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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第70話・わたし達のせいで・・

 わたしが駆けつけると裏口のある部屋は一面修羅場と化していた。

4人の射殺体と震えるライナー、そして彼を抱きしめる里奈子。

「里奈ちゃん!何があったのよ?」と問いただすわたし。

「裏口から逃げようとしたらいきなりドイツ兵が入ってきて・・。」

と消え入りそうな声で話し始める里奈子。

「クラウスが何か言おうとわたし達の前に立ちはだかったの、そしたら・・。」と続ける彼女。

「いきなり、こいつらに撃たれたのね?」とわたし。

「だから、わたし夢中で・・。」と声を詰まらせる彼女。

クラウスが撃ち殺された事がよほどショックだったみたいだ。

3人のドイツ兵を撃ち殺しても彼女の気持ちがはれる事はなさそうだった。

「とにかく、こっちに来て!」と言って隣の部屋のクローゼットの中に隠れるように促すわたし。

2人はわたしの言うがままにウォークインクローゼットの中に入って身を隠した。

わたしは正面玄関で応戦している麻美の援護のために戻った。

「今、3人片付けたわ!」と麻美。

しかし、外を窺うとまだ6~7名の兵士が物陰からこちらに向かって撃ってくる。

「ホント、ウザい連中よねェ!」と言いながら麻美が更にもう1人を血祭りにあげた。

❝バババババッ!❞

「ったく、ヤッタネッつ~の!」

「ところで、裏で何があったの?」と麻美が尋ねてきた。

「実は、クラウスが殺されたの。」

「でも、里奈ちゃんが入ってきた3人は始末したから・・。」と応えるわたし。

「え~!おじさん死んじゃったの?」

「わたし達のせいじゃん!」と、途端に顔を曇らせる麻美。


確かに麻美の言う通りだった。

わたし達は気楽に立ち寄ったつもりだったが、取り返しのつかない悲惨な結果を招いてしまった。

今までにも、トリップをしては巨大な体で街を破壊してきたわたし達。

恐らくは数え切れないくらいたくさんの一般市民を巻き添えにしてきたのも事実だから、今更気の毒がっても仕方がない。

でも、少しの間とは言え、とても良くしてもらったから申し訳ない気持ちでいっぱいなのはわたしも同じだった。

「あの子どうする?」と麻美がつぶやいた。

わたしが一番気にしていた事を麻美も気にし始めていた。

「ここに置き去りにはできないよね。」と応えるわたし。

「連れて行くの?」とさすがに困った表情になった麻美だった。

さっきまでは半分冗談で可愛いあの子を連れて行きたい、なんて思っていたけど、こんな状況になってしまった今、悩ましい問題になっていた。

まず、一般市民を平気で撃ち殺すようなこの時代の体制だ。

このままここに彼を置いていけば、きっと不幸になるような気がしてならなかった。

だからと言って、わたし達の世界に連れて行こうとした時に彼の体に異変が起こる可能性もあるからそれも心配だった。

それに、連れて行ってどうする?

わたし達で育てるの?

そんな事が頭の中を駆け巡りわたしも悩んでしまう。

とりあえず、このピンチを早く切り抜けなければ。

そう思ったわたしは麻美に向かって言った。

「撃つのを止めて伏せて!」

その言葉に従って身をかがめる麻美。

しばらくすると、ドイツ兵も銃撃を止めて静かになった。

わたしが外を覗くと6名の兵士が銃を構えながらゆっくりとこちらに向かってやって来るのが見えた。

❝まだよ、もう少し引き付けてから。❞

そう思いながらマシンガンを構えて身を潜めるわたし。

ちょうどドイツ兵達が玄関の手前数メートルの所まで迫った時だった。

わたしはいきなり立ち上がって彼らに向かって撃ちまくった。

「死ね~!」

❝ババババババババババババッ!❞

ありったけの弾を撃ち込むわたし。

目の前にいた6人の兵士はひとたまりもなくバタバタとなぎ倒された。

わたしの怒りは最高潮に達していたから、転がった死体にも執拗に銃撃を加え続けた。

❝バババババババッ!バババババッ!❞

「もう死んでるってばァ!」という麻美の声で我に返ったわたし。

「やっと全滅したわね。」と疲れた声で応えた。

「早くここを出ないと別のやつらが来ちゃうよ!」とちょっと焦った感じの麻美だった。

「そうね、そうしましょ。」と言ってクローゼットに隠れていた里奈子とライナーを呼びに行くわたし。

わたし達とライナーの4人が揃ったところでわたしが切り出した。

「この子をわたし達の世界に連れて行くわよ。」

わたしの言葉に驚いた表情の2人。

「でも、大丈夫なの?」と麻美。

「この子に何かあったら、わたし・・。」と泣き出しそうな里奈子。

「どっちにしても、ここに置き去りにしていったら酷い目に遭うかもしれないよ。」

「それに、今回はわたし達の世界と殆ど同じ時間軸だから大丈夫だよ。」と2人を説得する。

でもわたしだって確信がある訳ではなかった。

もしかしたらライナーに異変が起こるかもしれない。

そう覚悟しなければと感じていた。

もう迷ってはいられない、そう思ったわたしは早速手鏡を取り出して呪文を唱える。

グリーンの閃光と共にすぐに扉が出現した。

「行くわよ!」そう叫ぶとわたしはライナーの手をしっかりと握って扉に向かって歩き出した。







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