表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
65/278

第65話・わたし達の恐ろしさと優しさ

 突撃してくる空港守備隊に激しい銃撃を加えるわたし達。

正面の敵はその殆どが麻美の機銃掃射で壊滅状態だった。

辺り一面に彼女が撃ち殺したドイツ兵の死体が散らばっている。

わたしも6名の敵を倒し、里奈子の方を見ると目前に10人位のドイツ兵が迫っていた。

「里奈ちゃん!撃ちなさいよ!」と叫ぶわたし。

すると彼女は土のうの陰から立ち上がってマシンガンの引き金を引いた。

❝ババババババババババッ!❞

目の前まで迫っていた兵士達に向かって撃ちまくる彼女。

あっという間に6名が顔や胸を撃ち抜かれて倒れた。

驚いて一旦引き上げようとした残りの兵士達にも銃撃を加える彼女。

❝ババババババババッ!❞

更に2人のドイツ兵が背中に銃弾を喰らって倒れた。

わずか2回の掃射で8名を射殺した里奈子。

「凄いじゃない!里奈ちゃん!」とわたしが叫ぶ。

しかし、浮かない顔の彼女は黙ったまま再び座り込んでしまった。

左右から襲ってきた兵士達はわたし達の銃撃によって兵力の大半を失い正面に戻ってきた。

そして、地面に伏せながらこちらをうかがっている。

「何人殺した?」と麻美が尋ねる。

「わたしは6人、里奈ちゃんは8人やっつけたよ。」と応えるわたし。

「里奈子やるじゃん!」と彼女の戦果に喜ぶ麻美。

「残った連中はわたしに任せて!」

そういうと麻美は地面に伏せている兵士達を1人づつ狙い撃ちし始めた。

「わたし達に逆らう悪い子はどこかナ~?」

❝ドドドッ!❞

悲鳴と共に血しぶきが飛び散る。

「わたしに歯向かうなんてェ、イケナイ子だゾォ~!」

❝ドドドドッ!❞

ヘルメットごと頭を撃ち抜かれる兵士。

「あ~、いたいた、わたしの獲物!」

❝ドドドドッ!❞

更にもう1人が麻美の射的ゲームの犠牲になった。

狙い撃ちされるのに我慢できなくなったのか、残った7名の兵士が一斉に立ち上がってトラックの方に戻ろうとした。

「待て~!逃げんじゃね~ヨ!」

❝ドドドドドドドドドドッ!❞

逃げ出そうとして立ち上がった兵士達の背中を麻美の銃弾が襲う。

興奮状態で撃ちまくる彼女、逃げる間もなくバタバタとなぎ倒されていく兵士達。

最後の1人を仕留めると転がった死体に向かって念入りに掃射する彼女。

❝ドドドドドドドッ!❞

「もういいでしょ!」と叫ぶ里奈子。

「生き残ってたらどうすんのよ!」と少しイライラ気味の麻美。

「変な子。」と吐き捨てるようにつぶやいた。

そしてわたしに向かって興奮気味に話しかけてきた。

「ネェネェ、わたし1人で30人位やっつけたかも~!」

「わたしは今日11人殺したから里奈ちゃんよりちょっと多いかな。」

「じゃあ、わたしの1人勝ちってことでェ・・。」と麻美が言いかけた瞬間だった。

「そんなに人殺しが面白いんですか?」と里奈子が麻美に食って掛かった。

「あなたも結構殺したじゃん!何なのよ、いったい!」

「今日ちょっと変だよ、どうしちゃったの?」とやっと落ち着いた口調に戻った麻美だった。

「ごめんなさい!そうですよね。」

「わたしもたくさん殺しちゃったし・・。」と弱々しい声でつぶやくとうつむいてしまった。

「里奈ちゃんは優しい子だから。」とフォローするわたし。

「でもさっき、あいつらを撃ち殺したのは正しかったよ。」と優しく語りかけた。

でも内心は❝この先、里奈子は連れてこない方がいいかもしれない。❞と感じ始めていた。

守備隊を全滅させたわたし達は車に乗ってその場を立ち去った。

空港を出てしばらく走ると道路から奥まった所に建っている一軒家を見つけた。

明かりがついているので誰かいるらしい。

「あそこに行くわよ。」と言ってわたしは家の脇に車を停めた。

白い壁が綺麗な平屋の小さな家。

捕虜を連れて車を降りるわたし達。

そして玄関のドアをノックするわたし。

すると中から初老の男性が出てきた。


男性がドイツ語で何やら話しかけてきたが、麻美がいきなり彼に銃を突きつけた。

そして「ごめんなさい!わたし達ここでちょっと休みたいの。」と言って強引に中に入っていった。

男性はなす術も無く麻美に従った。

抵抗する様子は微塵も無かった。

中に入ると4歳くらいの男の子がいた。

金髪の青い目をした可愛らしい子だった。

老人が逆らう風でもないので安心したわたし達は子供が怖がらないようにマシンガンを肩に掛けた。

「あら、可愛い子!こんにちは!」

「わたし、麻美っていうの。」とその子の頭を撫でながらしゃがみ込む彼女。

「マジで可愛い~!連れて帰りたい!」と微笑みかける。

冗談とはいえ麻美の気持ちも解らないではないくらい愛らしい子だ。

わたしも男の子に駆け寄ると軽く抱きしめながらささやいた。

「怖がらせてごめんね、わたし達、君を傷つけたりしないからネ。」

最初はおどおどしていたその子だったが、わたし達の優しさにやっと安心した表情になった。

暗い表情だった里奈子もやっと落ち着いてきたのか男の子の手を握ってつぶやいた。

「わたし里奈子、よろしくネ!」

「この子の前では麻美さんも酷い事、出来ないですよね。」

と捕虜に対してやろうとしていた事を見透かしたようにつぶやいた。

「分かってるわよォ。」とちょっとムッとした表情になった麻美だった。

捕虜の取り扱いが難しくなった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ