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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第160話・わたし流りんりんりん!

 「は~い!」

「こんにちは!」

「わたしはジーパンブーツの里美で~す!」


いきなり里美が足元の小人たちに向かって叫び始めた。

わたし達は中央広場の噴水の前に立っていた。

足元にはウジャウジャと大勢の小人たちが立ちすくんでいる。


「あら、いやだ!」

「わたし達、ジーパンレディーって言うんですよ。」(わたし)


「アラ、ごめんなさい!」

「ジーパンレディーっていうのね。」

「それでは、あらためまして、」

「わたしはジーパンレディーの里美で~す!」(里美)


「わたしはジーパンレディーの律子と申しま~す!」(わたし)


「わたし達は正義の味方、闘う女の戦士なんで~す!」

「そしてわたしは、アラフォー戦士のオンナ!」

「こんなに巨大な体でお邪魔しま~す!」

「今からわたし達、」

「ここで思いっきり暴れます!」

「だから今すぐに避難してくださ~い!」

「抵抗しても無駄なんだから!」

「いくわよ!!」(里美)


「せ~のォ!」

「え~い!」

❝ジュッヴォーン!!❞


自己紹介が終わるといきなりジャンプした里美。

手前に建っていた10階建てのビル目掛けて飛び乗った。

彼女のレインブーツの靴底がビルの天井に触れた瞬間に凄まじい爆発が起きた。

両足を綺麗に揃えてビルを粉々に踏み砕いた彼女。

そのまま崩れ去ったビルの瓦礫をニジりつけながら着地すると再びジャンプした。


「エ~イ!!」

❝ドッヴォーン!!❞


今度は更に小ぶりな6階建てのビルを両足で踏み砕く。


「面白~い!」

「もっとやっちゃえ!」(里美)


「エ~~イ!」

❝ズッヴォーン!!❞


次々とビルに飛び乗っては踏み砕いて破壊する彼女。

その跳躍力は凄かった。

わたし達のサイズで40cmほどの10階建てのビルに対して70cm位はジャンプしていただろう。

里美の巨体がベルリンの街をズタズタにしていく。

広場に集まっていた群衆は、ビルの倒壊と里美が着地するのと同時に引き起こされる地割れに巻き込まれて全滅していた。


「わたし、学生時代はバレー部だったの。」

「だからジャンプには自信ありま~す!」(里美)


「里美さん、いきなり凄い攻撃力ですね。」(わたし)


「そうなの!」

「これって、わたし流“凛跳び”って言います。」

「この後は暴れ蹴りが続きま~す!」

「え~い!」

「それそれ~!」


❝ジュヴォッ!❞

❝ジュヴォッ!❞

❝ジュヴォッ!❞

❝ジュッヴォーン!❞


今度は林立するビル郡を両足で交互に蹴り始めた。

ピーンとブーツのつま先を突き刺すように蹴りつける彼女。

ピカピカに輝いていたベージュのレインブーツもこの暴れ蹴りですっかり黒ずんでいる。


「これはわたし流“凛蹴り”で~す!」

「そしてお次はァ!」

「そ~れっと。」


❝ズヴォッ!❞


「え~い!」


❝ヴォカーン!❞

❝パラパラパラパラ!❝


凛蹴りで散々ビル郡を蹴散らした里美。

今度は手頃な高さの8階建てのビルを無理矢理引っこ抜くと、市街地に向かって投げつけた。

空中で分解した建物は無数の瓦礫片となって街々に降り注ぎ大きな損害を与えた。


「これぞわたし流“凛投げ”で~す!」

「凛凛凛の三連発よ!」

「凛としたアラフォー戦士のわたしが、」

「ナチを相手に大暴れ!」

「もっともっと破壊を楽しませて頂きま~す!」(里美)


わずか数分の間に、彼女の立っていた周辺はメチャクチャに破壊されていた。

凛凛凛の三段責めで十数棟のビルが消失し、千名以上の死者が出ていただろう。

わたしは彼女の暴れっぷりを見守るしかなかった。


「律子さんも遠慮しないで踏み潰してやんなよォ!」

「ホラァ!」(里美)


「わたし、里美さんの活躍に見とれてました!」

「わたしも凛凛凛の三段責め、やってみます。」(わたし)


そういうとわたしもピョ~ンと飛び跳ねてはビル郡に向かって飛び降りた。


「えい」

❝ヴァッシューン!❞

「え~い」

❝ヴォッシューン!❞


「ホントだ、かなり爽快ですね、これ。」

「え~い、こうなったらわたしもやりたい放題やっちゃえ!」


「それ~い!」

「この~!」

「おりゃ~!」


❝ジュヴォーン!❞

❝ジュヴォッ!❞

❝ジュヴァッ!❞

❝ジュッヴォーン!❞


わたしの凛蹴りも強烈である。

履き慣れたダークブラウンのロングブーツが唸りをあげてビルを蹴り砕く。

更には足元に建っている建物を片っ端から引き剥がしては市街地に向かって投げ散らかした。

わたし達の周囲半径5メートルは瓦礫で埋め尽くされた。

いきなり現れた巨大なオンナ2人が体全体を駆使して暴れ回っているのだ。

ゲルマニアの首都も焦土と化していく。

そして上空には轟音が響いていた。

わたし達を迎撃しようと戦闘機や地上攻撃機の編隊が飛来するのが見えた。

地上部隊よりも先に現れたナチのやつらだった。


❝ドドドドドドッ!❞

❝ヴァシューン!❞

❝ヴァシューン!❞


わたし達に向かって機銃掃射とミサイル攻撃を仕掛けてくるドイツ空軍機。


「え~い、うるさいハエどもめ!」(里美)


怒り心頭になった里美は凛投げをエスカレートさせる。


「こんなもの~!」


❝ジュヴォッ!❞


「そりゃ~!」


❝シュルシュルシュルシュル!❞

❝ボッカーン!❞

❝ヴォーン!❞

❝ボーン!❞


少し大ぶりなビルを引っこ抜いた彼女。

上空の編隊に向かって思いっきり投げつけた。

無数の瓦礫片が空軍機を襲い、一度に10機以上が墜落した。


「やったねェ!」


手を叩いて喜ぶ里美だった。


















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