第164話・わたし達の女子トークが止まらない!
偵察作戦が終了して一旦別れたわたし達。
後日、里美さんの友人達と落ち合うことにした。
約束の日、駅前の噴水広場で待ち合わせするわたし達。
早速、ジーパンにブーツインのアラフォー集団を発見した。
全員が履きこんだジーパンにエナメル系のレインブーツを履いていた。
それぞれがコートやジャケットを着ているが、足元はエナメルロングブーツインで決まっている。
「こんにちは!」
わたしが声を掛ける。
「こんにちは~!」(全員)
全員がこっちを向いた。
そしてわたしに向かって微笑みかけてくれる。
アラフォーなのに全然オバサンではない。
里美さんも美魔女だが他のメンバーも皆スラリとした美脚美人である。
「ここじゃ何だから、お店に入って自己紹介しましょ。」(里美)
すぐ近くのスペイン料理のお店に入っていく彼女達。
フリーターのわたしには縁遠いような雰囲気の高級レストランである。
さすがは準教授の里美とそのセレブな友人達である。
恐らくは、それなりのキャリアを持ったビジネスウーマンなのだろう。
その美しさと貴婦人のような雰囲気に圧倒されるわたし。
「わたし、藤森律子と申します。」
わたしの第一声に注目するメンバー達。
なんだか、物凄く緊張してしまう。
「あなたのことはサットから聞いているわ。」
「わたしは一ノ瀬久美子と申します。」
「“くーこ”って呼んでください。」
少し高身長の女性がわたしに優しく語り掛けてくれる。
「律子さん、そんなに緊張しないでいいのよ。」
「みんな、あなたのことはよく知ってるし、あなたのことを心から崇拝すらしてるんだから。」(里美)
「サット、そんなこと言ったら余計緊張しちゃうじゃない!」
「あ、わたしは清水香代子といいます。」
「“かーこ”でいいですよ。」
「よろしくね!」
「続きまして、わたしは小川奈穂子です。」
「“なーこ”って呼んでくださいね。」
「よろしく!」
「そしてわたしは浅間律江と申します。」
「“りっつん”です。」
「わたし達と一緒に闘いましょ!」
「わたし達、アラフォー戦隊・凛輪ファイブと申しま~す!」(全員)
全員がまさしく美魔女である。
リーダーは桐越里美、モデルの田波亮子似の41歳、身長168cm、愛称サット。
2番手は一ノ瀬久美子、モデルの宮田綾子似の40歳、身長175cm、愛称くーこ。
3番手は清水香代子、アラフォーモデルのシバ似の40歳、身長163cm、愛称かーこ。
4番手は小川奈穂子、モデルの草柳祐有記似の38歳、身長161cm、愛称なーこ。
5番手は浅間律江、モデルの小泉里子似の37歳、身長169cm、愛称りっつん。
サットとかーこ、りっつんがベージュのレインブーツを履いている。
そしてくーこがブラックエナメルのブーツを、なーこがブロンズエタンのブーツを履いていた。
皆、色とりどりのチェック柄のブラウスを着ていて、ベルトのバックルのあたりでキュッとリボン風に結んでいる。
全員がチェック柄のブラウスにスキニー系のジーンズにエナメル系のレインブーツで統一されているのだが、それぞれが自分に合った色合いのコーデで着こなしを演出していた。
「それで、偵察作戦はどうでした?」(くーこ)
「ホントに楽しかった~!」(サット)
「サットさんの暴れっぷりは半端なかったかなぁ、なんて。」(わたし)
「マジですか?」
「もっと詳しく聞かせて下さいってばぁ。」(かーこ)
「まずは、あっちの世界ってどんな感じなんですか?」
「小人とかが、ウジャウジャって感じですかね?」(なーこ)
「ホント、その通り。」
「小人どもがウジャウジャって感じで、」
「ひと思いに“えい!”みたいな。アッハッハ!」(サット)
「マジで踏んじゃったんですか?」(りっつん)
「当然だわ。」
「わたし達に逆らうなんて、ホント許せないって感じかしら。」
「とにかく、あっちの世界に降り立った瞬間からが冒険の始まりなの。」
「予想していた以上の快楽を得られるっていうか・・。」
「マジでわたしは神様かよっ・・みたいな。」
「この感覚は行ってみないと理解できないかも。」(サット)
「うわぁ、わたしも体験してみたいなあ。」(くーこ)
「現場では軍隊の抵抗はあったんですか?」(かーこ)
「もちろん、あったわ。」
「でも彼らの武器はわたし達には全く効かないから、むしろ楽しんじゃったくらいだわ。」
「こんなにチビッチャい戦車をつま先で“えい!”・・みたいな。」
「なんか、紙くずでもふ踏んずけたみたいに“クシャッ”っていうか。」
「グリグリ!っていうか、」
「にじりつけると、ブーツが地面にめり込んでいく!っていうか、」
「今のわたしのひと踏みで、何人もの兵士の命を奪ってやった!っていうか、」
「とにかく。爽快感いっぱいになるのよ。」(サット)
全員がサットの言葉に食い入る様に耳を傾けている。
「基本的にわたし達はあっちの世界では無敵なんです。」
「だから次回のトリップでは皆さんがタップリとそれを体感できるはずです。」(わたし)
わたしが口を開くと全員がシーンとなった。
そうだ、わたしは鏡のマスターであり魔神鏡の女神なのだ。
ここにいる美魔女軍団を率いてナチの帝国に殴りこみを掛けるのはこのわたしなのだ。
そう思うと、だんだん気持ちが高揚してくるのを抑えられなくなるわたしだった。