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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第154話・わたしも巨神になりたい!

 「夢のようだわ!」

わたしの話に興味津々の彼女。

それもそのはずで、高校生の時にバビロニア伝説にハマって以来、特にこの魔神鏡の女神の伝説にのめり込んでいったというから、彼女が興奮するのも無理はない。

目の前にいるわたしが彼女の憧れの女神であり、その生々しい体験談を語っているのだ。


わたし自身は、自分の事を女神だとか巨神だなんて思った事はなかったから少し戸惑っていた。

わたしみたいな普通のアラサー女が、そんな大それた創造物を演じていたなんて思ってもみなかった。

でも、悪い気はしなかった。


❝そうだ、わたしはナチを相手に大暴れする巨神の女神なのだ!❞


心の中で優越感を覚えながらほくそ笑むわたしだった。


「それで、今までにどの位の町を破壊したの?」(里美)


「10ヶ所以上だと思います。」

「わたし的には、いちいち数えてないし、」

「壊した町の数なんて関心なかったから・・。」

「でも、破壊する度にもの凄い快感を覚えたのは事実です。」

「巨大なわたしに逆らうんじゃねえよ!・・みたいな。」

「破壊や殺戮を繰り返す内に、Sなオンナになっちゃった事もありました。」(わたし)


「どんな風にナチスの兵士達を殺したの?」(里美)


「基本、わたしは踏み殺してました。」

「このブーツで。」(わたし)


「その格好でトリップしてたの?」(里美)

そう言いながら、マジマジとわたしのブーツや服装に見入る彼女。


「なんだ、わたしウルトラウーマンみたいなコスプレでトリップしてたんだと思ってたわ。」

「そんな普段着の巨神なんてちょっと面白いかも・・。」

「だって、チェック柄のブラウスにジーパンにロングブーツインでしょ?」

「最近のアラサー女性の定番コーデよね。」(里美)


「実際にトリップするときは革製のロング手袋もはめてるんですよ。」

「最初の頃はゴム手袋をはめてましたけど。」

「建物を叩き潰すのに素手だと痛そうなので・・。」

「普段着姿の巨大ヒロインを演じてました、わたし達。」(わたし)


「ってことは、他の人達もみんなジーパンにロングブーツインだったの?」(里美)


「そうなんです。やっぱり暴れるとすごくホコリっぽくなるし汚れるから、」

「お気に入りで使い古しのシャツやジーパンが最適なんです。」

「それに破壊技の大半は踏み潰したり蹴っ飛ばしたりなんで、」

「ロングブーツが基本なんです。」

「このロングブーツはわたし達にとっての武器なんです。」(わたし)


「ひょっとしてそのブーツで暴れてきたの?」

「ちょっと見せてくれる?」(里美)


「いいですよ、どうぞ!」(わたし)

そういうと、わたしはベージュのレインブーツを履いた右脚を先生に向かって伸ばしてみせた。


先生はわたしのブーツのつま先部分に両手を添えながらじっくりと観察している。


「結構履き込んでるわね、このブーツ。」

「小人の遺体が靴底の溝に詰まっていたりして・・。」(里美)


「アッハッハ、それはありえますね。」

「わたし、ナチの奴らを踏み殺す時は思いっきりニジりまくりますから。」(わたし)


「律子さんて顔に似合わず結構大胆なのね。」(里美)


「ごめんなさい!」

「わたしったら、ついホンネが出ちゃいました。」(わたし)


「踏み殺す以外にどんな殺し方をしたの?」(里美)


「そうですねえ、ツバをひっかけたりました。」

「ネットリとしたわたしのタンツバをナチの奴らに無理矢理飲ませて、なぶり殺しにしたこともあります。」

「これって、わたし流女子唾責めっていうんですよ。」

「それに、わたしの足元に展開していた大勢のドイツ兵どもに、」

「わたしの濃厚なションベンをまき散らしてやった事もありました。」

「黄色くほとばしるわたしの塩っ辛い濃厚なションベンで大勢が溺れ死んだんです。」

「本当にいい気味って感じでした。」

「アッ! 汚い話でごめんなさい!」


「でも、わたしのひと踏みで何十人も踏み殺すこともありました。」

「わたしの足元にウジャウジャいるドイツ兵どもに狙いをつけて、」

「❝エイッ!❞ってブーツで踏みつけるんです。」

「それから“グリグリッ!”ってにじり回すんです。」

「そうすると、」

「たった今、大勢の命を一瞬で奪ったのは、」

「この、」

「わたし!」

「って思うと、全身に“ジーン!”と電気が走ったような快感が駆け巡って、」

「たまらない高揚感に包まれるんです。」

「体がジンジンと火照ってきて、」

「大勢踏み殺す度に、やったね!・・みたいな。」

「イェ~イ!・・みたいな。」

「もっと踏み殺したい!・・みたいな。」

「止められなくなるんです。」


「いくら踏み殺しても、悪いとは思いませんでしたし、」

「彼らを可哀想だとも思いませんでした。」

「わたしってやっぱりSなのかなあ・・。」(わたし)


話しているだけでだんだんボルテージがあがり興奮状態になってくるわたし。

しかし、そんな体験話を聞いている彼女はもっと興奮していたに違いない。

それは彼女の表情を見ていれば一目瞭然だったからだ。


「生々しい体験談をありがとう!律子さん。」

「わたしも、体験してみたいわ。」

「それって可能かしら?」(里美)


いきなり単刀直入にオファーしてくる彼女。

無理もない、人生をかけて研究してきた事を実際に体験できるまたとないチャンスが巡ってきたのだ。

しかし、わたし的にはリリアの新宿での殺戮を目の前で見せつけられていたから、またトリップしてもいいのか正直迷い始めていた。

でもリリアのわたし達への “悪党” 発言以来、今まで共に闘ってきた友達は、尻込みして一緒に来てはくれまい。

それならいっその事、彼女と一緒に正義の闘いを続ける事もありかもしれないとも思った。


「新宿でのリリアの破壊と殺戮とを見て、わたし迷っているんです。」

「またトリップしてもいいものかって・・。」(わたし)


「でも律子さんは正義の為にナチスと闘ってきたんでしょ?」

「それって、単なる殺戮とは意味が違うと思うわ。」

「是非、わたしもその闘いに参加させて!」

「わたしも魔神鏡の女神になってみたいのよ!」

「お願い!」

「わたしもあっちの世界に連れていって!」(里美)


彼女の真剣な表情を見せつけられると、断ることなどできないわたしだった。













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