寝床を作っただけで終わりました
さて、感覚としては午前の部を働き終えたという疲労具合。
同じくらい魔力を使ったら、今日の活動は終わりかな~。
今日とか明日とか曖昧だけど、起きてから寝るまでを一日と数える事にした。主観で。
日記を付けてるわけじゃないから、しばらくしたら何日目かわからなくなるけど。
あ、そうだミニクッションが数たくさんあるから並べて数えておこう。
王子様と別行動になった日を一日目と数えて、今日は二日目っと。
荷物置き場から離れてる場所を、数える用に決める。二個、まずは置いといてっと。起きた時に一個ずつ増やそう。
上の階にある本も気になるけど、昨夜の寝落ちみたいな事はもうしたくないから、後回し!
次は寝床の確保をしておこうかな。衣食住の住。寝床は住の基本。
もう玄関ホールでいいよ、生活の場所。しばらくは。
革袋の中から新しい砂を必要分だけ出して、守り石さん長い棒にな~れ!
壁際が全部埃の塊だらけなので、それを片付けるべく今度はモップで掃除します。
石製の柄は重いけど、ずっと持ち上げてるわけじゃないから扱えなくもない。
試しに軽くな~れと念じてみたけど、変わらなかった。残念。
埃の塊に刺してさっきの雑巾みたいに魔力を流すと、あ~、やっぱり守り石さんの助力が加わると楽かも。
スイスイ~っ。
滑りも吸着も良くて、さっきよりも魔力を使わず手早く一箇所に集める事ができた。
塵も積もれば山となるという言葉を文字通りに表した埃の塊。
この広さの埃を全部集めたら、結構な量になりましたね。
風が吹かないならこのまま隅に置いといても、問題ないかな。
……さっき何で全部雑巾掛けしようと思ったんだろね、私。
最初から守り石さんを使ってモップで掃除しとけばそんなに疲れなかったんじゃ。今、気付いたけど。
混乱と不快感と空腹で判断力が鈍ってたのかもしれない。
ベッドメイキングに守り石さんは活用できるだろうか。
下に敷く布団として、綿を閉じ込めておく袋を作りたいな。
大きいクッションはそのまま枕にできるから良しとして。
あれ?そういえばぶつけても痛くないように付けていた梯子カバーは?
……思い出して見に行ったら、樽の水の中に沈んでいた。どうしようかこれ。
大した量にもならないから、しばらく放置でもいいか。水が減ってから回収しよう。
ミニクッションを日にち数える用に残すと考えると、布団の材料が足りないかな……。
布団から毎日一個ずつ抜く?
床が石タイルで固いから、綿は欲しい。そこの埃って綿の代用にできる?
毛布の下に敷くのなら大丈夫かもしれない。厚い生地だから埃が通り抜けてくる事はないだろう。
寝る時はお仕着せを脱ぎたかったから、上掛けにしたかったけど。
下着だけで寝るのはちと。たぶん寒くはないけど、お腹冷えそう。
ん?お仕着せの布……腰に縛ってるスカート要らなくないか?ズボンあるし。
上掛けに使えるくらいの面積はあるし、生地もいい。
この状況だもの。後で王子様に頼めば、新しいのを支給して貰えるよねっ。
守り石さん棒を乗せて魔力を経由させてからスカート分だけ切り離して、長方形に仕立て直して。
よし出来た。
埃の山は寝床にすると考えると、潰れるしこの量では物足りないな。
充分な量を確保できるまで掃除しよう。埃なら幾らでもある。
優先順位は……あ、そうだトイレ。
トイレの床の埃を使うのは心情的にアレなので除外するとして。
そこまで行く廊下の埃を拭き集めてこよう。
ついでに裏手側の階段までの道筋も拭けば、いい量が集まるだろうか。
足りなければ炊事場とか洗濯場とか、他の部屋も拭けばいい。
よ~し、今日後半の仕事はそれだ。
ついでにトイレまで行ったら用を足してこよう。
あ、でも手洗い兼流す用の水を持っていかないとだから、一旦埃を集めてきてから戻ろう。
いちいち運ばずに常設の水甕が作れたらいいんだけど……作っても時間経ったら崩壊するしなぁ……。
結局、まだ形が残ってた柄杓に水を汲んで向かいましたよ。
毎回これか。柄杓は毎日最初に作っておこう。
先に作った灯りや柄杓よりも、掃除の魔法補助に使っていた棒の方が先に崩壊した。
掃除中だったので埃と砂が混ざってしまったけど、今度はちゃんと丁寧に埃と分離してから再生したよ。
使い終わった棒は綺麗にしたホールの床に灯りと柄杓と一緒に並べておく。そのうち砂に戻るだろうから。
もちろん寝床とは充分に離れた場所ですよ。寝ぼけて砂の上に頭を突っ込んだりしないように。
魔法の補助に使わなければどのくらい維持できるのかな~。
小皿も灯りも、魔力を流してる最中に崩壊してたよね。
起きてからずっと魔力を使ってばかりいたから、気を張っていて結構疲れた。もう眠い。
食事はどうしようかな……携帯食が優秀過ぎて、一日一食でも大丈夫な気がする。わざわざアレを食べたいという程、お腹が空いてない。
一階の廊下は全部綺麗になった。壁や天井は掃除してないし部屋の埃もあるから、動き回ってるうちにまたすぐ埃が積もるだろうけど。
明日は階段とその上の掃除だね。あの部屋までの動線を確保しよう。
埃ベッドはまあまあの寝心地です。下に入ってるのが埃だと思わなければ普通の敷き布団。
お仕着せは脱いで、綺麗に畳んで。下着姿になったら上掛けを被って。
……開放された玄関から射す光は相変わらずだけど、寝床は廊下側の角に設置したのでさほど気になる程ではない。
床に置いた灯り、まだ光ってるね。斑模様に照らされてるから嫌だな、棒や柄杓の影も加わってるから余計不気味だし。
壁からもう少し離してこよう。案外長持ちしてるな。起きたらまだ形あったりして。
何日か保ってくれるんなら、色々使えそうだな~。
眠いので今日はこれでおやすみなさい。
……王子様、今頃はどの辺りまで戻ったかなぁ。
大きな荷物が無いから行きより速いだろうけど、まだお城には着いてないよねきっと。