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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第191話・由美達の計画とは

 「ゲルマニアの軍人達は、もはや国同士の戦争が無いのなら、」(由美)

「西側諸国と組んで、対テロ対策にシフトしたい思惑があるようなんです。」

「今のわたし達の世界では全世界に危険なテロ組織が相当数あって、」

「例えばアメリカでは日々爆破事件や殺傷事件が起こっているんです。」


「それは宗教的な組織なの?」(わたし)


「昔からのキリスト教とイスラム教の争いだったり、」(由美)

「新興宗教のカルト教団だったり、いろいろです。」


「対テロ戦争なら局地的な戦闘になるので核兵器なんかは使いませんし、」

「それでいて高性能で高額な兵器が多数使われますから、」

「戦争ビジネスとしてはかなり利益になるような環境なんです。」


「シュタイナーはそういう事に興味はないのかしら?。」(わたし)


「彼はとにかく独裁体制の維持を第一に考えていますから、」(由美)

「考え方が古いんですよ。」

「ヨーロッパを支配するとか、」

「アジア・アフリカ諸国の人達を奴隷にするとか、」

「時代錯誤なんです。」


「あなたの言う通りだわ。」(わたし)

「わたしもそう思うわ。」

「それに今のわたし達の世界も同じような感じなのよ。」

「国同士の戦争なんてあまり想像できないし、」

「むしろ国際テロ組織との闘いが日々繰り返されているみたいなの。」


「そうだったんですか。」(由美)


「それで、あなた達の計画って?」(わたし)


「そうでした。」(由美)

「わたし達の計画はとにかくエルンスト・シュタイナーを抹殺する事!」

「この一択なんです。」

「それに彼を取り巻く親衛隊や第1師団の連中、」

「彼らを根こそぎ始末しなければならないんです。」


「もしかして、わたしが?」(わたし)

「巨大なわたしがそいつらと闘うって事なの?」


「ずばり、その通りです。」(由美)

「軍の高官を多数引き入れたとはいえ、」

「帝都市内で大規模な内戦を起こす事はできませんし、」

「もちろん核兵器を使うなんて論外ですし、」

「160mの巨大な律子さんが総統官邸ごと奴らを踏みにじってくれさえすれば、」

「全て解決するんですよ。」


「えぇ~!、わたしがァ?」(わたし)

「でも街中で暴れるって事なんでしょ?」

「また大勢の犠牲者が出るわよ。」

「わたし的には、ちょっと・・。」


「もちろん一般住民の避難は事前に行うつもりです。」(由美)

「それに総統官邸周辺は軍や国の建物ばかりですから、」

「少しくらい暴れても大丈夫なんです。」

「むしろシュタイナー陣営の奴らを全滅させてほしいんですから。」


「シュタイナー陣営って何人くらいいるのよ?」(わたし)


「だいたい2万人位です。」(由美)


「そんなにいるの?」(わたし)

「わたし、また殺戮を繰り返すだなんて・・、」

「ちょっと気持ちが萎えてしまいそうだわ。」


「そうですよね。」(由美)

「こんな風に無残な遺体をたくさん見たら、」

「嫌ですよね。」


「でも何か力になれたらって気持ちもあるのよ、わたしだって。」(わたし)


「ホントですか!」(由美)

「じゃあ、綿密な計画を立てて、」

「できるだけ人的被害が少なくなるようにしなければいけませんね。」

「よく分かりました。」


「でも少しくらいの犠牲は出ても仕方ないわね。」(わたし)

「わたしも、今回は本当に正義の為に闘う事になるのかもしれないから。」


“あまりにも突拍子もない話の展開についていけないわたし”

“でも内心では最後に思いっきりひと暴れしたい気持ちもあるのかも・・。”

“だいたいわたしが暴れて死ぬのは腐ったナチの奴らみたいだし。”


「いいわ、その話乗った!」(わたし)

「わたしにできる事なら何でもするわ。」


「本当ですか!」(由美)

「ありがとうございます!」

「これでわたし達の計画も一挙に進みそうです。」

「実は、律子さんが承諾して下さると思って、」

「わたし達のグループで作製した計画書があるんです。」

「このSDカードに全てのデータが入っているんです。」


そういうと由美は右脚のブーツのファスナーを少し下げ筒革の内側の小さなポケットに差し込んであったSDカードをわたしに差し出した。


「この中にあなたの世界を変える計画が書かれているのね。」(わたし)

「なんだかわたし、責任重大かも。」

「でも今までのトリップと違って、気合が入りそうだわ。」

「この中に書かれた通りにすればいいのね?」


「そうです。」(由美)

「実は律子さんがさっき言っていたように、」

「わたし達の組織でもむやみに多くの人を殺す必要はないっていう結論に達していたんです。」

「だからこの計画書にも絶対の自信を持っているんです、わたし達。」


「もしこの中に書かれている事で何か疑問があったり、」(わたし)

「聞きたい事があった場合はどうするの?」


「それは無理なんです。」(由美)

「今、わたし達が会っている事さえ超極秘なんですから、」

「会うのは今日1回きりです。」

「とにかくこの中に書かれている通りにして頂かないと、」

「この計画は上手くいきません。」

「もし律子さんが、計画書を読んで、」

「やっぱりダメって思ったら。」

「わたし達はこの計画を諦めます。」


彼女達の決意はかなり固い、そう感じたわたしだった。


次回の更新は9月24日(0:00)になります。


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