第250話・ナチスを壊滅させてやるわ!
今まさに出撃しようとしていた機甲部隊を蹴り荒らしてメチャメチャにしたわたし。
わたしの足元にはたった今薙ぎ払われた戦闘車両の無数の残骸が散らばっていて炎を上げて燃えていた。
「ザマァみろ!」(わたし)
「思い知ったか!」
大勢の戦車兵と機械化部隊の兵士数百人諸共一瞬で薙ぎ払ったわたし。
そして3階建ての建物の正面には数百名のドイツ軍歩兵部隊が立ちすくんでいた。
そんな奴等に微笑みを浮かべながら見下ろしているわたし。
「ソリャッ!」(わたし)
“ヴォスッ!”
うじゃうじゃと突っ立っている兵士達の塊にゴム長靴の踏みを一発食らわしてみる。
靴底のソールを通して5~60人の命を踏み砕いた感覚がたまらない。
“わたし、殺しちゃった!”
つい最近経験してきた殺される側の悲惨さを思い出すと尚更興奮してしまう。
あんな酷い事をいとも簡単に実行している張本人がわたしなのだ。
オンナのわたしが大勢の男性兵士の命を奪いまくる爽快感と高揚感は陶酔感へと変わる。
どんなに屈強で優秀な兵士でもこの女のわたしには成す術がないのである。
今自分が挙げた戦果を確認しようとゆっくりと右足を上げてみる。
少し膝に力を込めた分、踏んだ部分だけ数センチ(小人尺で数メートル)陥没していて、Vの字が互い違いに並んだ靴底模様の巨大な靴跡に無数の潰れた兵士の遺体が刻み込まれていた。
ゴム長の靴底側を確認すると、そこにも数十名分の千切れたような肉片やら潰れたヘルメットやらが泥に混じってへばり付いていた。
「あらっ、お可哀想に。」(わたし)
「でもでも、もっと踏んであげるわネ。」
“ジュヴッ!”
“ジュヴッ!
“ジュヴッ!
“ジュヴッ!
わたしは容赦なく生き残っている連中目掛けて何度も踏みを加えてやった。
もう地面はわたしの靴跡でいっぱいになっていた。
今踏み殺した連中と先程の機甲部隊の分も合わせると1000名以上殲滅した事になる。
つくづくわたし達の力の絶大さに呆れるばかりである。
ここまで巨大になってしまったらオンナのわたし達だって圧倒的な強さで戦えるのだ。
しかも面白半分にである。
久し振りの大暴れでナチスドイツの1個大隊を蹴散らして満足感でいっぱいのわたしだった。
そんなわたしの姿を遠目に見とれていた律代。
中央駅をあらかた破壊して、わたしの方に向かってやって来ようとしていた。
「わたしも手伝いますよ。」(律代)
「ちょうどわたしの足もワクマスもムズムズしてたんですよ。」
「民間人相手じゃ、物足りないって。」
「律子さんは本物の軍隊をやっつけてたんですよね。」
「わたしもそれ、やりたいかも。」
「じゃあ、そっちの建物を頼むわね。」(わたし)
彼女が歩いてきた所に鍵十字の旗が掲げてある建物があって、そこにも軍用車両が数十台並んでいた。
小型のワーゲンにサイドカーにトラックに装甲車両だ。
3階建ての建物は司令部らしく、その脇に2階建ての兵舎が並んでいた。
既に多くの兵士達が戦闘車両に乗り込んでいて武装兵士達も兵舎の前に整列していた。
そんな場所にいきなり現れた巨大なゴム長姿の女子高生。
両ひざに手を置いて少ししゃがみ込む姿勢になって彼らを覗き込む。
相変わらずヘラヘラした笑い顔で見下ろす彼女。
するといきなり十数名のドイツ兵がマシンガンで彼女の顔目掛けて発砲し始めた。
“トトトトトトトッ!”
「キャッ!」(律代)
「ナニすんのよ!」
わたし達の耳には彼らの発砲音も微かにかわいらしく聞こえる。
そんな雑音が彼女を想像以上にイラつかせていた。
「コノッ!」(律代)
“ヴァシュッ!”
いきなり右手の平で兵士の一団をはたき潰す彼女。
どす黒く汚れた白い彼女のゴム手袋が十数名の兵士を叩き殺し。
後には綺麗なJKの手形が残されていた。
「やったね!」(律代)
「まだ分かんねぇのかな、こいつら。」
「わたし達の力。」
“ペッ!”
“ペッ!”
“カッカァ~~、ぺッ!”
残りの兵士達に向かってツバを吐き掛ける彼女。
16歳の高校生の女子唾が彼らを襲う。
たっぷりと女子唾シャワーを吐き掛けた後は、口元を目いっぱい近づけて唾臭のする女子息を吐き掛ける律代。
「ハァ~、ハァ~!」(律代)
「うわっ、なんかツ~ンと臭~い!」
そう言いながら今度は右手の平を滑らせながら唾まみれになった兵士達をなすり潰し始めた。
ゴム手袋に付着した泥と彼女のネットリとした唾が糸を引きながらドイツ兵達を地面にこすり付けていく。
「もうぐっちゃぐちゃァ!」(律代)
「マジでヤバ~い!」
「ほらっ、逃げんじゃねえよ!」
ひとまずこの場から移動しようとエンジンを掛けていた各車両が一斉に発車しようとした事に気付いた彼女。
それを阻止すべく戦闘のワーゲンとサイドカーを鷲掴みにしてに握り潰した。
ペチャンコになった残骸と遺体をその場に投げ捨てると、今度は後方のトラック部隊に襲い掛かる彼女の巨大なゴム手袋。
1台、また1台と乗車済みの兵士諸共握り潰していく。
「なんか、握力測定みたい。」(律代)
「それにしても、もろ過ぎ!」
「こいつ等。」
「こんなんじゃ、全然物足りないわ!」
不敵に笑いながら獲物を追いかける白いゴム手袋の主だった。
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