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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
163/278

第163話・わたし達の偵察は終了、そして・・

 散々破壊と殺戮の限りを尽くした里美。


「ナチのみなさ~ん!」

「今日はわたし達、ご挨拶がてら来ました。」

「わたしも暴れ疲れたので、今日はこのくらいにしておきます。」

「でも次は本気で暴れるので覚悟して下さい。」

「ではでは~!」


破壊された街に向かって手を振る彼女。

ちょうど1時間が経過し時空の扉が現れた。


「さあ、戻りましょ!」


そういって扉に向かう里美だった。

見とれていたわたしも彼女に促されて扉に向かう。

グチャグチャになった足元を気にすることもなく、踏み残された車両を念入りに踏みにじりながら進むわたし。


なんか、彼女の勢いに圧倒されちゃったな・・。

と内心思いながら里美の後を追う。


元の世界に戻って来たわたし達。

とにかくわたしの部屋に一旦引き上げることにした。


「あの公園でいつもトリップするの?」(里美)


「そうなんです。」

「始めて呪文を唱えてトリップしたのがあの公園なんです。」

「あの時は、何気に手鏡の裏に刻んであるキリル文字を読んでみただけなんですけどね。」

「それが、あんな体験をすることになるなんて思ってもみませんでした。」(わたし)


「あなたも最初は戸惑ったでしょ?」

「だって、いきなり巨大化しちゃうんですもの。」(里美)


「ホント、夢だと思いましたよ。」

「最初は巨大化したなんて全然気づきませんでした。」

「でも街が見えてきて初めて異変に気づいたんです。」(わたし)


「律子さんは最初っから街で暴れたの?」

「もちろん、そうよねえ。」(里美)


「いいえ、わたしだっていきなり街を破壊したりはしませんでした。」

「どちらかと言うと、戸惑いながら友好的に振る舞おうとしてたんです。」

「でも、街の中に無理矢理入っていくと・・。」(わたし)


「奴らがやって来た、」

「でしょ?」(里美)


「そうなんです。」

「ドイツ軍がわたしを攻撃してきたんです。」

「最初は正直、怖かったんです。」

「だって、あんなにチッコイ戦車でも拳銃くらいの威力がるかもって思ったから。」(わたし)


「でも、そうじゃなかった。」

「あなたは痛みすら感じなかった。」

「それで、恐怖心から怒りへと変わっていったんでしょ?」(里美)


「その通りです。」

「わたし、もう無我夢中で暴れてしまって、」

「気づいたら、ナチの奴らは全滅してました。」

「街も少し壊しちゃったし。」

「それがわたしのトリップ初体験なんです。」

「でも今日の里美さんは、初トリップなのにあんなに落ち着いていて、」

「ビックリしました。」(わたし)


「今までいろいろと研究してきて、」

「いつかわたしも鏡を手に入れて、あっちの世界に行く事を夢見ていたから。」

「今日は偵察とはいえ、わたしの夢が叶ったから、」

「本当にあなたには感謝しているわ。」

「やっぱりあなたはマスターに相応しい。」(里美)


「マスターって、何ですか?」(わたし)


「あら、あなた知らなかったの?」

「この魔神鏡を始めて使った人間が鏡のマスターになるのよ。」

「そして、そのマスターだけが時空の案内人として扉を呼び出すことができるの。」

「もちろん、他の人があなたに同行することは可能なんだけど。」

「だからこの姉鏡のマスターはあなたで、妹鏡のマスターはリリアってことなの。」(里美)


「え~、そうなんですか?」

「そんなこと、全然知らなかった。」

「わたしがマスターだなんて・・。」

「ということは、わたしって魔神鏡の女神なんですか?」(わたし)


「だから、そうだって言ってるじゃない!」

「あなただけがリリア達を止める事ができるのよ。」

「その為には多少の犠牲は仕方がないけど、」

「あっちの世界に行って彼女達もろとも全てをぶっ壊すくらいの覚悟が必要だわ。」

「あなただって、いままで散々暴れてきたから解るわよね?」(里美)


「解ります、」

「でも目の前で破壊と殺戮の限りを尽くしたリリア達を見ていたら、同じことをする事に少し躊躇しちゃって・・。」

「でもわたし、やります!」(わたし)


彼女に諭されて何かが吹っ切れたわたしだった。


「そうよ、そうでなくっちゃ。」

「こうなると思って、わたしにも考えがあるの。」

「今まで、あなたとあなたのお友達で活躍してきたと思うけど、」

「今度は強力な助っ人を用意するわ。」

「わたしの研究の事をよく理解してくれて、いつもロマンを求めているわたしの友達。」

「肉体的にも精神的にもとっても強い4人のアラフォー女性達なの。」

「わたしを含めた5人のアラフォー戦士よ。」

「その名も凛輪ファイブって言います。」(里美)


「りんりんファイブですか?」(わたし)


「そう、わたし達、いつも凛として悪い奴らと闘う女の戦士なの。」

「凛としたわたし達が、悪党を輪になって取り囲んでやっつける。」

「だから凛輪ファイブなの。」(里美)


「へえェ~、」

「何かカッコ良さそうなチームですね。」

「その4人の方達に会いたいなあ。」(わたし)


「もちろん、そのつもりよ。」

「この偵察の前に全員に連絡済みなの。」

「彼女達もこのわたし達の偵察作戦の事を聞きたがってると思うわ。」

「早速近々、みんなで集まりましょう。」(里美)


予想外の展開だったが、期待に胸を膨らませるわたしだった。









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