第263話・いよいよ作戦開始よ!
新総統官邸に向かって走り出したわたし。
官邸の入口には4本の太い柱が建っていた。
そこに陣取る親衛隊の兵士達。
いつの間にか土のうを積み上げておよそ100名位の兵士で守っている。
全員フィールドグレーの制服を着た武装親衛隊の兵士だった。
「見てなさい、わたしが相手よ!」(わたし)
「ほらっ、束になって掛かってきなさいよ!」
わたしは走りながらマシンガンを構えて乱射をし始めた。
“ババババババババババッ!”
最初の一撃で6~7人仕留めてやった。
すると彼らもわたし向かって応戦し始めた。
わたしは彼らの銃撃をかわす為に左右ジグザグに走る。
たぶんわたしの体にも少なからず被弾していたけど、全然感じないし服に穴も開かない。
ただ少し黒く煤けた様な痕跡が残るだけだった。
これがわたしの怒りに火を付けた。
「ザケンじゃないわよ!」(わたし)
「ほんとムカつく!」
「喰らいなさいよ!」
“ババババババババババッ!”
更に5~6人撃ち殺してやった。
彼らの陣地の左右には重機関銃が据え付けてあって発砲を始めた。
もちろんわたしには全く効かないから余裕の表情で突進する。
わたしは左側の機関銃陣地のところまで走り込んでいってマシンガンを撃ちまくった。
“ババババババババババババババッ!”
目の前にいた十数名の敵兵を射手も含めて全員撃ち殺した。
そして重機関銃を手に取ると手前の敵から順番に撃ち殺していく。
「え~い!」
“ドドドドドドドドドドドドドドッ!”
わたしの放った銃弾を喰らったドイツ兵どもは体中を撃ち抜かれ、ヘルメットも穴だらけになり血しぶきを飛ばしながら薙ぎ倒されていく。
「これって、マジで快感かも!」(わたし)
「ホラッ、わたしに降伏しなさいよ!」
「アラサー女を舐めないでよね。」
“ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!”
MG42重機関銃を腰の辺りで構えながらゆっくりと歩き出すわたし。
身長160センチそこそこで普通体形の女性には手に余る大きさの代物だったけど、
こちらの世界では超人的なわたしにとっては反動も重さも感じる事も無く楽しみながらの銃撃だった。
目の前の敵から順々に撃ち殺していくのは高揚感と爽快感でいっぱいになった。
大量殺戮に性的快感さえ覚えてしまうイケナイわたし。
「なんだか、体中がジンジンしてきちゃったわ。」(わたし)
「もっと掛かってきなさいよ!」
「ほらァ~!!」
金切声を上げながら殺しまくるわたし。
100名近い敵を壊滅させるのに数十秒位しか掛からなかった。
それだけわたしが射撃が冷静で正確で無駄撃ちが全く無かった事を物語っていた。
前衛の守備隊を全滅させたわたしは建物内に入っていく。
もうかさばるMG42は投げ捨ててMP40短機関銃を構えながら進んでいく。
“ババババッ!”
“バババッ!”
目に入るドイツ兵を片っ端から撃ち殺していくわたし。
「もう何人くらい撃ち殺しちゃったんだろう?」(わたし)
「正義の為の犠牲だわ。」
「仕方ないのよ。」
そんな風に自分に言い聞かせながら総統執務室を目指す。
この建物の内部構造は予め由美から図面を渡されていたから熟知している。
正面玄関にあんなにたくさんの部隊が居たのは想定外だったけれど、
内部に配置されている衛兵の数は資料の通りだった。
きっと敵は女の子1人相手に100人もの部隊を差し向ければ大丈夫だとでも思っていたのだろう。
彼らが彼ら自身の甘さを認識する羽目になるとは、実に滑稽である。
「アラサー女を舐めるとどうなるか、」(わたし)
「思い知らせてやるんだから。」
“ババババッ!”
「わたしを誰だと思ってんのよ!」(わたし)
現れる衛兵を殺してはそんな言葉を吐き捨てるわたし。
だんだん自分が女神にでもなったような気分になってきた。
もう誰もわたしには逆らえないと実感させられるからだった。
総統執務室の前には2名の衛兵が銃を構えて立っていた。
「よ~し、今度はこうしてやるわ。」(わたし)
“バシュ~ン!”
“バシュ~ン!”
彼らに近づいていくとわたしに向かって撃ってきたこの2人。
わたしの胸の辺りに弾が命中したけど、ビクともしない事に驚いて一瞬固まる彼ら。
「コノヤロ~!」(わたし)
“ヴァシッ!”
“ドスッ!”
“ヴァコッ!”
“ヴァコッ!”
叫びながら1人を殴り倒すとゴム長靴を履いた足で蹴り付け踏み付けるわたし。
「こうしてやるわ!」(わたし)
「オリャッ!」
“ヴォシュッ!”
“グジュッ!”
“ジュリジュリッ!”
トドメに右足で思いっきり男の顔を踏み付けると、もろくも陥没し息絶えた。
そんな光景を目の当たりにして恐怖のあまり動けなくなるもう1人の男。
わたしの狙い通りである。
この部屋に総統が居る可能性は低く、既に別の場所に避難している可能性もあった。
だからこいつ等に口を割らせようと思ったのだ。
1人を目の前で血祭りに上げればもう1人はすぐに白状するはずである。
「ほらっ、わかった?」(わたし)
「わたしに逆らうとこうなるの。」
「よ~く覚えておきなさいよね。」
「で、この中にアンタ達の総統はいるの?」
「えっ、どうなのよ!」
両手を挙げたままの兵士は驚いた目をしながら微動だにせず固まったままだ。
「早く、言いなさいよ!」(わたし)
「わたしをイライラさせんじゃないわよ!」
「ほらァ!」
“ドスッ!”
彼の鼻先で怒鳴り散らしながら腹部に膝蹴りを加えるわたし。
その時気付いた。
「あっ、そうか、」(わたし)
「あなた、日本語分かんないのよね?」
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