第161話・わたしの凛唾をタップリ味わいなさい!
あっと言う間に飛来した空軍機の半数以上を撃墜した里美。
それでもまだ反撃の手を緩めない。
「わたし達を攻撃するなんて、本当に許せない!」
「これでも喰らいなさい!」(里美)
❝ジュヴォリン!❞
「それ~!」
今度は足元にあった高架道路を引き剥がすと上空に向かって投げ飛ばした。
細かいコンクリート片や鉄骨や道路上の車両がいっぺんに空中高く撒き散らされた。
❝ヴァシューン!❞
❝ヴォーン!❞
❝ヴォヴォーン!❞
上空を旋回していた攻撃機が次々と火を噴いて落ちていく。
「この~!」
❝パキーン!❞
❝シュパーン!❞
自分の目の前を煙を吹きながら墜落していく急降下爆撃機を思いっきり蹴り上げる彼女。
ベージュのレインブーツのソールが墜落機を木っ端微塵にした。
「マジでサイコーだわ!」
「もっとわたしが相手になってあげる!」(里美)
「里美さん、向こうからナチの部隊がやってきます!」(わたし)
「ホントだァ。」
「わたしに任せてェ!」(里美)
メインストリートを向こうの方からタイガー戦車を先頭に機甲部隊と歩兵部隊が隊列を組んで行進してくるのが見えた。
足元を気にすることなく部隊に向かって歩き出す彼女。
「どけどけ~!」
「わたし達ジーパンレディーのお通りよ!」(里美)
腰に手を当てて一歩一歩道路を車両諸共踏み抜きながら進む彼女。
❝ジュッシーン!❞
❝ジュッシーン!❞
❝ジュッシーン!❞
「アラフォー戦士のわたしサットがお相手するわ!」
「え~い、邪魔よ!」
❝ヴァシュ~!❞
先頭の戦車を右脚で軽くなぎ払った彼女。
一旦しゃがみ込むとその後ろを行軍してきたドイツ兵どもに手を掛けた。
街破壊の連続攻撃ですっかり黒ずんだ白いゴム手袋をはめた右手で、乱暴に兵士達を鷲掴みにする。
そして捕まえた兵士達を左手の平の上に載せ始めた。
逃げ惑うドイツ兵達を舌なめずりしながら摘まみ上げては左手の上に放り投げる彼女。
瞬く間に30名程のドイツ兵達が彼女の捕虜になった。
彼らはすっかり観念し武器を捨てて両手をあげている。
「わたし、降伏なんて認めませんから!」
「でも、殺す前にいいものをあげる。」
「ふゥ~!」
手の平の上の兵士達に向かってゆっくりと息を吹き掛ける彼女。
生臭い大人女子の息が吹き掛かり、すっかりおびえた表情の彼ら。
そして口元をモゴモゴさせ始める里美。
すると今度はいきなりアヒル口になった彼女。
「ぷっぷっぷっぷっ!」
「ぷっぷっぷっぷっ!」
「ぷっ~!」
兵士達に向かっていきなり泡状にシェークされた唾を吹き掛け始めた。
「もう一発!」
「プップップップップッ!」
「プップップップップッ!」
「プッ~!」
「ぺッ!」
2度目の唾責めは更に高速飛沫化し、唾混じりの強烈な息によって5~6名の兵士が手の平から吹き飛ばされた。
「仕上げにわたしの女子息を召し上がれ!」
「ハァ~!」
「ハァ~!」
「ハァ~!」
雨のように降り注いだ里美の唾は一瞬で乾き始め、強烈なニオイとなって彼らを包み込んだ。
「わたし達、アラフォー女子は苦労してるの。」
「だからその分、唾も息もそれなりにキツイ臭いなんだから。」
「ネットリとした痰唾よりも、」
「こうしてシェークされた液状の唾が乾いた方が、ニオイも強烈なの。」
「凛としたわたしのツバ。」
「わたしの凛唾の味とニオイをたっぷり味わいなさい!」
里美の凛唾を大量に喰らってへたり込むドイツ兵達。
彼らの顔や服に付着した凛唾のニオイが胸やけを引き起こし嘔吐を始める者が続出した。
「何なのよ!」
「わたしの凛唾がそんなにクサイのかよ!」
「あ~、気分ワル!」
「コァ~ッ、べッ!」
右手の平に薄茶色の痰唾の塊を吐き出した彼女、そのまま左手の平の兵士達に被せる様にゆっくり合わせると手を洗うようにこすり始めた。
手の上にいた兵士達はたまったものではない。
ドロドロの痰唾と凛唾にサンドされて、ゴム手袋の手の平同士で圧縮されてなすり潰された。
両腕を降ろした彼女の手から、凛唾と泥で汚れた兵士達の遺体が糸を引いて落ちていく。
「アラフォー女子の凛唾、」
「どうだったかしら?」
「ホラホラァ!」
「もっとわたしの凛唾、欲しいかよ?」
「プップップップップッ!」
「プップップップップッ!」
足元に展開していたドイツ兵どもに更なる凛唾の雨を降らせる彼女。
引っ掛かった唾きを手でこすり落そうとする兵士達を里美の靴底が襲う。
「ちゃんと味わえっつ~の!」
「わたしの凛唾!」
❝ズリズリ~!❞
❝ズリッ!ズリッ!❞
武器を置いて凛唾に悪戦苦闘する小人達を容赦なく磨り潰す彼女。
ひと踏みで数十人が地面にめり込んですり潰された。
「いいこと!今日は単なる挨拶がてらなんだから!」
「今度はわたしの仲間を大勢連れてくるから覚悟しなさいよ!」
「えい!」
❝ヴォコッ!❞
左手のビルにヒール落しを喰らわせると、瓦礫が降り注いで路上にいたドイツ兵やトラックが押し潰された。
その上をお構いなしに踏み付けながら歩き出す里美。
「あ~あ、もっと手応えのある奴出てこないかしら?」
「律子さん!」
「わたし達の相手ってこんなに弱いんだ。」
「これじゃ、全然物足りないかも!」
里美の着衣は確実に薄汚れて、ジーパンレディーとしての風格が出始めていた。
もう誰も彼女を止めることはできない。