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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
220/278

第220話・妹鏡はどこに消えた?

 「もしかしたら、扉の向こう側にあるのかもって、」(わたし)

「思うんですけど・・。」


「えっ?どういう事なの?」(里美)


「わたし達、単純にでっかい手鏡が現場にあるって思ってたんですけど、」(わたし)

「この不思議な力の“みなもと”ですから、なんか違うような気がしてきたんですよ。」


「あぁ、それはわたしも考えなかったわ。」(里美)

「でも、どんなメカニズムが働いているのかしら?」


「もしかして、リリアの崩壊した肉体と一緒に鏡もあの扉に吸い込まれてしまった、」(わたし)

「・・なんて事ないですかね?」


「もしそうなら、それを確かめられるのはあなただけよ。」(里美)

「トリップするつもりであの扉を呼び出して探してみる価値はありそうね。」


なんだか、トリップを激しく望んでいるような口ぶりの先生。

わたしがあまりにも破壊と殺戮に否定的な考え方になってしまったから、先生も煽るような事は言えなくなったのかもしれない。

でも彼女があの爽快な不思議体験を再び試してみたい衝動に駆られているのは確かだった。

そんな彼女にくぎを刺さなければと感じたわたし。


「でも、わたしはもう向こうの世界で暴れたりは、」(わたし)

「・・したくありません。」


「そうよねえ、あなたの気持ちはよく分かってるわ。」(里美)

「でも、とりあえず試してみない?」

「仮に呪文で扉を呼び出したとしてもよ、」

「あっちの世界に行く必要はないんでしょ?」


「それはわたしも試した事がありません。」(わたし)

「扉の向こうに行って、そのまま引き返してくる事ってできるのかしら?」

「それができるのなら、わたしも確認しに行きたいです。」


「それじゃあ、決まりね。」(里美)

「早速、作戦を立てなくちゃ。」


わたし達がそんな話をしていたら、リンファが車で迎えに来ていた。


「先生、今度はブーツのある下半身のエリアに行くんですよね?」(リンファ)


「その必要は無くなったみたいなの。」(里美)

「とりあえず、一旦戻ろうと思ってるの。」


「先生、わたし下半身のエリアもちょっとだけ見てみたいです。」(わたし)


今度は単なる興味本位だったが、こんな機会は二度と巡ってこない。

巨大オンナが暴れる原動力になっている下半身、特にロングブーツを履いた足の部分を間近で見てみたい気がしていたわたし。


「どうします?」(リンファ)


「そうね、慌てる旅じゃないから、」(里美)

「巨大ブーツでも鑑賞しに行こうかしらね。」


トリップの話になってから妙に嬉しそうな先生。

普段絶対に見せない彼女のSな性格が垣間見えた気がした。


「それではわたしの車に乗ってください。」(リンファ)

「ご案内致します。」


わたし達は彼女の運転する車に乗って200m程移動する事になった。

上半身のエリアから一旦離れて、通行可能な地面を走る政府専用車。

リリアによって踏み殺された人々の無数の遺体が人民軍の兵士達によって運び出されていた。

辺りには死臭が充満し、巨大化の後始末が如何に大変な事かを実感させられた。


“単なる白昼夢だなんて、言ってられないわね。”


そんな風に実感しているわたしだったが、先生は全くお構いなしに頭の中でトリップ作戦の事を妄想しているようだった。

しばらく車を走らせていたリンファがスピードを落として薄暗い天幕の下に入った所で停車した。


「こちらになります。」(リンファ)

「こちらはわたしがご案内致しますね。」


車を降りたわたし達は頭上に直径が90m近くもある巨大な円柱形の物体がある事に驚かされた。

横っ倒しになっている円柱はこげ茶色で内側にファスナーが付いているのが見える。


「さすがに巨大オンナのブーツって凄い迫力ですね。」(わたし)


「ホントよねえ、こんなもので踏み付けられたらって思うとゾッとするわね。」(里美)


「この辺はオシッコの臭いと革の臭いが入り混じってますね。」(わたし)

「それに汗臭さも相変わらずですけど・・。」


「とにかく巨大オンナの体臭と体液臭って事だもの。」(里美)

「もういい加減慣れてきたけど・・。」


わたし達はちょうどジーパンをブーツの筒先にインしている辺りに居た。

やはりブーツの筒に何かが差し込まれている風ではなかった。


「それにしても、近くで見るとヤバいくらいに汚れてて表面がひび割れしてますね。」(わたし)


ブーツの革製の表面は粉塵で白っぽく汚れていて、所々油汚れのようなどす黒いシミが付着していた。

わたし達は筒の先端から靴底の方に向かって歩いている。

ドッシリと鎮座したままの巨大なロングブーツ。

50m程向こう側にも同様の大きさのロングブーツがジーパンをインしたまま転がっていた。

汚れたブーツの筒の部分を見ながら歩いているとその汚れ具合が徐々に酷くなっているのが分かった。


「先生、この辺りからひどく汚れてますね。」(わたし)


「それもそのはずよ。」(里美)

「この巨大なロングブーツで町中をぶっ壊して歩いていたんだから。」

「建物を蹴り付けたり踏み潰したりしていた大元の部分をこれから拝めるわね。」


やっとの事で巨大オンナが履いていたロングブーツのソールの部分までやって来たわたし達。

ブーツの底面を見た瞬間、わたし達は絶句してしまった。


次回の更新は5月12日(0:00)になります。


読者の皆様へ

第220話の掲載日を私のミスで5月12日に設定してしまってました。

お詫び申し上げます。


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