【0.8】 泥棒
「……泥棒……で、御座います!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
……どろぼう…………泥棒?
「……泥棒とは、あの人の物を盗む泥棒ですか……?」
「……ぇぇ……そうです…………」
恩恵がある事に沸いていた皆んなだったが……
その恩恵が泥棒だと分かると黙ってしまい。
気まずい雰囲気が流れた……
僕は鑑定をしてくれた神官さんに
「ありがとうございました!」と伝えると後ろへと下がった。
そして、その日のお爺さんの渋い顔を一生忘れる事はないだろう。
そして、次の日から……
村長である僕のお爺さんの所に村人が、尋ねて来る様になった。
少し不思議に思った僕は、その話をコッソリと聞く事にした。
すると……
皆んな口を揃えて、僕を奴隷として売り払おう。
そんな事をお爺さんに、話していた。
・・・。
何故……? そんな事を言うのだろう……
僕の夢は、ガシュ達みたいな冒険者……
出来る事なら勇者を目指そうとしていた。
しかも……この前までは、その夢を村人に話すと皆んな応援してくれていた。
しかし……
僕の恩恵が、泥棒だと分かると状況は一変して変わった。
僕に対する村の人達の態度が冷たくなり……
応援してくれていた冒険者と言う夢も諦めさせようとしている。
僕には、どう言う事だか分からない。
確かに! 泥棒と言うスキル、恩恵は……
いい物では無い事は分かる。
しかし、恩恵を持たない者も冒険者を目指したって良いのだから
泥棒かもしれないが、恩恵持ちの僕が冒険者を目指しても何も悪くは無いと思う。
僕は悪い事をして無いのだから!
そして、数日後……
僕は、お爺さんとお婆さんから大事な話があると! 呼び出された……
……まぁ…………話す内容は、大体分かる。
しかし、僕も簡単に夢を諦めるつもりはない
いし!!! 奴隷になるつもりもない。
僕は、お爺さんとお婆さんの前に座ると……
少し静かな時間が流れ。
黙って待っている時間は、とても長く感じた。
そして、お爺さんが話し始めた。
初めの話は村の事だった……




