第53話・わたし里奈子も楽しませてもらうワ~!
麻美がドイツ兵をなぶり殺しにして楽しんでいる。
わたし達も楽しまなきゃって思った。
すると里奈子がいきなり麻美の横を通り過ぎてドイツ軍部隊の後方に向かって歩き出した。
「戦車隊は任せましたよ~!」
そういうと装甲車を跨ぎながらトラック部隊の前にやって来て立ちはだかった。
「わたしは五月女里奈子と申しま~す!」
「わたしのブーツを綺麗にしてくれたら、命だけは助けてあげるわァ。」
優しげな口調で足元に展開する歩兵部隊に語りかける彼女。
しかし、何を言っているのか理解できない兵士達は発砲を始めた。
「ざけんなヨォ!マジでチョームカついたっ!」
「こんなもん、え~いっ!」
❝ジュッヴ~ン!❞
イラついた彼女は目の前にあったトラックの幌の部分を思いっきり踏みつけた。
純白のロングブーツがトラックを一瞬で踏み砕いた。
更にもう1台渾身の力で蹴り上げる。
「オリャ~!」
❝ヴァコ~ン!❞
里奈子の長い美脚が高々と振り上げられトラックはバラバラに砕け散った。
「見たかよ~、わたしのブーツ蹴り!」
「こうなったら容赦しないから覚悟しなっ!」
そう叫ぶと足元に並んでいたトラックを次々に踏み潰し始めた。
「ファイト・ファイト~!」
❝ズヴォ~ン!ズヴァ~ン!❞
「この踏み応え、たまらな~い!」
踏みつけられたトラックはメチャメチャになって爆発炎上した。
里奈子の白いブーツは瞬く間に黒く汚れていった。
「ホラ~、わたしのブーツが汚れちゃったじゃ~ん!」
彼女の凄まじい破壊を目の当たりにしたドイツ兵達は恐れおののいて沈黙してしまった。
それを見た彼女は足がすくんで動けなくなった2人の兵士を無造作に掴み上げる。
すると右手の指からはみ出した2人の兵士の頭をまるでマッチでも擦るかのように太もものジーンズにこすり付けた。
一瞬悲鳴のような叫び声が聞こえたがすぐに静まり返った。
彼女の足元にはもげ落ちた2人のドイツ兵の首が転がっていた。
「いい気味!」
ニヤッと微笑みながら首なし遺体を放り投げる彼女。
「いいこと!こんな目に遭いたくなかったら、わたしの言うことを聞きなさい!」
そういうとトラックの後ろに隠れている兵士達を手招きする彼女。
恐怖で顔を引きつらせた5人の兵士が武器を捨てて彼女の足元にやって来た。
「いい子ねェ、わかればいいんだよ!」
「まずはわたしのブーツを綺麗にしなさい!」
「カッカァ~ッぺ!」
おもむろに自分の足元に唾を吐き掛ける彼女。
「ホラッ、わたしのツバでブーツを磨きなさい!」
よく理解できない兵士達は里奈子の顔を見上げるばかりだ。
「わかんねェ~のかよ!」
「こうするんだよっ!」
イラつきながらそう叫ぶと、しゃがみ込んで1人の兵士の腕を掴んだ。
そして彼の腕に先ほど吐き掛けた唾をタップリつけるとブーツのつま先にこすり付けた。
「こうやって磨くんだよ!わかったかっつ~の!」
ようやく彼女の命令を呑み込めたドイツ兵達は彼女の唾を両手ですくい上げてはブーツになすり付けて黒い汚れを落とし始めた。
「そうそう、そうやって綺麗にするのよ!」
「もっとツバを追加してやろっか~!ぺッぺッ!」
彼女の足元は痰唾まみれになった。
気泡混じりのネットリと糸を引いた里奈子の痰唾をブーツにこすり付けると“プ~ン”とした唾特有のキツい臭いがあたり一面に漂う。
強烈な唾臭の中、両腕を唾まみれにして悪戦苦闘する兵士達。
ところが汚れを落とすどころか、かえって唾と泥がミックスしてブーツが更に汚れてしまった。
「全然綺麗になってないじゃん!」
「そこに並べっつ~の!」
イライラが頂点に達した彼女はブーツのつま先で兵士達を小突き回して一列に並ばせた。
「わたしのブーツを汚した罰よ!」
「えいえいえいっ!」
そういうと彼女は兵士達を次々とつま先で蹴り倒した。
もんどり打って転んだ5人の兵士達を左足の巨大なブーツが襲う。
5人の兵士達を無造作に軽く踏みつけた彼女。
左足に力を入れてないから踏み潰されてはいない。
ちょうど一列に倒された兵士達の下半身を彼女のブーツが押さえつけていた。
「これから楽しいことしてあげま~す!」
「ではでは、それ~!」
彼女の左足に押えつけられて身動きのとれない彼らの上半身を今度は右足のブーツが襲う。
踏み潰さない程度の隙間をあけて巨大なブーツの靴底が彼らをいたぶり続ける。
何度も何度も彼らの上半身に靴底をこすり付ける彼女。
わたし達の履いている白いロングブーツの靴の裏には滑り止めに幾何学模様のような溝が彫り込まれている。そのギザギザ模様が兵士達の顔を切り裂いていく。
軍服は破れ顔中血まみれになっていく彼ら。
そんな残酷な光景に満足そうな笑みを浮かべる彼女。
「そろそろ楽にしてあげるわねェ。」
「えい!」
と可愛らしくつぶやくと右足で踏みつけて軽くにじりを入れた。
ゆっくりと足を上げる彼女。
そこには首や腕が千切れた兵士達の遺体が無残に転がっていた。
「今日もわたしのブーツがイイ感じ、な~んて!」
「まだまだ殺し足りないわァ!」
「わたしがもっともっと可愛がってあげるからァ、逃げんじゃね~よ!」
恐ろしげな口調で足元のドイツ兵達を見下ろす彼女。
もうかつての優しい里奈子ではなかった。