第2話「初めて話せるようになった夜の話」
ご飯も食べて、お風呂を入ったあと、
幽霊ちゃんであるひかりちゃんが目をこすりながら近づいてくる
「お兄ちゃん…おかえりなさい…」
「ただいま、ひかりちゃん眠い?寝ててくれても良かったのに…」
「やだ…お兄ちゃんと一緒に寝たいんだもん…」
「ん~…どうしようかな…」
…あの話…でも子供に聞かせられる内容じゃないし…
そういえば…僕はひかりちゃんのことを何も知らない…
って…こんな眠そうにしている女の子に昔のことを聞くのは野暮か…
「とにかく、ちゃんと寝ないとダメだよ?」
「うぅ…」
…まぁひかりちゃんになら話してもいいか…ずっと友達にも誰にも言えなかったことだし・・
「あっ、そうだ、じゃあ僕の昔話でもしてあげよう」
「いいの?…」
「いいよ、」
「えへへ…」
「昔…そうだね丁度僕が小学校に上がるときぐらいかな…」
そう、小学校に上がる時の出来事
僕は両親に連れられて遊園地に来ていた
「ねー!パパ!ママ!あれ乗りたい!」
「おー、いいぞー」
「ふふっ」
とても幸せな時間だった
僕の母は病弱で、今日は体調がいいという理由から
僕が休みである父に頼みこんで遊園地に行きたいと
言っていた、父は
「うーん…そうだな…たまには家族水入らずで行くものいいかもしれないな」
「えぇ…そうねハル君ずっと行きたいって言ってたものね…」
「ホント!?やった!」
その時の僕はすごく嬉しくてとてもはしゃいでいた
そして事件は起こってしまう
「うっ…」
「おい!美奈ぁ!しっかりしろ!誰か!係りの人を!救急車を呼んでくれ!」
「あ…なた…」
「っ!?美奈!大丈夫か!」
「だ…だいじょうぶ…よ…ちょっと…つかれちゃった…みたい…」
母はとても弱い笑顔でそういったでも
状況がとても良くないのは僕でもわかった
その後係の人が来て、母を安静に出来るところまで連れて行った
「その後…どうなるの?」
ひかりちゃんが突然聞いてきた
「その後…母は間に合わなかった…」
「…」
「ひどいもんだったよ…僕はその場で立ち呆けるだけしかできなかったあの時…僕が遊園地に行こうなんて言わなければこんなことにはならなかったんじゃ…病院もすぐにいって見てもらえたんじゃないかって!」
僕は声を荒らげて叫んでいた
「どうして…!どうしてだよ!母さんはなんも悪くなかったのに!どうして僕の周りの人はどんどん離れていっちゃうんだよ…!父さんにはお前なんていなければよかったなんて言われ!その後父さんも自殺した!一体どうしたらよかったんだよ…わかんないよ…一人は…嫌だ…」
僕は今まで心に貯めていたものをいつの間にかひかりちゃんの前で
全部吐き出していた。
「…大丈夫だよ…お兄ちゃん…私がいるよ…」
「えっ?…」
「私がいる…」
そう言いながらひかりちゃんは僕の頭を抱きしめ撫でてくれた
懐かしい感覚…小さい頃は…よく母さんにこうされてたっけ…
「…」
「無理しなくていいんだよ…頑張ったね…」
「ひかり…ちゃん」
「今まで無理してたこと…私が…ひかりがお兄ちゃんのこと受け止めてあげる…だから無理しないで?…」
僕はその言葉を聞いて涙が溢れてきた
その言葉が暖かかったから
その言葉がとても優しい言葉だったから
その言葉が…とても…涙が出るほど嬉しかったから。
「うわぁぁぁぁ…!」
「大丈夫…大丈夫…」
僕はその夜そのままひかりちゃんに抱きしめられながら
二人で一緒に同じ布団で眠った。
こんばんわ!今回のゆうぼくいかがだったでしょうか?
あっゆうぼくっていうのは幽霊ちゃんと僕の部屋なので
短くしました!
ひかりちゃんみたいな女の子とてもいい子だと思いますし。
僕はこういう子とても好きです!
そろそろ主人公の名前出しておきますね
夕凪 遥君です
両親が共にいなくなったことから一時期叔母さん夫婦のところに住んでいたけれど一人暮らしを始めた主人公という設定です!
よければまだまだ続くので続きも書くのでお楽しみください!