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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第167話・どれだけ飛ばせるか、蹴っちゃえ!

 足元を全く気にする事もなく、むしろワザと乱暴に飛び跳ねたり踏み付けながら歩き回るアラフォー女達。

“ジュヴォ!”

“ジュヴォ!”

“ジュヴォ!”


奈穂子のヒール打ちが止まらない。

「なんか、病みつきになっちゃうよ~!」

「この感触。」


手当たり次第にナチスの戦車に太目のヒールを打ち付ける彼女。

これだけ巨大なオンナのブーツのカカトが天空から勢いよく襲い掛かってくるのだ。

巨大なヒールの裏に刻まれた波打ち模様が、踏み砕かれる者が最後に目にするものなのかもしれない。踏み潰す戦車がとにかくたくさん彼女の足元に並んでいるから止められない。


「わたしの一撃で何人位死んだかなあ?」


「戦車の背中に乗っている兵隊も合わせたら、10人位じゃないかしら。」(くーこ)


「じゃあ、わたしったらもう200人位踏み殺しちゃったかも・・。」

舌をペロリと出して微笑む奈穂子だった。

確かに彼女の足元には蹄鉄型のくぼみが無数にあって、潰れた戦車がペシャンコになって地面にめり込んでいた。

辺り一面には無数の潰れたドイツ兵の死体で埋め尽くされていた。


「なーこ、200人どころじゃないみたいよ。」(くーこ)

「4,500人は踏み殺してるよ。」

「わたしも負けてられないわ。」


「みんな、面白い事やらない!」(サット)

「え、なになに?」(りっつん)

「こうやって・・。」


ブーツのつま先で地面をえぐって堤防のような盛り土状態にする里美。

「それから、こうするのよ。」

盛り上がった土の上に足元の戦車を拾い上げては次々と並べていく彼女。

わたし達のサイズだと10cm位の盛り土だが、小人のサイズだと10mだから戦車は身動きが取れない状態でちょこんと堤防状の上に5輌程並んで乗せられている。


「それじゃあ、わたし、いっきま~す!」

「エ~イ!」

“パコッ!”

“パコッ!”

“パコッ!”

“パコッ!”

“パコッ!”

乾いた音が響き渡る。

地面をほじくり返して汚れた里見のブーツのラウンドトゥが戦車を直撃した瞬間にバラバラに砕けて空高く舞い上がる。


「アラッ、ごめんなさい!」

「わたし、ちょっと強く蹴っちゃったかも。」


振り上げられた里美の美脚の破壊力を見せつけるのには十分だった。


「わたしも、わたしも!」(かーこ)


香代子も盛り土の上に拾い上げた戦車を3輌程乗せて更に足元にいた兵士を指で摘まみ上げては、戦車の背中にそっと乗せた。


「いいこと、動くんじゃないわよ!」

「そ~れっと!」

“パコーン!”

“パコーン!”

“パコーン!”


「やったね~!」

「わたしの方が飛んだかも。」


少し加減をしたせいか、見事なまでに砕け散る戦車。

先程無理矢理乗せられた兵士達も大空高く舞い上がる。

このアラフォーオンナ達の破壊力は凄まじく、踏み潰され、蹴り飛ばされてドイツ軍機甲師団は徐々にその数を減らしていく。

戦車蹴りを楽しむ里美や香代子とは別に小人達をいたぶり殺して楽しむ律江。


「ほらぁ、捕まえたぞ!」

そう言いながら、十数名の兵士を鷲掴みにして左手の平の上に乗せる律江。


「今から、とってもいい事をしてあげま~す!」

「何々?」(くーこ)

「わたし達、アラフォーオンナの口臭を味わってもらおうと思うの。」(りっつん)

「あ、それわたしもやりたい!」(なーこ)

律江の左手に顔を近づける奈穂子と久美子。


「じゃあ、まずはわたしから。」(なーこ)

「ハァ~!」

「ハァ~!」

生臭いアラフォーオンナの吐息が吹きかかると、小人達は一斉にむせ返る。


「何よ、コイツら!」

「わたしの息、そんなに臭いのかよ!」

いきり立つ奈穂子。


「じゃあ、今度はわたし。」(くーこ)

「ハァ~!」

久美子が息を吐きかけると、1人の小人がむせ返って咳き込み始めた。


「何なのよ、コイツ!」

「わたしの事、バカにしてんのかよ!」

「わたしの乙女心、傷ついちゃったじゃない!」

「こうしてやるは!」

そう言うと、久美子は右手の人差し指に“プッ”と唾を付けて、この兵士に押し付け始めた。


「ホラホラァ!」

「わたしの臭い、もっと味わいなさいよねえ!」

「ホラァ、いい臭いでしょ!」

ぐりぐりと唾まみれの指先を執拗に押し付ける久美子。


「アラッ、死んじゃった?」

手足がもぎ取れて潰れた死体となった小人を見て呆れ顔の久美子。


「今度はわたし。」(りっつん)

「ハァ~~!」

酸味がかった唾臭混じりの吐息が生き残った兵士達を包み込む。

どの兵士も両手で顔を覆っている。


「失礼な奴ら!」

「こうしてやる!」

怒り心頭の律江は左手をぎゅっと握りしめてそのまま左太もものジーパンに擦り付けた。

握り殺された兵士達の遺体がジーパン生地によって更に細かく裁断されてパラパラと地面に降り注ぐ。

「うふふっ!」

「わたし達をバカにすると、こうなるのよ。」(りっつん)

吐き捨てるように言うと次なる獲物を物色し始める律江だった。


次話の発表は5月9日(日)0:00です。


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