第88話・ワタシらのブーツでもっともっと踏み荒らしてやんよっ!
トラック部隊をいたぶり続ける里緒だったが、膨大な数に少し手を焼いている様子だった。
そして、わたし達は戦車や装甲車など千数百両の大部隊をあらかた踏み潰し終わろうとしていた。
あれだけ大量にいたタイガー戦車もさすがに歌いながら地響きを立てて踏み踊る10本の巨大な女子ブーツの前には紙くずのように踏み千切られて消滅していた。
気づけばあたり一面わたし達のブーツの靴跡で埋め尽くされていた。
ボコボコに陥没したブーツ痕の中に辛うじて細かく千切れた戦闘車両の破片がめり込んでいるのが見えたが、兵士の遺体などは殆ど判別不能なくらい粉々に踏みしだかれていた。
「わたし達のパワーって凄くないっ?」と麻美がつぶやく。
「っつ~かァ、ワタシらまだまだ暴れ足りないって感じっ!」と洋子。
「みんなっ!里緒のところに行ってワタシ達も暴れましょっ!」と幸恵が言った。
わたし達が壊滅させた戦闘部隊と里緒が襲っているトラック部隊との間には数百門の砲兵隊陣地があった。
とりあえずはそいつらを片付けなければならない。
「ってか、まずはコイツらを潰してやろうよっ!」と洋子が言った。
その言葉を合図にわたし達5人のレディースが一斉に砲兵隊陣地に殺到した。
「♪りんりんりりん♪りんりんりりんりん♪わたし達は、リ~んり~ず♪!イェイ!♪」
みんな口々に歌いながら綺麗に並べられた高射砲や対戦車砲の陣地内に踊り込んで行く。
長さ24m~25mの巨大なロングブーツの群れが大砲や砲兵を蹴り飛ばしながら踊りまくる。
「ワタシらって、生意気なヤツはぶっ飛ばすけどォ、弱いものイジメは嫌いなの!」と洋子が言う。
「でもでもっ、こういう弱いものイジメならワタシらに任せてっ!」と仁美が叫ぶ。
「何よっ!こんなもの並べちゃってっ!ホラホラッ!!」
「ワタシがぜ~んぶブッ潰してやんよっ!オラッ!」
❝パコ~ン!ズコ~ン!ズヴ~ン!❞
仁美が叫びながら88mm砲を次々と踏み潰し蹴り上げていく。
「っつ~か、ワタシらを狙って撃つなんて、マジで許せねェ~!!」
「ワタシ洋子のブーツ蹴り、タップリぶっこんでやんよっ!ソリャッ!」
❝ジュヴォ~ン!ジュヴァッ!ジュヴッ!❞
洋子も履き込んだライトブラウンの特攻ブーツで容赦なく砲兵陣地を踏み壊していく。
わたしも麻美も久しぶりに足元のドイツ軍目掛けてブーツ蹴りをお見舞いしてやった。
わたし達が軽快なステップで砲兵隊を痛めつけている間、幸恵も落ち着いた雰囲気で野砲を1つ1つ踏みにじっていた。
「なんか、ワタシらの敵じゃないって感じだけどォ、こいつらマジで弱すぎィ~!」そんな風にため息混じりにつぶやきながらも彼女の黒光りした特攻ブーツが容赦なく陣地内を逃げ惑うドイツ砲兵達に襲い掛かっていく。
数百門も並んでいた砲兵部隊だったが、わたし達の巨大なブーツハリケーンの前には哀れな位弱々しい存在でしかなかった。
ものの5分程でドイツ軍砲兵部隊の陣地もメチャメチャに踏み荒らされてわたし達のブーツの跡で埋め尽くされていた。
「ってか、踏み応えのないヤツらっ!」
「もっともっと暴れたいワ・タ・シ・・みたいな!てへっ!」
と可愛らしく愛想を振りまく仁美。
「里緒っ!そっちはど~お?」と幸恵が尋ねる。
「ワタシもかなりぶっ潰したんすけどォ、まだウジャウジャいるんすよ!」
と応える里緒。
確かに里緒の足元を見ればグチャグチャに踏み潰されたトラックの残骸片や大量のドイツ兵の死体が無数に散らばっていた。
彼女1人で600台位の車両と8千人以上の歩兵部隊を壊滅させていた。
しかしまだ彼女の周りには千数百台のトラック部隊と1万人以上の歩兵部隊が展開していた。
「ホラッ!みんな、最後の仕上げだよ!」
「あいつらにワタシらりんり~ずの女子力、見せつけてやんよ!」と幸恵が叫んだ。
すると今度は密集隊形のトラック部隊とその後方の歩兵部隊に向かってなだれ込んで行くわたし達だった。
「ゴラ~ッ!覚悟しなっ!ぶっ殺してやんよっ!オラオラ~ッ!」
❝ズッヴァ~ン!ジュヴッ!ジュリッ!ジュリッ!❞
洋子が先頭に立ってトラック隊の中に踊り込みメチャクチャに踏み荒らし始めた。
それに続いて仁美も駆け込んでいく。
「りんり~ずのワタシ仁美を忘れてもらっちゃ困るっつ~の!」
「つ~か、ワタシのブーツで潰してやんよっ!」
❝シュヴァシュバ!ジュブジュブッ!ズリッズリッ!❞
仁美のダークブラウンの特攻ブーツもトラックや逃げ惑うドイツ兵達に襲い掛かる。
わたしと麻美もトラックの密集エリアに踊り込んで自慢のロングブーツで踏みまくる。
わたしのひと踏みで20名近いドイツ兵が餌食となった。
こうなったら暴れまくって殺しまくるしかない。
あまりにも凄まじいりんり~ずの暴れっぷりに、踏み砕かれる彼らを気の毒にさえ思ってしまった。
6人のレディースによる強烈なロングブーツ蹴りと激踏みは大量に密集していたトラック部隊も粉々に踏み砕き、跡形も無く全滅させていた。
残るは1万人ほどの歩兵部隊のみだ。
「こいつら、どうする?」とニヤついた表情で洋子が尋ねる。
「ワタシ達のブーツで踏み殺すのは、ちょっと可哀想かも・・。」
と薄ら笑いを浮かべながら応える幸恵だった。
哀れな1万人のドイツ軍将兵は悪意に満ちた表情の巨大な6人のレディース達によってすっかり取り囲まれていた。
もう誰もわたし達の巨大な特攻ブーツから生きて逃げられるはずもなかった。