賠償スキルで無双します~魔王との戦いで逃げる時に勇者達に生贄として置いて行かれたので、賠償スキルでみんな奪ってやった~
俺の名前は金田・梅男。
サラリーマンだった。
突然次元の狭間に落っこちて、神から謝罪された。
地球の時間がもう1万年ほど経っているらしい。
元には戻せないと言われた。
謝罪は貰っておくけど、見返りを寄越せ。
賠償を要求すると言ったら、いいだろうと言われて異世界に放り出された、賠償スキルを付けられてだ。
さっそく神に賠償を請求したら、賠償スキルが賠償だからもうやれないと返事が。
賠償スキルの活躍の場は少ない。
不良品をつかまされた時とかに、返品して貰えない場合とかに使えるだけだ。
ステータスを見る。
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名前:カネダ・ウメオ
レベル:1
魔力:0/0
スキル:
賠償
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ザコステータスだ。
返品したり新品を貰っても、賠償スキルで慰謝料が少し貰える。
調達係にうってつけの能力だ。
俺は勇者パーティからスカウトされた。
賠償で小銭を稼ぎながら、勇者パーティの雑用係をやった。
そんなある日。
勇者パーティが王城に呼ばれた。
「勇者ウェイよ。魔王を討ち果たすのだ」
「はい、一命に代えましても」
こんな具合で俺達は魔王城へ旅立った。
「魔王を討ち果たしたら、王女と結婚か」
「俺は近衛騎士団長だって」
「私は魔法学園の学園長よ」
「私、教団の枢機卿よ」
俺にはご褒美がないのかな。
きっと金銭をもらえるに違いない。
屋敷が建つほどのな。
ワクワクしながら魔王城の前にたった。
ここまでの道は騎士団が護衛してくれた。
ここからは勇者パーティの腕の見せ所だ。
予想に反して魔王城はモンスターの影がなかった。
ネズミ一匹いない。
俺達は玉座の間に踏み込んだ。
「くくくっ、わざわざ邪神様の生贄になりにくるとはな」
「観念しろ魔王。お前の悪行もここまでだ」
そして戦闘が始まった。
俺はポーションを補給する役目。
後ろで待機していた。
勇者パーティは魔王になぶられていた。
そう言うふうに見える戦いだ。
何度も勇者は腕を切り飛ばされた。
タンクのニックは何度も骨折。
魔法使いのイヤミィは放つ魔法全てを片手でもみ消された。
忙しく動き回る僧侶のウザリ。
欠損部位が治せるエリクサーの在庫が尽きて勇者の心は折れた。
「ふっふっふ、見逃してやってもよいぞ。誰かひとり生贄に奉げればな」
「くっ、ウメオ。後は頼んだ。イヤミィ転移魔法だ」
「分かったわ。私達が生きていれば負けじゃない。【転移魔法】」
えっ、俺を置いて行くのかよ。
ちょっとそれはないんじゃない。
仕方ない。
賠償を取るけど、自業自得だからな。
「【賠償】。おお勇者パーティからスキルと経験値が入ってくる。それに装備も貰えた」
聖剣を装備して俺は構えた。
「ふっ、パワーアップしたようだが、我に敵うかな」
「やってみるだけだ。【剛力】【加護】、そして【聖刃】だぁ」
「温い」
俺は片腕を切り飛ばされた。
「【賠償】、おお手が生えてくる。自己再生か。魔王さん良いスキルをお持ちで、じゅるり」
「ひとつスキルを奪ったからなんだ。ここからは本気でいくぞ」
胸を貫かれた。
「【賠償】。おお、更に経験値とスキルが入って来る」
俺と魔王の戦いは俺の一方的な形勢になった。
「くそっ、今回は特別に見逃してやる」
「謝罪は?」
「ぐぬぬ、調子に乗るなよ。すいませんでした」
「声が小さい」
「すいませんでした!!」
「関係ないね」
俺は魔王の首を刎ねた。
謝罪したって許されない事はある。
勇者パーティにも謝罪して貰わないとな。
だが、それだけで許しはしない。
ステータスを出してみた。
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名前:カネダ・ウメオ
レベル:99
魔力:5712/9999
スキル:
賠償
聖刃 勇心 身体強化
堅牢 鉄皮 剛力
空間魔法 火炎魔法 氷魔法
治癒魔法 加護 聖域
自己再生 暗黒魔法 次元斬 超身体強化
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おお、敵なしだな。
敵わない敵が現れたら、賠償を取れば良い。
そうすれば敵は弱体化する。
さて、魔王の財宝を貰ったらとんずらしますかね。
異世界転移の賠償として賠償スキルは釣り合っているのだろう。
そんな気がした。
連載版を書く事にしました。
どこのサイトでやるかは分かりませんが8月25日を目途に始めたいと思います。