第246話・お楽しみの時間だよ!
〝バババババババババババッ!〟
いきなり乱射し始める彼女。
しかも非常に正確な射撃で次々と衛兵達を薙ぎ倒していく。
「やったね〜!」(律代)
両手の細く長い人差し指が左右2丁づつのシュマイザー機関銃の引き金を引き続けている。
普通の女の子なら反動でぐらつく所だが、そこはトリップパワーのデッカい女子高生である。
ブレることもなく奴等を片付けていく。
こちらに向かって来た衛兵は全部で12名。
バタバタと倒されて累々と転がっている。
「さあ、これからが本番よ!」(律代)
よく見れば、彼女にたった今撃ち倒された兵士達は全員まだ息があった。
〝えっ、ワザとなの!〟
そう思ったわたしだったが、すぐにその理由が判明した。
大柄な体でのっしのっしと歩いていく彼女。
追加の兵士が出て来る気配はまだ無かった。
どうする気なんだろう?
そう思った瞬間だった。
「コノヤロ〜!」(律代)
〝パコ〜ン!〟
乾いた音が響き渡る。
右脚を高々と振り上げると、彼女のつま先のはるか彼方に吹っ飛んだヘルメットが舞い上がっている。
蹴られた兵士はむろんあごの骨が砕け散り頭部が変形して崩れ落ちた。
「いっちょ上がり!」(律代)
「イエ〜イ!」
まずは1人抹殺して親指を突き立てるJK。
〝グシュッ?〟
その隣の兵士は顔をもろに踏み潰された。
どす黒い血で汚れる彼女の白いゴム長靴。
踏み殺した男の制服にワクマスをなすり付けて汚れを拭う。
「ヤダァ、汚れちゃったじゃん。」(律代)
実は彼女、この至福の時間を楽しむ為に敵の足を狙って銃弾を撃ち込んでいたのだった。
「お次は誰?」(律代)
そう言うと、薄ら笑いを浮かべながら隣の男に目を付ける。
「オマエかよ?」(律代)
「動くなよ!」
「ホラッ!」
“ジュリッ!”
男の顔面に押し付けたゴム長靴を勢いをつけて手前に滑らせた。
泥にまみれたゴム長の、ガッチリと彫り込まれた幾何学模様の靴底が彼の顔を削り潰した。
「ウぅ~!!」(兵士)
「うっせぇ~んだよ!」(律代)
「コラッ!」
“ヴァコッ!”
イライラした彼女は苦しむ男の頭の側面を蹴り付けた。
彼の首は激しく折れ曲がりすぐに絶命した。
「お次は?」(律代)
「もうやめなさいよ!」(わたし)
「可哀想でしょ。」
「あらっ、いいじゃないですか。」(律代)
「このくらい。」
「いくら殺してもわたし達、不死身だし。」
「あっ、ごめんなさ~い!」
「わたしったらァ、」
「これって、リアルでしたよね?」
「うわァ~、」
「またやっちゃったわ。」
「ホント、ごめんなさい!」
やっぱりまだ子供だから、白昼夢とごっちゃになっていた。
やりたい放題のJK律代。
「ってか、もう殺しませんからァ。」(律代)
「でも、わたしちょっとだけ試してみたくって、」
「律子さんのワザ?」
「あの、ツバ息責めでしたっけ?」
笑いながら楽しそうに次の標的に跨る彼女。
そのまま馬乗りなって男のヘルメットを少し乱暴に剥ぎ取った。
「あらっ、可愛い顔してるのね。」(律代)
今度の標的になった兵士はまだ若く20歳そこそこのブロンドヘアに青い目をした男の子だった。
「ちょっと、わたしの好みかも?」(律代)
「ちょっと、恥ずかしいけどォ、」
「いっちゃいま~す。」
「ぷっ。」
彼の鼻っ先に白く濁ったツバの塊をポトリと吐き掛けた。
彼の端正な顔の両目の辺りが律代のツバで完全にコーティングされた。
顔をしかめる彼。
「ったく、嫌な顔しないでよねぇ。」(律代)
「わたし、女子高生なんですけど。」
「君にメイクしてあげるわ。」
「ふふふっ。」
笑いながら右手の平を押し付けて自分のツバをなすり広げる彼女。
「ぷっ!」
「ぺっ!」
追加でツバを吐き出す律代。
デカすぎ女子の大量のツバが男の顔に塗りたくられていく。
もう彼の顔面は律代のツバでベトベトの状態である。
「準備はい~い?」(律代)
「それ~。」
「ふぅ~、ふぅ~、ふぅ~~!」
「ハァ~、ハァ~、ハァ~!」
「ウワッ、めっちゃくっさ~い!」
「鼻が曲がりそう。」
「わたしのツバ、ヤバすぎ~!」
ツバでぬるぬるの顔面に散々息を吹き掛けて楽しむ彼女。
ツバはあっという間に乾き、彼女の口臭と乾いたツバの臭いが混じりあって強烈な悪臭を放っているようだった。
思わず顔を背けて律代の口元から逃れようとする彼。
「ナニやってんのよォ!」(律代)
「わたしのツバと息って、」
「そんなに臭いかよォ?」
「舐めてんじゃねぇよ!」
「ホラッ、もっといたぶって欲しいのかよ?」
「ぷっ、ぷっ、ぷっ!」
「カッ、カァ~~、っぺ!」
「ペッ、ぺッ!」
「オラオラオラァ~!」
口に溜めたツバを一気に吐き掛けると両手で顔を揉みくちゃにする彼女。
どす黒く汚れた彼女のゴム手袋もツバで濡れて糸を引いている。
本当に嫌そうな顔をしているこの若い兵士。
まあそれでも死ぬよりはマシと我慢しているようだったが・・。
「ホント、ムカつく!」(律代)
「そりゃァ~!」
“バシュッ!”
よっぽど頭にきたのか、右こぶしで彼の鼻目掛けてパンチを見舞った彼女。
薄汚れた白いゴム手袋が彼の鮮血で染まった。
ゆっくりと拳を引き抜くと彼のイケてる顔は凄まじいくらいに陥没してグチャリと潰れていた。
「アラッ、ごめ~ん!」(律代)
「わたしったら、またやっちゃったァ!」
ペトリと舌を出してはにかむ彼女だった。
次回の更新は11月17日(0:00)になります。