第49話・わたし達の上履きが全てを踏みにじる、いい気分だわ~!
麻美と里奈子で住宅街はメチャクチャに踏み荒らされていた。
木造の住宅は簡単に彼女達の上履きに踏み砕かれて跡形もない状態だった。
「わたし達ィ、ちょっとやり過ぎちゃったかなあ?」と里奈子。
「何言ってんのよォ、こんな楽しい事止められるかっつ~の!」
「え~い!」
❝グシュ~ン!❞
麻美の上履きが大きな邸宅の中央部を踏み抜いた。
「えいえいえ~い、これでもかっつ~の!」
❝ズヴズヴズヴッ!❞
邸宅の残った部分を執拗に踏みつける彼女。
麻美の巨大な黄色い上履きが美しい邸宅を粉々に踏み砕いていく。
両足で小刻みに踏み鳴らす彼女。
豪邸の綺麗な白い壁は踏みしだかれて、真っ黒な靴底のギザギザ模様で泥々になっていた。
「こういう金持ちそうな家を踏み潰すのって、わたし的には快感~!」
住宅街を徹底的に破壊して全滅させたわたし達、3人ともタダでさえ汚れていた上履きが更にどす黒く汚れてしまった。
真っ白なハイソックスやジーパンも土煙や粉塵でかなりホコリっぽく汚れていた。
「かなり、汚れちゃったネ!」
とジーパンの汚れを払い落とす麻美。
里奈子は手に唾を吐いてはジーパンになすり付けて汚れを落としている。
わたしもゴム手袋に唾を吐いてはジーパンのちょっとシミっぽくなった所にこすり付けて汚れを落とした。
見渡せば街の中心街から住宅地まで完全に破壊され尽くされて更地のような状態になっている。
「律子!この上履き攻撃、中々楽しかったかも~!」と麻美が満足そうな顔で言う。
「わたしの上履きもかなり汚れちゃったけど、踏み応えはイイ感じだったわ。」
「特に小人のやつらを踏み殺した時の感触って、たまんな~い!」と里奈子。
「わたしも今日は大勢踏み殺したわ。」
「わたし達の正義の上履き蹴りと上履き踏みでナチのやつらも全滅!」
「サイコーの気分よねェ。」とわたし。
そんな事を話している内に例の扉がうっすらと現れ始めた。
「みんな!そろそろ戻りましょ!」と2人に向かって叫ぶわたし。
「まだまだ暴れ足りないけど、今日はこのくらいにしといてやるワァ!」
「また上履きパーティーやりに来るからネェ~!」と叫ぶ麻美。
「この次はブーツで踏みまくってやるから覚悟しなっ!」と叫ぶ里奈子。
彼女もだんだん口調が麻美に似てきた。
破壊の限りを尽くしたわたし達は扉の中に入って街中を見渡した。
瓦礫に覆われた町、無数の遺体、動くものは全く見当たらず、わたし達の上履きの靴跡が街中に刻み付けられていた。
職場に戻ってきたわたし達はジーンズの裾を下ろしてブーツに履き替えた。
そして汚れまくった上履きをロッカーに入れて外に出た。
「今日も爽快な気分だしィ、今から飲みに行こうよ!」とノリノリの麻美。
「そうねえ、今日も大戦果だったし、つき合うわよ!」とわたし。
「わたしもわたしも~!」と里奈子。
3人で行きつけの居酒屋に入って落ち着いたわたし達。
「今日も楽しかったよねェ。」と麻美。
「ブーツとは違った感触だったわよねェ。」とわたし。
「そうですよねェ、ゴム製の靴底から生きてる奴を踏み殺してるって実感できたのがァ、もの凄く快感だったんですけどォ。」
「わたしって異常ですかね?」と里奈子。
「実はわたしもなんだ、今まで以上に人を殺すっていう事を感じちゃったみたい・・。」とわたし。
「あいつら人間じゃないよ、虫けらじゃん!」
「何人殺してもわたしはまだまだ続けるわ!」
「だって楽しいじゃん、弱いやつらを痛めつけるのって。」と平然と続ける麻美だった。
今までなら彼女の暴走にちょっと意見するわたしだったかもしれないが、今はそんな気持ちは全く無い。
「今度はもっと大きいサイズの小人を虐めたくなってきちゃったかも。」と里奈子。
「そうよねェ、今度は5年前に行ってみない!」
「そうすると、わたし達の大きさも17倍だから、27m位って事ですね。」と里奈子が計算する。
「って事は、小人達の大きさも10cmくらいって事ね。」とわたし。
「その大きさだと街を壊すって言うより、小人をいたぶりに行くって感じよねェ!」
「なんか、すっごく楽しそう!」
ルンルン気分の麻美、お酒も入っているからなお更上機嫌だ。
「でも5階建てのビルがちょうどわたし達の肩ぐらいだから、壊すのも楽しそうですよねェ。」と里奈子。
「その大きさだと戦車1台やっつけるのも大変そうね。」とわたし。
「そんなものわたしが持ち上げて投げ飛ばしてやるわよ!」と止まらない麻美。
「じゃあ、次は2009年にトリップしましょう!」と里奈子がいう。
「5年前ならナチのやつらの武器も今のとそんな変わりなさそうね。」
「それじゃあ、そうしましょう。」と快諾するわたし。
「いいこと、次回はみんなジーパンブーツイン復活よ!」とわたし。
「今度はわたしのブーツでイジメ倒してやるんだからァ~」と麻美の鼻息が荒い。
今回Sな本性が現れ始めたわたしと里奈子。
次回は更なる快感を求めて残酷プレーが加速するような気がしてならなかった。