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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第18話・ジーパンレディー里奈子登場!

 前回の襲撃からちょうど10日目になった。

今日はいよいよ後輩の里奈子を連れてトリップしなければ・・。

今、夕方6時頃なので、そろそろフロアの片付けと掃除が始まる頃だ。

わたし

「今日も一日終わりだね!」

里奈子

「そうですね、さっさと終わらせてあがりましょう!」

わたし

「この後、お茶でもしない?」

里奈子

「いいですねェ、行きましょう!」

普段おとなしい里奈子もわたしが話しかけると気さくに応えてくれる。

今夜は特に予定もなさそうだ。

❝これは、チャンス!❞

わたし達はいつものように愛用のゴム手袋をはめて清掃作業を始めた。

しばらくして、清掃作業も終わり、他のメンバーはロッカールームに引き上げ始めた。

そこで、わたしは里奈子に適当な事を言って引き止めた。

わたし

「ねえ、里奈ちゃん!地下の倉庫から持ってこなければならないものがあるから手伝ってくれる?」

里奈子

「いいですよ!でも何を持ってくるんですか?」

わたし

「さっき、お弁当用のケースを2箱持って来てって、所長に頼まれたの。」

里奈子

「わかりました。じゃあ、行きましょ!」

わたしがいきなり切り出したもんだから、彼女はゴム手袋をはめたままわたしの後をついて来る。

❝ウソ言ってごめんネ、里奈ちゃん!❞

心の中でそうつぶやきながら気持ちが高ぶり始めたわたしだった。

何も知らない彼女と一緒に歩いているだけでドキドキするわたし。

程なく地下2階の倉庫に到着したわたし達。

思い鉄扉を開けて中に入り手前の電気をつけた。

でも薄暗い室内。

わたし

「ちょっと、待っててね!」

そう言って彼女を入り口付近に待たせた状態でわたしは急いでポケットから例の手鏡を取り出して呪文を唱えた。

するといつものようにグリーンの閃光が走り扉が出現した。

下手に事情を説明するより強引に連れて行った方がインパクトがあって面白い。

里奈子の方を振り向くと彼女は呆然として立ち尽くしていた。

「わたしと一緒に来て!」

そう叫ぶとわたしは里奈子の手を引っ張って扉の中に入った。

そして❝一番大きなナチスの飛行場に行けますように!❞とイメージした。

「これって・・?」

そう里奈子がつぶやいた瞬間もう一つの扉を開けるわたし。

扉の向こうには青空が広がり一瞬だだっ広い空き地のような所に見えた。

「おいで!」と言って里奈子の手を取って向こうの世界に降り立つわたし達。

視線を足元からゆっくり正面に移すとそこは広大な飛行場だった。

わたし達が立っているのはちょうど長い滑走路の先端の部分らしい。

飛行場はおよそ30m四方に渡りわたし達の正面には管制塔やら格納庫といった施設が建ち並んでいる。そしてその両側には無数の航空機が並んでいた。

滑走路といってもいつもの軟弱な地面と変わりはなく扉から降り立った瞬間すでに“ズブッ”と2cmほど両足が沈み込んでいるわたし達。

里奈子

「ここって、どこなんですか?」

わたし

「ここは、小人の世界で~す!」

里奈子

「えェ~?ウソでしょっ!」

両手で口を押さえながら驚きの表情のまま固まってる彼女。

「倉庫に用事なんてウソ言ってごめんね、里奈ちゃん!」

「本当は、あなたをここに連れて来たかったの。」

「だって、小人の世界なんていっても信じないでしょ!」とわたし。

里奈子

「そりゃ、そうですけど・・。」

「でも、どうして小人の世界なんですか?」

疑問だらけの里奈子にわたしは今までのいきさつを手早く説明した。

「本当なんですか、その話って!」

再び口に手をやりながら彼女は信じられないといった表情でわたしの話に聴き入っていた。

「じゃあ、1時間後にはまた元の場所に戻れるんですよねェ?」と里奈子。

「そういう事なの、だからここではわたしの言う通りにしてね。」とわたし。

でもこの世界の武器がわたし達に効かない事だけは黙っていた。

少し怖い思いをさせれば、このおとなしい子でも絶対にムカついてくるに決まっている。

「まずは、この地面にできるだけ穴をたくさんあけて使えないようにするの!」

そういうとわたしは辺りを少し歩いて見せた。

❝ズブッ、ズブッ、ズブッ!❞

と面白いくらいに足跡が刻み込まれていく。

あっと言う間に辺り一面がわたしの靴跡でいっぱいになった。

「なんか、面白いくらいに軟らかい地面なんですね。」と里奈子。

今日の里奈子のスタイルは、いつも彼女が職場で履いているスキニータイプのブルージーンズにわたしと同じタイプの白いゴム長靴。

彼女のジーパンはわたしのジーパンより少し明るい青で膝やお尻のあたりはかなり色落ちしていてビンテージもののような渋さだ。

そしてゴム長靴はわたしのもの程汚れてはいないものの、つま先から甲のあたりにかけてうっすらと黒い汚れがついている。

長身の彼女は足が長く細身のジーンズにゴム長靴を履いていてもスタイリッシュでカッコいい。

そしてちょっと濃いめの青いシャツを着ていて、裾は全部外に出しっぱなしでおへそのあたりでキュッと結んでいる。

手には清掃用の自前の黄色いゴム手袋。

わたしのと同じタイプで34cmとちょっと長めでおしゃれな感じの婦人用ゴム手袋だ。

長靴と違ってこちらはかなり汚れていて手の平から甲にかけてかなり黒ずんでいた。

でもこの黄色いゴム手袋が青いシャツに非常によく合い映えまくっていてイイ感じだ。

身長170mの巨大ヒロイン・ジーパンレディー里奈子の誕生だ。

わたしの言うとおりゆっくりと歩き出した彼女だった。








 

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