第27話・わたし達のジーパンがビルを襲う
ドイツ軍部隊を壊滅させたわたし達は、いよいよ都市の破壊を始める事にした。
中央広場から伸びるメインストリートに展開していたドイツ軍部隊は跡形も無く消滅し、わたし達のブーツの靴跡だけが無数に刻みつけられていた。
そして、わたしは林立するビル群に向かってこう呼びかけた。
「わたし達は、愛の戦士ジーパンレディースで~す!」
「今からこの街を徹底的に破壊します!」
「だから、一般住民の皆さんは避難して下さ~い!」
両手を口に当てて叫ぶわたし、麻美と里奈子もビル群を睨みつける。
「一応わたし達って、ナチをやっつける正義の味方だから、一般の人達は傷つけないようにしないとネ。」とわたし。
「愛の戦士ジーパンレディースってわたし達の事?」と聞き返す麻美。
「麻美さん!わたし達って、悪い人達と闘う“巨大女の戦士”なんですよ!」と説明する里奈子。
「なんか、よく分からないけど“愛の戦士”なんてちょっとイケテル感じだね。」
「それに、ジーパンレディーなんて普段のわたし流スタイルそのままじゃん。」
「いつの間にこんな楽しい事してたの?わたし抜きで・・。」とウキウキ顔の麻美。
「ゴメンネ!実は里奈ちゃんもこの間デビューしたばっかりなの。」
「でもこれからは3人で思いっきり暴れましょ!」となだめるわたしだった。
「それじゃあ、まずはわたしから、そ~れっ!」
❝ズガ~ン❞
目の前に建っていた15階建てのビルのちょうど真ん中辺りにブーツを突き刺すように蹴りつけたわたし。
麻美と里奈子に見せつけたかったから、思いっきり蹴り上げた。
わたしのダークブラウンのロングブーツがビルを貫通してそのまま空を切り裂き、辺りは凄まじい粉塵で覆われた。
そして、蹴り上げた脚を振り戻す反動を利用してビルの残った部分にブーツのヒールを打ち付けた。
❝ボッカーン!❞
わたしの右足の強烈なブーツ蹴りであっと言う間に高層ビルを粉砕した。
「やったねっ!」と両手を握りしめてガッツポーズするわたし。
「律子やるじゃん!わたしも負けてられないワ!」と早速破壊するビルを物色し始める麻美。
「わたしはこんな風にビルを壊しま~す!」と里奈子が叫びながら手頃なビルにまたがった。
そしてゆっくりと体重をかけ始める。
「これって、わたし里奈子の馬乗りジーパン攻撃で~す!」
❝ズブズブッ、ズブズブ、ズヴァーン!❞
彼女に体重をかけられた12階建てのビルはひとたまりも無く崩壊し始めた。
瞬く間に里奈子のジーパンがビルをグシャグシャに押し潰した。
「わたしっ、この感触がたまらないの!」とウットリした表情の彼女。
それを見ていた麻美が少し高層のビルに目をつけた。
「これがいいわ!みんな見てなさい!」と麻美。
20階建てのビルの前で一旦しゃがみ込む麻美。
次の瞬間情熱的な口調でこう叫んだ。
「わたしっ、愛の告白をします!」
「わたしの愛を受け取ってください!」そういうと彼女はいきなりビルに抱きついた。
そしてグイグイと両腕でビルを締め付け始める。
❝バリバリバリッ!バッズ~ン!❞
麻美の両腕と胸にガッチリとホールドされた高層ビルは音をたてて中層階のあたりから崩れ始めた。
更に両腕に力を込める麻美、彼女の両腕がホールドしていた4フロア分が粉々に砕け散った瞬間、その上の残った5フロア分も支えを失って麻美の足元に崩れ落ちた。
❝ボヴァーン!!❞
「やったネ!わたしの愛が通じたみたいヨ!」
「これぞわたし麻美のラブ攻撃で~す!」と自慢げに叫ぶ麻美。
「麻美、やるじゃない!じゃあ、わたしもっ!」と右手に建っていた13階建てのビルに狙いをつけて天井を両手で押さえつけるわたし。
「わたしの得意技をお見せしますね!えいっ!」
❝ズブッ!❞
そういうとわたしはブーツのつま先を10階フロアの左端に突き刺した。
そして、そのまま右方向に一気に滑らせる。
❝ズルズルズルズルッ!❞
わたしのブーツがビルの窓と外壁を粉々に粉砕しながら切り裂いていく。
こうして各フロアにブーツを突き刺しては切り裂き、ビルを半壊状態にしてやった。
そして最後に天井をブーツ脚で押さえつけて一気に踏み潰した。
「それっ!」
❝ヴォヴォ~ン!❞
ビルはわたしのブーツに切り裂かれて殆ど半壊状態になっていたから、右足に軽く力を込めただけで簡単に崩れ落ちた。
この感触がたまらないわたし。
「これが、わたし律子の切り裂き攻撃で~す!」と2人に見せつけたわたしだった。
「みんな、得意技を持ってるんですね、わたしもいろいろ試してみます!」
「でも、やっぱりジーパンアタックが一番快感かも・・!」
と言いながら次のビルにまたがってはジーパンで押し潰す里奈子。
わたしも里奈子のジーパン攻撃を試してみる。
「ちょっとごめんなさいネ!」と言いながら手頃なビルにまたがって体重をかけてみるわたし。
すると、“ズブズブッ”と簡単に崩れ始めるビル。
「ホントだ、結構快感かも!」と叫ぶわたし。
「わたしもやってみるゥ~!」と麻美も手前のビルにまたがって思いっきり体重をかけている。
❝ズッヴォーン!❞と凄い土煙と共に崩壊するビル。
「イェイ!イェイ!イェ~イ!」
「わたし達ジーパン女子の力、見たかヨッ!」とはじける麻美。
こうしてわたし達のビル破壊が始まった。