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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第222話・必然のトリップ

 一旦部屋に入ったわたしはこれからの事に思いを巡らせた。


“先生はきっとすぐにでもトリップするようにって言ってくるんだろうな。”


不用意にトリップして、あちらの世界に行くことに躊躇うわたし。

でも扉の内側で妹鏡を見つけたら、そのまま戻ってくれば・・。

そんな風に考えながら、今回の事を切り抜けられたらと決心した。

でも、いずれにしても『力』を手に入れてあちらの世界で現政権を転覆させなければ、という思いが頭をよぎる。

このままリナ・フィッシャーの言う通りにしていいのか?

何だか、あのオンナにも裏がありそうな気がしてならなかった。

まあ、それはあらためて考える事にして今は次のトリップの事だけに専念すれば、ただそれだけだった。

自室でしばしの間くつろいでいたわたしは階下のレストランに向かった。

2階のレストランに行ってみると先生がすでにわたしの事を待っていた。


「お疲れ様、コースを注文しておいたわ。」(里美)

「食欲ある?」

「あんなものを見た後だしね・・。」


「大丈夫です、先生。」(わたし)

「わたし、意外と強いので。」


不思議と食欲だけはあった。

むしろ片割れの鏡がわたしの事を呼び寄せているような、そんな高揚感がひしひしと感じられていた。

暫くすると、高級な中華料理が次々と運ばれてきた。

とてもいい香りにすっかり落ち着くわたし。


「さあ、召し上がれ。」(里美)

「とにかく、食べて精を付けましょう。」


食事を始めて少したってから、先生が切り出そうとしているのが分かった。


「わたし、行きます。」(わたし)

「とにかく、行ってみなくちゃ始まらないし。」

「何か、感じるんですわたし。」

「何かに、呼ばれているような・・。」


「あなたの決心は固いようね。」(里美)

「あなたの心配事は分かってるんだから。」


「えっ?」(わたし)

「わたしの心配事ですか?」


「とぼけなくてもいいのよ。」(里美)

「わたしの事、暴れたい破壊の女神って思ってるんでしょ?」

「大丈夫だってばァ。」


「そんな・・。」(わたし)

「全然思ってないですよ!」


でもわたしの心を見透かされていたみたい。

わたしは単純な女だから、先生が一緒について来て暴れたいって言いださないかと心配していたのは事実だった。


「正直、わたしって職業柄普段は清楚系だけど、」(里美)

「あなたも知っての通り、Sな部分は否定しません。」

「でも、今回はあなたの事を遠くから見守っている事にするわ。」

「なまじっか、わたしがいるとついて行きたくなっちゃうしね。」


「す、すみません・・。」(わたし)


わたしは苦笑いするしかなかった。


「近々、あなた1人でひっそりとこのミッションを遂行してくるのよ。」(里美)

「そして、まずわたしに結果を教えてちょうだい。」


「はい、分かりました。」(わたし)


やれやれ、先生にすっかりわたしの懸念を見抜かれていたみたいだった。

でもさすがに知的な大人の女性である。

そして少しSな部分もあって魅惑的な美魔女の里美さん。

わたしはすっかり彼女に惹かれてしまっていた。

食事を終えたわたし達は、日本に戻る準備をしなければならないので部屋に戻る事にした。

先生と知り合ってから海外に飛ぶ機会も増えて、わたし的には得した気分だった。

それにいつも先生の全額負担だったから、何だか悪いような気がしていた。

そんな事もあってか、わたしは先生の期待に応えたい気持ちが日に日に増幅しているのを感じていた。


日本に戻ってきたわたし達。

先生は大学に戻って研究続行である。

わたしはすっかり長期休暇状態になっていたパートの仕事を久しぶりに再開しようと思っていた。

いつも先生のおごりだったけれど、わたしだってアラサーオンナだから、自分の生活費くらいは稼がないといけない。

次のトリップの事をイメージしながら職場に復帰したわたし。

食品会社のパート仲間達は以前と変わらずだった。


「あらっ、律子じゃない!」(パート仲間の由紀恵)

「どうしてたの?しばらくぶりだけど。」


「ちょっと、実家に帰ってたんです。」(わたし)

「母の腰痛が悪化しちゃって、」

「わたしが家事手伝いで戻ってたんです。」


「そうだったの、それは大変だったわね。」(由紀恵)

「こっちは相変わらずよ。」

「いつもの単調な仕事と係長のイヤミ&セクハラかな。」


「あのオヤジまだいたんだ?」(わたし)

「ホント、キモいよねぇ。」


「そう言えばあなたがいない間に新しい若い子が入ったのよ。」(由紀恵)

「え~っと、律代ちゃんだったっけ・・。」

「あなたと字が同じだから、なんかすぐ覚えちゃってさ。」


「いくつ位の子?」(わたし)


「確か、16歳だったっかな。」(由紀恵)

「高校生よ、バイトだって。」

「結構まじめな子だから、あなたも気に入るかも。」


「こんにちは!」(律代)

「わたし、新人の律代です。」

「宜しくお願いします。」


いきなり現れたのは、初々しい16歳の女子高生だった。

顔立ちは女優の中越典子に似ていたが、身長は175cmと長身だった。

でも屈託のない笑顔でわたしに微笑みかけてきた。

わたしもちょっと惹かれそうなキャラのJKである。


次回の更新は6月2日(0:00)になります。

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