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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第14話・わたしの痰ツバ攻撃!

 街の中心街をメチャメチャに壊しまくったわたしは異様な高揚感に包まれていた。

そして手前の壊しそびれたビルからわたしに向けて発砲している事に気づいた。

「そんなに、わたしを怒らせたいのかしら?」

そう思いながらそのビルに向かって歩き出すわたし。

❝ズシ~ン!ズシ~ン!❞

ビルの正面にやって来たわたしは中腰になるように少ししゃがんでみた。

そして、先程から発砲している最上階のフロアを覗き込む。

しかし、その前にこのビルの屋上に高射砲が3門設置されている事に気づいた。

大砲の周りにはうず高く土のうが積まれ、数十名の兵士達が射撃準備をしていた。

「わたしに向かって撃つ気ね!」

「そんな事しても無駄だって事、教えてあげるわ!」

そういうとわたしは右腕で屋上に並ぶ高射砲と兵士達もろとも一気になぎ払った。

「え~い!」

❝ガラガラガラッ、ガッシャ~ン!❞

わたしのロング手袋が高射砲部隊を兵士もろとも空中に吹き飛ばした。

「わたしを怒らせるとこうなるんだからぁ!」

「よ~く、覚えておきなさいね!」

邪魔者を一瞬で片付けたわたしはもう一度ゆっくりと最上階のフロアを覗き込んでみた。

このフロアの中央にはガラス窓が無く大型の機関砲が据え付けてあった。

先程からわたしに向かって発砲していたのはこの中の連中だった。

あまりにも無力な武器でわたしに向かって攻撃してきたから少し可哀想に思えてきた。

「わたしを怒らせればどうなるかわかってるのに・・。」

そこで、どんな連中が中にいるのか知りたくなったわたし。

目を凝らして覗き込んでみると中には3人のドイツ兵がいた。

あまりにも巨大なわたしが覗き込んだから恐怖心で凍りつく3名。

しかし、次の瞬間彼らは予想もしない行動に出た。

覗き込んだわたしの目を狙って機関砲を撃とうとしていたのだ。

わたしはとっさに“マズイッ!”と思って顔を上げようとしたが機関砲の連射を喰らってしまった。

幸い目には当たらずにわたしの鼻と鼻の穴付近に当たったみたい。

でも弾の威力が弱い分コショウでも振り掛けられたようなむずがゆさを感じた。

そして、次の瞬間わたしは思いっきりクシャミをしてしまった。

「へッヘッ、ヘックシュ~ン!!」

ちょうどわたしの口が機関砲の銃座の目の前だったから、わたしの息とツバが凄まじい勢いでドイツ兵達を襲った。

兵士達は壁に叩きつけられて床になぎ倒された。

銃座の中はわたしの口から飛び出したツバでベトベトの状態だ。

しかも、わたしは昨日から少し風邪気味だったので喉の奥にへばりついていた痰がツバと一緒に吐き出されたみたい。

左端の兵士の上半身をネットリとした黄色く濁った気泡混じりのわたしの痰ツバが覆い尽くしていた。

この兵士はピクリとも動かず、すでに息絶えていたみたいだった。

銃座の中はわたしの強烈な口臭と“ツ~ン”としたわたしのツバの臭いで充満していた。

普段口臭は気にならないわたしだけど、やはり体調不良だからお口の中の臭いがキツくなるのも仕方が無い。

そして残った2名のドイツ兵は全身わたしのツバだらけになりながら立ち上がろうとしていた。

それを見たわたしは反射的にもう一度彼らに向かって痰ツバをひっかけた。

「カッ、カァ~ッ、ぺッ!」

下品なくらいに喉を鳴らしながらツバを吐き掛けるわたし。

わたしの痰ツバは2人のドイツ兵に見事に命中した。

黄色い痰の混じったツバの塊が2人の上半身を包み込んでいる。

ヌルヌルの痰ツバはもがけばもがくほど口や鼻から体内に入り込み呼吸困難にする。

しばらくのたうち回っていた彼らもその内に動かなくなった。

「痰ツバまみれにしちゃって、ごめんねェ~!」

「わたし、ちょっと風邪気味なの!」

「だから~、わたしの唾ってちょっと臭いかも!」

自分の口から吐き出したものとは言え、わたし自身だって触りたくもないヌメッた汚くて臭い痰ツバ。

「ちょっと、可愛そうだったかなぁ?」て思ったけど、すぐに思い直した。

「この痰ツバ攻撃って、結構使えるかも・・?」

この世界ではあまりにも巨大なわたしだから、屈強なドイツ軍の兵士でもちょっとブーツで踏みつけたり、指を押しつけたりすると簡単に潰れて死んじゃうから、このツバ責めならナチの奴らを思う存分いたぶる事ができそうだ。

さっきみたいに痰の混じったツバを吐き掛けると呼吸ができなくなってすぐに死んでしまうから、今度はわたしの指に唾をタップリつけてドイツ兵の顔になすり付けてやれば良いのだ。

そうすればわたしの吐いた唾でなぶり殺しにできる。

そんな事を考えながらわたしは痰ツバまみれになったフロアにブーツのつま先を突き刺してそのまま踏み降ろした。

「え~い!」

❝ズボッ!❞

❝ズボズボッ、ズッボ~ン!❞

わたしのブーツがビルを真ん中から切り裂いた。

そして残った左右の部分もブーツで蹴り倒したわたし。

「やったね~!」

「イェイ!」と右手で可愛らしくピースサインをするわたし。

今日は随分破壊を楽しませてもらった感じがする。

大勢のドイツ兵をまるで虫けらでも潰すようにブーツで踏み殺したり、ビルに腰掛けてジーパンで押し潰したり、ドイツ兵に痰ツバを引っ掛けたり、本当にやりたい放題のわたし。

「わたしって、踏み潰したり、蹴っ飛ばしたり、押し潰したり、唾ひっかけたり、結構忙しいんですゥ~!」

な~んて叫んでみる。

散々暴れまくって時間を確認したら、あと10分程でタイムリミットの1時間が経過する。

前回、住宅街を破壊して後味の悪い思いをしたのとは違って、今日はとってもスッキリ爽快な気分で引き上げる事ができそうだ。

そう思っていたら上空から何やら飛んでくるのが見えた。

「何だろう?」

と思った瞬間、わたしの足元で小さな爆発が起こった。













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