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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第61話・彼に会いに行きたい・・

 トリップから戻ってきたわたし達、かなり疲れた様子の里奈子だった。

そして3人とも黙りこくったままわたしの部屋に向かった。

わたしの部屋でコーヒーを飲みながらやっと落ち着いてきた。

「助けに来てくれて、本当にありがとうございました。」

里奈子がか細い声で言った。

「いいのよ、そんな事。」

「でも今回は参ったわよねェ。」と麻美。

「とにかく、あそこで何があったの?」と尋ねるわたし。

するとポツリポツリと説明を始める里奈子だった。


「あの薬品は麻酔剤だったんだ。」

「わたし達って動物並って事?」と苦笑いする麻美。

「銃や大砲は効かないけど、化学兵器は効くって事なの?」

ちょっと心配になったわたし達、今後の事もあるから対策を考えなければならない。

「そもそも今回は数年前だったからそんな兵器が出てきたけど、古い時代なら問題ないんじゃない?」と麻美。

「そうよねえ、しかも身長が150m以上ならそんなもの散布される前にわたし達の餌食になるし。」とわたし。

「でも、たぶん毒性の強いものでもわたし達、死なないと思います。」と里奈子がつぶやいた。

「どうしてそんな事がわかるの?」と尋ねる麻美。

「あの通訳官の話だと、そんな気がするんです。」と応える彼女。

「そういえばその通訳官ってどんな日本人だったの?」と興味津々の麻美。

「年齢は28歳位、身長が180cm位でイケメンで優しくて・・。」

と彼の事となると不思議と顔がほころぶ里奈子だった。

「ちょっと里奈ちゃん、まさか、その彼の事が好きになっちゃった?」と面白がって冷やかす麻美。

「そんなんじゃないですって・・。」と応える里奈子だった。

「でも、また会ってみたいんでしょ?」とつっこむ麻美。

「会ったところで、わたし達は巨大女なんだから・・。」とわたし。

「そうよねェ、いくらイケメンでも小人と付き合うなんてできないし。」と麻美。

「わたし、会いたくなんかありません。」と顔がこわばる里奈子。

しかし、この雰囲気は会いたいに決まっていると言うことだ。

だからと言って向こうの世界の人間との交際は難しい。

「わたしもちょっと会ってみたいな。」と切り出してみたわたし。

すると里奈子の顔が一瞬緩んだ。

「なんか、興味あるのよねェ、わたしも。」

「暴れて殺しまくってきたわたし達だけど、あっちの世界の事、まだよく知らないしねェ。」と続けるわたし。

「そうよねェ、わたしもそのイケメン君と話してみたいな。」と麻美も興味を示し始めた。

「じゃあ、どうする?次回のトリップで会いに行く?」とわたし。

「もし会いに行くのなら、わたしにいい考えがあります。」と身を乗り出す里奈子だった。


「例えば今から1週間前の同じ場所にトリップすれば会えるかも。」

「そうすればわたし達の体も彼らのサイズに近いし。」と説明する里奈子。

「でも、それって危険じゃない?」と麻美。

「そうよねェ、彼らと変わらない大きさだとすぐに捕まっちゃうかもしれないし。」とわたしもちょっと心配顔になった。

「巨大な体だからジーパンレディーなんでしょ、わたし達って。」と麻美。

巨大な体で暴れる事から外れると途端に興味を無くしたようだった。

でもわたしはちょっと冒険してみたい気になっていた。

いくら身長が2m位でも銃で撃たれても死なないという自信はあった。

それにいざとなれば扉に逃げ込めば良いのだ。

「ちょっと検討してみたいな、わたし的には・・。」

「麻美は興味ないでしょうから来なくてもいいわよ。」とわたし。

すると血相を変えて応える彼女。

「あなた達だけで行かせる訳には行かないわ!」

「もしドイツ兵が襲ってきたら、わたしがやっつけてやるんだから。」と勇ましい麻美だった。

だんだんそんな話になってきて表情が明るくなり始めた里奈子だった。

「それじゃあ、次回は思い切ってトリップデーの1週間前に行ってみましょう。」

「服装はみんなバラバラな方がいいかも。」と提案するわたし。

「そうそう、この間の格好は巨大化バージョンだもんね。」と麻美。

そんな話をしながら次回のミッションが固まってきたのでわたし達のミーティングも一旦お開きになった。

わたしは次回のトリップに備えて準備を始めた。

もし捕まりそうになった時の対処法とか、銃器の取り扱いなんかもネットで調べ始めた。

銃を撃った事はないが、撃ち方だけでも勉強しておいた方がよいと思った。

今度はひょっとしたら相手の顔を見ながら殺すことになるかもしれない。

今までみたいにブーツで踏みにじるのとは全く違った次元になる事を覚悟しておいた方がよいと思った。

精神的に強い麻美はおそらく現場で臨機応変に対応できるだろうが、里奈子が心配だ。

元々が優しい性格の子だから、人を殺すことなんて出来ないかもしれない。

そんな心配をしながらわたしは必死になって最新式の銃や機関銃のスペックや取り扱い方法などを勉強した。

次回のトリップは今までのようなお気楽な破壊ミッションとは違って本当にスリリングな冒険旅行になるかもしれなかった。





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