確認
短いです。
「ここは…森?かな…」
俺は起き上がると辺り一面に木が生えていたので森かと推測する。
「先ずは………状態確認からかな。何処が変わったのかも知りたいし」
案外冷静な判断が出来る。別に慣れている訳でも無いのにな。
今の俺は知らない服を着ていた。麻のような繊維でとても動き易い。近くにポーチが有り、中身を確認することにした。その中身の内一枚の紙があった。どうやら神様からの手紙らしい。早速確認することにした。
「えーと。どうやら中には色々と必要なものが揃っているらしいな。有難いことだな。ん?『目の前にある街道を頼りに行けば中規模の町がある。尚、どちらに行っても可』どういう事だ?目の前に街道なんて無いぞ」
此処は明らかに森の中だ。それも結構深い。となると考えられるのは───
「まさか、転移地点間違えたか?うん多分そうだろう……………はぁ。ぬくぬく育ってきた15歳にどんなハードプレイさせる気だよ」
幸いな事?なのかは分からないが色々と便利なものが入っていた。それを使いなんとか生きるしかないと。半諦めている。その中身とは。
─ディメンションボックス─
触れた物を異次元空間に収納出来る。サイズはほぼ無限。生物はしまうことは出来ない。だが微生物などは収納可能。出す時は出したいものを念じる。指輪もしくは腕輪になる。
─インタピナー─
この世界の言語を理解することが出来る。また話すことも出来、書くことも出来る。但し使用し始めてから3年で壊れる。指輪もしくは腕輪になる。
「これは有難いな。早速付けるか。どっちも腕輪にしようかな。落とすのも怖いし」
そう言って俺は【ディメンションボックス】を左腕に【インタピナー】を右腕に付けた。そして次は【ディメンションボックス】の中身を確認する。
「なにか入ってるといいな。特に武器とか防具。どうやらこの世界にはモンスターなどもいるから、手ぶらじゃあね。不安だよ」
頭の中にいくつかのパネルのようなものが出てきた。意識して詳しく見ると具体的な説明が出るようだった。二つの武器の似ている武器が目に留まった。
─光耀─
常闇と対になる太刀。その刀身は純白の如く白く美しい。魔力の伝達力が非常に良い。刃渡り100センチ程で柄が20センチ程。
─常闇─
光耀と対になる太刀。その刀身は漆黒の夜の如き静けさ。魔力の伝達力が非常に良い。刃渡り100センチ程で柄が20センチ程。
「中々いい剣みたいだ。いや、刀だな。魔力の伝達力何だろう?もしかして自分の中を動き回っている見えない奴を魔力というのかな」
この刀を使えないと非常に不味い。他に武器は無いのだ。取り敢えず、【光耀】と【常闇】出す。
「まぁ、やってみないことは分かんないよな。魔力を流す?のかな」
そう言って二つを持つ。驚いた事に両方軽々持てた。案外軽いのかと思ったが特に気にしなかった。そして俺は身体の中を動いているやつをこの刀に流すイメージをする。なにか力が抜けていく様な感覚があった。
刀身が薄く光を纏った。【光耀】は白い光を、【常闇】は紫がかった光だった。
「へぇ。綺麗だな」
思わず感心の声が出る。
「試し斬りをしようか」
と言って俺は近くにあった木左手に持った【光耀】で切りつける。
斬ッ!!!
木は綺麗にスパッと切れた。大分気持ちがよかったが、手がとても痺れる。続いて右手で持った【常闇】で違う木を切る。再び綺麗にスパッと切れた。
「いてて……切れたのはいいんだけと、これは…俺の技量不足かな」
実に深刻な問題である。刀の力に振り回されては何時か痛い目に遭う。刀の全てを出し切れないのは強い者と戦った時に太刀打ちができない。そう思った俺は練習しないとな不味いなと思った。
二つを鞘に仕舞いそれを背中に装着するような道具があったので背中に仕舞ってから、紙の残りを読むことにした。
「えーと、どうやら俺の体は魔力量が人外レベルらしい。嬉しいのか悲しいのか…あと筋肉量とかの身体能力も結構上がってるらしいな。あぁ。だがら軽々と持てたのか」
前世の時と変わらない体力だったら、俺は生きていけないだろうな。
続いてとんでもない事が書いてあった。どうやら俺は人間の5倍くらい生きることになって成長しないそうだ。
「マジかーッ!俺成長しないのか…グズン。俺はあと20センチ伸びて男らしい顔つきになるつもりだったのに」
俺は両手を地面について嘆いた。悲しすぎる。
◇ ◇ ◇ ◇
「さて、ひと通りの確認は終わったところで先ずは森を抜けないとな」
気を取り直した俺はそう言って真っ直ぐに歩きだした。
次はもっと長くなると思います