【97】切り札
城内……
「今のは……なに? 天音は……天音は無事なの?」
「…………くそッ……アリスが来る前に決着をつけたかった……。」
「ハハッ! アイツは俺の切り札だ!!! お前らみたいな出来損ないとは、訳が違う!」
「何なの? どーゆー事??? とりあえずガイアを拘束しましょう……」
そう言うと兵士達がガイアを囲み拘束しようとすると……
ガイアは、両手を上げて降参なポーズをとった。
しかし、それは……降参と言う意味では無かった。
「まぁ……待て! どの道……アイツが来た時点で、俺の勝ちは確定した。これから俺は、何もしない! アリスが負けることがあれば……大人しく拘束されてやる! だから無駄な事は止めて大人しく見ておけ!!! アイツらの戦いを……」
『まぁ〜……アリスが負けるなんて【万が一にも無い】げどな!!!』
「ガ……ガイア様!!! 本当に大丈夫なんでしょうね。私の夢が……私の夢が……」
「うるせーーー!!!
俺様が負ける事など、ありえねぇーんだよ!
黙って見てろ!!!」
…………しかし、俺の予想とは反対に天音を追い込んでいたアリスは、あと一歩の所で天音を殺しそびれると……天音と何かを話すと!
戦闘をやめてしまった!!!
『……どう言うことだ!!! アリスは、天音が兄弟だとは知らない……
しかも、昔……ステルと戦わせた時は、躊躇すらすることなく殺そうとした。
アイツは、そんな感情を持ち合わせていないはず……なのに何故!? 戦いをやめた……。
天音に止めを刺さない!?
クソッ! このままでは、マズイ……』
「アリーーーース!!! 何してやがる!?
そいつを早く殺せ!!!」
「ちょっと! アンタ!!! 何もしないて言ったじゃない。」
「はぁ!? 口を出さないとは、言ってない!!! それに勘違いをするな! 小娘。
アリスが来た時点で、俺の勝ちは揺るがない! お前達は、黙って見ておけ!!!」
「アンタこそ! 何言ってのよ。
私達の天音が負けるはずないでしょ!!!
ねぇ……ステル! アンタからも言ってやりなさいよ!!!」
しかし、ステルは浮かない顔をしていた。
「……僕も……そう信じたい…………。」
「大丈夫です! ステル様!!! 天音様は、絶対に勝ちます」
「ハッ!? おめでたい奴らだ!!!
見てろ! お前達の天音様の最後をな!
アリーーース!!! 母親が、どうなってもいいのかぁーーー!!!」
その言葉を聞いた! アリスの様子が変わると……
『……問題ない! 母親が居る限りアイツは、俺に逆らえない!!!』
「やれ! アリス!!!」




