盗賊達が、ガイアを襲っている……』
「おいッ! 止めろ……止めろ!!! うわーー!!! 誰か……助けろ!!!
アリー〜ーース!!!」
そう言う事か……僕がガイアの【大盗賊】と【支配する者】を奪ったから、この人達は僕の支配下にあるのか………だから、ガイアを襲っている。
これなら、ガイアを捕まえられるかも知れない!
そう思ったが……次の瞬間!
アリスが現れ! 盗賊達を蹴散らした。
「ハァ……ハァ…………アリ……ス! よくやった! いったん退くぞ……お前さえいれば、まだやり直せる。 アリス! 俺を抱えて逃げろ!!!」
「まて! ガイア……いや! アリス……!
僕達の母さんは、確保した! ガイアに【支配する者】のスキルも無くなった。
これ以上、君がガイアの言いなりになる必要はない……」
「ハッ……良い事を教えてやるよ! クソガキ……コイツが俺に従ってるのは【支配する者】の能力が、あったからじゃねーよ。
あの女に、俺のもう一つの能力がかかってるからだ……俺は、あの女をいつでも殺せる!
俺は、まだ負けてねー。だからアリスは、渡さねーよ!
お前の敗因は、俺の能力が一つしかないと勝手に決めつけた事だ!!!
残念だったな! クソガキ!!!
お前は、俺に勝てねーよ! 次は、ちゃんと殺してやる!!!」
その言葉を言い残すと、ガイアとアリスは飛んで行ってしまった。
「……待て! ユイ……ゆい…………」
僕は、無い右腕を伸ばしながら何度もその名前を叫ぶが……その声は、届かなかった。
そして、僕は力尽き……意識を失った。
「主人……あるじ……ぁ……る…………………」




