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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第165話・いよいよわたし達の闘いが始まる!

 「わたし達、こう見えても身体能力は高いんですよ。」

「サットはバレーボールで全国大会だし、わたしは陸上部の高跳びの選手だったし。」(くーこ)


「わたしはバスケのレギュラーよ。」(かーこ)


「わたしは硬式テニスで県大会準優勝でした。」(なーこ)


「わたしは中学高校と体操やってました。」(りっつん)


「皆さん、スポーツも万能なんですね。」

「それに、とっても綺麗だし・・。」(わたし)


「そんなことないわよ、」

「わたし達、アラフォーのオバサンよ。」(サット)


「ところで、次はどんな作戦でいく?」(サット)


「そうですねえ、皆さんに少し現場に慣れてもらおうと思います。」

「なので、ナチスの大部隊と闘いつつ、」

「少し小振りな街も破壊する・・みたいな。」(わたし)


「うわァ、楽しそう!」(くーこ)


「少しこうして練習しなくちゃ。」(りっつん)

そう言いながら、右足で何度も蹴る仕草をする彼女。


「こんな風にですか?」(なーこ)

今度は床を踏みにじる仕草を繰り返す彼女。


「わたしもわたしもォ!」(かーこ)

彼女は派手に蹴ったり踏んずけたりしている。


「みんな、早く暴れたいのよ。」

「それに正義の為なら何でもする覚悟よ。」(サット)


「だって、わたし達、」

「正義の味方、凛輪ファイブですもの!」(くーこ)


「ねえ、こういうのどうかしら。」

「奴らを全員で取り囲んで、」

「みんなで“凛輪!凛輪!”てささやきながら追い詰めるの。」

「そして凛輪コールの後には想像を絶する破壊と殺戮・・みたいな。」

「へへッ!」(なーこ)


「それって、結構いい脅しになるかも。」(くーこ)


「じゃあ、作戦は今度の金曜の夜ということで、」

「いいわね!」(サット)


「はーい!」(全員)


今までとは全く違った雰囲気の彼女達。

美しいだけでなく、その大人の落ち着きと優雅さと、内に秘められた残酷さ。

今までのように、自分達のストレス発散の為の単発的なトリップではなくて、

あっちの世界を完全にぶっ壊すくらいの勢いで闘おうと、彼女達は覚悟を決めているようだった。

その総帥がマスターであるわたしなのだ。

もはやわたし自身がナチを相手に暴れるよりはドッシリと構えて、彼女達の破壊っぷりを堪能させてもらおうと思っていた。


トリップの当日、例の公園に集合するわたし達。

みなそれぞれがお気に入りの服装をしている。


サットはネイビー系スキニージーンズにかねまつのベージュのレインブーツ。

それにブルーとイエローのチェック柄のブラウスに白いエステーのファミリースタイリングローブのゴム手袋をはめていた。


くーこはブルー系のスキニージーンズに同じくかねまつのブラウンのレインブーツを履いていた。

彼女は赤に黄色いチェック柄のブラウスに黄色いスタイリンググローブをはめていた。


かーことりっつんはネイビー系の擦り切れ寸前のジーパンにかねまつのベージュのレインブーツを履き、

かーこはパープルとホワイトのチェック柄のブラウス、りっつんはオレンジとイエローのチェック柄のブラウスを着て手には共にホワイトのスタイリンググローブをはめていた。


最後になーこ。

彼女が一番破壊的な色合いを演出していた。

紺と濃い緑のチェック柄のブラウスに白いスタイリンググローブをはめ、

ネイビーブルーのスキニージーンズには何本ものヒゲが刻まれてその履き込んだ年月を物語っていた。

この汚れジーンズとの合わせがブロンズエタンのかねまつのレインブーツ。

ほんのりと茶色く光ったこのメタリックなロングブーツが破壊的な雰囲気を醸し出していた。


「わたし、黒にしようか茶色にしようか、迷ったんですけど、」

「結局、茶色にしちゃいました。」

「この色、わたしのジーパンにピッタリ合うでしょ?」(くーこ)


自分のブーツをマジマジと見ながらつぶやく彼女。


「準備はOKよ!」

「さあ、律子さん、」

「行きましょう!」(サット)


サットに促されて鏡を取り出して呪文を唱えるわたし。

幻想的なグリーンビームと共に扉が現れた。


「綺麗!」(かーこ)


皆がウットリする中、扉の中に入っていくわたし。

全員が後に続き扉を閉めた。

そして、次の扉を開ける前にイメージするわたし。

❝30年前の大軍事演習をやっている郊外の街に行けますように❞


扉を開けると、そこは晴れ渡った一面緑の広場だった。

ゆっくりと慎重に第一歩を踏み下ろすわたし。

いつものように❝ズブッ!❞と数センチ沈み込む。

そんな事を気にすることもなく降り立ったわたし。

その後に、サットをはじめ凛輪ファイブのメンバーが続いた。


「なんか、不思議な感触よねェ。」(くーこ)


「すっごく綺麗な芝生広場?」(かーこ)


「え? でも足跡がクッキリついちゃうよ。」(なーこ)


「ホントホント、わたし達が歩くとどす黒くなっちゃうわ。」(りっつん)


「なんか、いきなりこっちの世界をメチャクチャにしてるって感じ。」(かーこ)


「ちょっとォ、これなあに?」(くーこ)


自分達の目線でものを見ていたわたし達だったが、たったいま付けた無数の靴跡の向こうの方に、無数の小さな物体が並んでいるのが見えた。

そして

その物体の周囲にはウジャウジャと数えきれないくらいのものがうごめいていた。


「これって、もしかしてアレ?」(りっつん)


「そうよ、コイツらが今からわたし達が闘う相手、」

「ナチスの奴らよ。」(サット)


全員が身の引き締まる思いだっただろう。


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