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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第199話・過去を修正するだなんて・・

 「あなた達、わたしと彼女と2人っきりにしてくれる?」(リリア)


「えっ? わたし達は・・」(由美)

「どうすれば・・。」


「いいから消えなさいよ!」(リリア)

「これから大事な話をするんだから。」

「いいこと、わかった!」


「は、はい・・。」(由美)


イライラしながらレディース達に怒鳴りつけるリリア。

由美は戸惑いながらも他のレディース達と煙のくすぶり続ける本部ビルの方に退散していく。


「律子、あそこで話さない?」(リリア)


彼女の指さす方に黒塗りのセダンが停まっていた。

きっと警察幹部用に用意された公用車なのだろう。

中には誰もいなかったから、わたし達は足早に車の所に走っていった。

ドアは開けて後部座席に乗り込むリリア。

わたしのことも手招きしながら反対側のドアを開けてくれる。

妙に優しい彼女の振る舞いに戸惑うわたし。


「あなた、わたしの事、」(わたし)

「思いっきりぶん殴りたいんじゃないのかしら?」

「それとも、どういう風の吹き回し?」


「確かに、わたし、あなたにかなりイライラしてたわ。」(リリア)

「だから無関係な人達に八つ当たりして酷い事もした。」

「それは認めるわ。」

「でも、それもこれもみんな世界平和の為なんだから。」

「わたしの話も少しは聞いてほしいわ。」

「わたしの望みはさっき言った通りよ。」

「こちらの世界とわたしの世界から戦争や殺し合いを無くしたいだけなの。」

「あなたとわたしでそれが実現できるのよ!」


「でもあなたとわたしであんなにたくさん殺してきた過去はどうするのよ?」(わたし)


「過去?」(リリア)

「わたし達はその過去を修正できるのよ。」

「さっきわたしが惨殺した4人の人達、」

「彼らだって殺されなかった事に修正できるんだから。」


確かに彼女の言う通りかもしれない。

絶大な力を発動させれば、過去に戻って修正することができるって。

確かそんな力があるって言われたような気がする。


「え~っと。」(わたし)

「じゃあ、わたしが踏み殺してきたあなたの世界の人達も、」

「みんな生き返るってことなの?」


「生き返るっていうよりは、無かった事になるっていうか、」(リリア)

「わたし達はそれが実行できるのよ。」


「リリア!それ、本当なの?」(わたし)

「わたしが最初に大暴れしたあの町で、」

「わたしが踏み殺したナチスの兵士達もみんな?」


「確かにそういう事になるわね。」(リリア)

「っていうかァ、」

「ナチスそのものを消すっていうか。」


「ナニ言ってるのよ?」(わたし)

「ナチスを消すだなんて。」


彼女の言う通り1920年代に行って、わたしがヒトラーを踏み殺せば、

その後の第二次世界大戦は起こらないかもしれない。

でもそうなると歴史が大きく変わる事になる。


「ホントにそんな事ができるのかしら?」(わたし)

「わたし達みたいな女子が世界大戦を止めるだなんて・・。」

「でも、1920年代にトリップしたら、」

「わたしは身長600m以上の巨大オンナよ。」

「ちょっと歩いただけで、町を踏み砕いちゃうわ。」

「わたし、そんな事したくないっていうか・・。」


「大丈夫!」(リリア)

「2つの鏡を結合させると大きさも自由にコントロールできるのよ。」

「わたしが新宿を襲った後であなたに会いに行った時の事覚えてる?」


「そうだわ、喫茶店で大喧嘩したわね、わたし達。」(わたし)

「あらっ、絶大な力ってあなたもう使ってるじゃない。」

「どういう事なのよ?」


「わたしはやってはいけない事をやってるの。」(リリア)

「本当は使ってはいけないパワーを使ってしまってるのよ。」

「あなたの姉鏡の呪文とわたしの鏡の呪文とを唱えると、」

「封印されているパワーが一時的に発動するの。」

「でも、わたし・・。」

「わたしには時間が無いのかもしれない。」

「本当はマスターが時空の扉を開けて自在に大きさを変えて、」

「でも、わたしはマスターじゃないから・・。」


「それって、わたしの役目って事なのね?」(わたし)

「あなたじゃなくて、わたし!」

「時間が無いって、どういう事なの?」


わたしが一番知りたい事を彼女は知っているのかもしれない。

わたしは内心ドキドキしながら彼女の反応を見守った。


「6っていう数字が鍵になるって事は分かってるのよ。」(リリア)

「わたしの父が亡くなる直前に研究所で教えてくれたの。」

「でも、それが何なのか分からない!」

「でも、マスターじゃないわたしがこの力を使うと、」

「とても恐ろしい災いがわたしに降りかかるって・・。」

「その事は解っていたわ。」


「あなたはそれを理解した上で発動させたの?」(わたし)

「単に、こちらの世界で暴れたかったから?」


「そんなんじゃないわ!」(リリア)

「あなたに会いたかったのよ。」

「でも、あの時のわたしは・・。」

「素直じゃなかったし、」

「確かに絶大な巨大化のパワーを試してみたい衝動に駆られて・・。」

「暴れてすっきりしたかったのかも・・。」

「ホント、ごめんなさい!」


こんな表情の彼女を見た事がなかったわたしは正直すぐに反応できない位に驚いていた。


次回の更新は11月21日(0:00)になります。

(事情により2日の遅延になります)

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