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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
153/278

第153話・あなたは魔神鏡の女神なの?

 「これは・・!」

里美女史はゆっくりとわたしの方に近寄って来た。


「アリッシュの姉鏡だわ!」

「どうしてあなたが・・?」

驚きのあまり言葉に詰まる彼女。


「突然、ごめんなさい!」

「わたしは藤森律子と申します。」

「この間の先生の番組を拝見しました。」

「この鏡の謎を教えて頂きたくて参りました。」

「お時間、大丈夫ですか?」

と自己紹介もそこそこに早く話を進めたいわたし。


「大丈夫よ、さあどうぞ!」

「あまりの事にわたし、ビックリしちゃって・・。」

とわたしにコーヒーを差し出す里美さん。


「これって、本当に凄い力を持った鏡なんです。」

「わたしはこの鏡の秘密を知りたいんです。」

といきなり前のめりのわたし。


「これって、オリジナルの姉妹鏡みたい。」

「これが本物なら、わたしの今までの研究が報われたわ。」

「今までは伝説の中だけに登場する架空のものだと言われてきたから。」

「でも、デザインは正にアリッシュの姉鏡だわ。」

「この間の新宿での巨大女出現の一件で、わたしは確信したの。」

「あれはこの鏡による事象だとね。」

「それにしても、本物の鏡がこんなにコンパクトだなんて。」

と続けながらわたしの手の中の鏡を見つめ続ける彼女。


「実はあの巨大女はリリアと言ってもう一つの世界から来たんです。」

「彼女はエリッシュの妹鏡を持っているんですよ。」(わたし)


「やっぱりそうだったのね。」

「2つの世界をこの姉妹鏡が繋げている事も解っているのよ。」

「それをあなたは知っていただなんて・・。」

「この鏡は歴史の違う2つの世界を行き来できる魔神鏡なの。」

「この鏡を使うと、とても強い魔力が放射されて、この鏡の持ち主を巨神に変えてしまうの。」

「そして、この姉鏡とエリッシュの妹鏡を両手に持って呪文を唱えると無敵の巨神になれると言われているの。」(里美)


「この鏡だけでも無敵だと思うんですけど・・。」

「2つの鏡を使うとどうなるんですか?」(わたし)


「2つの鏡を使うと、時空の扉が出現して、好きな時代に好きな大きさで時間も好きなだけトリップできるのよ。」

「しかも、過去の自分を見に行くこともできるし、過去を変える事で未来を修正することも可能なの。」

「片方の鏡だけだと、過去の自分に会いに行く事はできないし、過去を修正することもできないの。」

「それが知りたかったの?」(里美)


❝なるほど、そういうことだったのか。❞

❝それでリリアはこの鏡を手に入れたがっていたんだわ。❞

❝でも、彼女は何を修正したかったんだろう?❞

❝あの港町で暴れたわたし達を止めたかったのかしら?❞

心の中でそう感じながら暫くうつむいてしまうわたし。


「どうしたの、律子さんだっけ?」(里美)


「すみません、何でもないんです。」

「ちょっといろいろと考えちゃて・・。」

とはぐらかすわたし。


「でもあなたがこの鏡を持っているってことは、使った事があるのね?」

語気を強める里美。


「実はそうなんです。」

「わたし、何度もこの鏡を使いました。」

ささやくような声で応えるわたし。


「ということはあなたは魔神鏡の女神になったってことなの?」(里美)


「魔神鏡の女神ですか?」(わたし)


「この鏡を使って過去にトリップしたってことは巨大化したってことでしょ?」

「向こうの世界を覗いたってことなんでしょ?」

「わたしに聞かせてほしいなあ。」

「どんな、感じだったの?」(里美)


「わたしが行った世界は、ナチスドイツが世界の半分を支配する暗黒の世界でした。」

「ヨーロッパ全土を支配するナチの奴らとわたし達は闘ってきたんです。」

「わたし達はこの鏡の力を使って正義の為に闘いました。」

胸を張って主張するわたし。


「わたし達?」(里美)


「わたしとわたしの友人達です。」

「多い時はわたし達6人でトリップした時もあります。」

「向こうの世界ではわたし達、先生の言う通り無敵の巨大ヒロインになれるんです。」

今度はわたしが語気を強めて語る。


「そんなにたくさん体験した人がいたなんて・・。」

「どのくらいの大きさになったの?」(里美)


「基本的には30年位前にトリップする事が多かったので、身長160m位です。」

「人間なんてこんなにチッコイんですよ。」

「それに戦車だって手の平サイズでこんなもんだし。」

「踏み付けると紙屑みたいにぺっちゃんこになっちゃうし。」

「ビルだってわたし達の腰の高さ位だったから、ぶっ壊すのも簡単なんです。」

「わたし達、あっちの世界では思いっきり暴れまくってました。」

思わず身を乗り出して語ってしまうわたし。

こんな事、自慢げに話してもいいものかと思ってしまった。


「すっごいリアルな話!」

「ってことは、相当な数の小人達を殺したってことなの?」

現実味の無い空想話のように無邪気に尋ねてくる彼女。


「かなり大勢殺しちゃいましたよ、わたし達。」

「わたし1人で何万人かも・・。」

「でもそれって、みんなナチの奴らですから。」

「わたし達はリリアみたいに一般の人達を面白がって殺したりはしていません。」

「少しくらいの犠牲はありましたけど・・。」

少しトーンダウンしながらもわたし達の正当性を強調するわたしだった。


そんなわたしの話にニッコリしながら大きくうなずく里美だった。










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