【86】とある人!
「ふざけるんじゃ無いわよ!!! こっちは、急いでいるの!!!」
「そう言われましても通す事は、出来ません!」
私達が、困っていると……
そこに、サスケが現れた。
「……どうしましたか? 兵士の皆様」
「これは、サスケ様! 実は……」
「サスケ!!!」
「はッ! はい!!!」
「私よ! 紅姫よ!!!」
「紅姫……!!! ど……どうしたのですか!? その怪我は……!?」
「そんな事は、いいから早くここを通してちょうだい!!!」
「わ……分かりました。
兵士の皆様! 彼らは私の仲間です。
すぐさま王様に知らせて、治療の準備をして下さい!!!」
「はッ!!! 承知しました!」
そして、私達はサスケのお陰で城の中に通してもらう事が出来た。
サスケは、まず私達に治療を進めてきたが……
「そんな事は、後回しでいいから早く王様の所に通してちょうだい!!!」
「……申し訳ございません。
急ぎ王様の元へお連れ致します!
所で、主人様の姿が見受けられないのですが……主人様はどちらに!?」
「それも全て、王様と皆んなの前で説明するわ!」
そう言うと、サスケの顔色が変わり……少し焦りの色が見える様になった。
この子は賢いので、今の言葉で少しは察しがついたのかもしれない……そう思った。
そして、サスケが頼んでくれたお陰で
王女が取次ぎ急いでくれた事もあり。
私達は、急ぎ国王との面会に漕ぎ着ける事が出来! 今の状況を説明する事が出来た。
そして、私は国王と王女に一言もの申した。
「一言、言っておくけど今回! こう言った事態をまねいたのも天音が操られたのも貴方達のせいだからね!
王女の余計な予言を信じて王様が天音を向かわせたから結果こうなった!!!
天音は何も悪くないんだから!!! 黙って天音を助けるのに力を貸しなさい!」
すると、国王が……
「それは、ならん!」
「……!? はぁ!? 何で???
貴方達のせいでこうなったんでしょ!!!」
「それと、これとは、関係ない!
それに、あやつが盗賊に力を貸しているのもまた事実! 国としては、そんな者は助ける訳にはいかん!!!」
「……はあー??? アンタの娘が訳の分からない事を言ったせいでこうなったんでしょ!!! その責任はどうするの?」
「……しかし、我が娘の予知能力が本物である事は其方らに証明出来た!!!
そして、あの時は最善の策だと思ったのじゃ!!!」
「始めから全て間違ってるのよアンタらは!
天音は何も悪い事なんてしてないのに……
この街を救ったのに……
全部! 貴方達のせいよ!!!」
「しかし……わしらは、この国を1番に考えなくてはならない!!!
なので、間違った行動ではなかった。
結果こうなってしまっただけじゃ!!!」
「あくまでも自分達は正しかったと言うのね。
なら仕方ないわね……貴方達の自業自得で、この国は滅ぶのね。
それも良いんじゃない!!!」
「国が滅ぶ!? 何を馬鹿な事を言うておる!!! たかだか盗賊に、この国が滅ぼされてたまるか!!!」
「盗賊じゃないわよ! 天音1人によ」
「何を馬鹿な事を言っておる! ふざけた口を聞いてると貴様も打首の刑に処すぞ!」
「やれるもんなら! やってみなさ!!!」
「こ……国王様ーーー!!!」
そこへ1人の伝令係りが慌てふためきやってきた!!!
「何事じゃ!!! 余は今大事な話の途中じゃ!!!」
「……申し訳ございません。
しかし、国境付近のギルドより急ぎ伝令が……」
私は、国境付近と言うワードから大体の察しはついた。
そして、伝令係りに
「いいわ! 続きを話しなさい」
そう言うと
「お主が決めるな!!! それは、国王である! わしが決めるのじゃ!!!」
「……もう〜! めんどくさいわねー!!!
良いから聞きなさいよ!」
「なッ! 良かろう……。
聞こうではないか……話せ!!!」
「はぁッーー! 実は、国境付近のギルドからの急ぎの伝令で……」
そこからの伝令の話は……
国境付近で地形を変えるほどの大爆発が起こり調べに行くと、茨の盗賊団のアジトらしき物を発見したとの事……
そして、その大爆発は茨の盗賊団の所有する何かの兵器が、何らかの魔法による物と判明!
仮説では、複数の魔法使いによって放たれた極大魔法!!! とのこと
しかも、茨の盗賊団は各地に散らばった盗賊達を集めて何か行動を起こそうとしている情報を掴んだ!
との報告を受けた。
そして、その目的は間違いなく! この国を落とす事と、国王の命……
それを聞いた国王が固まっていたので
「ガイアの狙いは、この国と貴方の命よ!」
「……ふ……ふざけるな! そ……そんな事は、あってはならん……」
「あってはならん! と言われても事実、起こってるのよ。
しっかり受け止めなさい!
そして、その地形を変えるほどの魔法を放ったのは天音よ! しかも1人で……!」
「そ……そんな馬鹿な! 報告によれば、この王都が消し飛ぶ程の威力だったと聞きます! それを1人の人間がやった事とは、あたかも信じられません!!!」
「真実よ! その魔法を喰らった本人が言っているんだから間違いないわ!!!
この傷が何よりの証拠よ」
「……………………。」
そして、それを聞いた皆んなは王女の方を見やった。
すると、王女は……ハッ!!! と気づいたのか力を入れて予知能力を使うと
「……見えました!!!
……御父様! 皆様…………」




